2006年03月 → 戻る  
 
マザーズカフェはじまります 2006.03.29  

冬の間、お休みしていました「マザーズカフェ」再開します。近くて、遠い
子供のことを率直に話をする場です。お母さん、お父さん、おじいちゃん、
おばあちゃん、先生、日々子供のことを考えている方、関心のある方どなた
でもどうぞお気軽にご参加下さい。
         
毎回加藤松子さんにコーディネーター役をしていただきます。そのときどき
のテーマを話し合ったり、絵本の読み聞かせをしたり、ここでしか言えない
悩みを話したり。松子さんは、自然食品店を営みながら、食やこころの世界
を長い間研究してきた方で、きれいごとではない、ほんとうの言葉を放ちま
す。難しいことはしないけど、ただのお茶のみ会でもない、そんなマザーズ
カフェ。お待たせいたしました。始まります。
       
       
マザーズカフェ
毎月第一土曜日 10:30〜11:30
会費:500円(お茶つき)
        
出席の連絡の必要はありません。お気軽にいらしてください。
     
△最新の庭番便りへ戻る


ドアにご注意! 2006.03.29  

このところの強風のせいか、入り口のドアが調子悪くなっていて、本日グギ
ギーーと音を立て、壊れてしまいました。数日前、店の前で車のバッテリー
が上がって、夜中にスタンドへ走ってやっとのことでエンジンがかかった、
という災難があったばかりで、なんでこう、面倒なことばかり起きるのよーー
とキレそうになりました。壊れたドアは危険で指をはさんだりしたら、大変。
(油圧でゆっくり閉じるはずが、その機能が壊れて、勢いよく閉じてくる)
応急処置をしたのが下記の写真です。
         
途方にくれて大家さんに電話をすると、すぐ業者に連絡をとって下さり、心
配してお店にも駆けつけてくれた。「ところでお嬢さんは元気?」と娘のこ
とも気づかってくれる。「おじいちゃんはあなたたちのこと孫みたいに思っ
ていたから」確かにそうでした。この店を借りるときに大家さんだった
Sさんは、そのとき97歳だった。その歳とは思えないほどしゃきっとして、
外車に乗り、ゴルフもする。そしていろいろとお世話になった。店の建物の
マンションの最上階に住んでいたけど、だんだん外出する姿が見られなくな
り、1階のテナントの中で新参だった火星の庭が、一番の古株になった頃、
車椅子で散歩するのを1回見た後、亡くなった連絡を受けた。全テナントが
揃って御焼香へ伺った。そのとき上記と同じように「おじいちゃんはあなた
たちのこと孫みたいに思っていたのよ」と今の大家さんである娘さんに言わ
れた。御香典を差し出すと、それも、受け取らないように、と遺言があった
とのこと。その昔、仙台で一番大きなキャバレーを経営していた大家さん。
今60代以上の方に聞くとみんな知っている場所。業種はまったく違うけど、
商売上手はあやかりたいなー。
           
ドア、今週中には直ります。営業は普段と変わらずやっております。
     
△最新の庭番便りへ戻る



番外編『まかない日記』 「おつかいはつらいよ」の巻 2006.03.27  

****
こんにちは。バイトのユキです。
****
       
3/25(土)夜のまかない
朝に電話がかかってきて食材の買い物を頼まれることはありますが、
ある日なぜか、メニューには使っていない食材の指定が。
店主からの指示は、
「ラム肉買ってきてね。2kgくらい。
あ、ひき肉にしてもらうの忘れないでね。」
ラム肉?2kg?ひき肉?
途中の店で「ラム肉2kg、ひき肉にして下さい。」と笑顔で注文する。
羊肉は、最近では若い女性の間で体に良いと人気らしいが、
火星の庭では以前からよく登場していた。でもひき肉は初めて。
店員さんも困惑気味。
「ラム肉2kgもどうすんの?しかもあなたひき肉って。」
と顔に書いてある。(私もまだ知らない。)
ズッシリと重い肉のためフラフラの自転車で店へ。さて……?
 その晩のまかないはラム肉のハンバーグ!
   ついに火星の庭の最強のまかないが登場!
詳しくお伝えしたいのですが、長くなってしまったので、
うまかったとだけ言っておきます。もっとお伝えしたいのに〜。
そしてゴメンナサイ。写真も取らずに平らげてしまったので、
今回も写真なしです。
追記:いくら大食いと言えども一度に全部は食べられず、
   半分ほどは冷凍保存でしたよ。
     
△最新の庭番便りへ戻る


穀物サブレ製造中 2006.03.27  

ただ今穀物サブレを作っております。(下記写真)何をしているかというと、
ドライ・レーズンをひと粒づつ刻んでいるところです。300g、2時間かかり
ます。くるみも刻みます。こちらは切りやすいので、1時間で。材料が刻み
終ると生地を作り、一晩寝かせて、成形して(これも1時間かかる)冷凍庫
に入れて数時間寝かせる。棒状にかたまった生地を、カットして230度の
オーブンで12分焼く。庫内の温度を下げないために一度に20枚しか焼けない
ので、何度も焼く。
     
メニューにある「穀物サブレ」はこんなクッキーがあったらいいな、と思っ
てはじめました。お菓子なんだけど、軽食っぽくて、体にもいいもの。初め
て作ったのが育児中だったので、たっぷりある時間を使ってのんびり作って
いました。残ったら自分で食べてもいいし、と思ったけど、残ったことは一
度もない。仕事に復帰して気がついた。この手間をかけて作ることは不可能
だと。でもすでに穀物サブレファンの方がたくさんいて、サブレを目的に来
店される方もいる。それを見ると、「わかりました。作ります」と胸の内で
叫び、上のような工程で作ります。「こういうのってないですよね」って言
われると(それはそうです。手間かかり過ぎですから)と思いつつ、微笑む。
レーズンもくるみもフードプロセッサーを使えばいいかと思ってやってみた
が、細かくなりすぎて手で刻んだようにならない。微妙なことって手でしか
できないんですよね。
     
材料の粉はカナダの玄麦をポストハーベストフリーで船で運び、製粉は日本
でしたもの。私の感覚だと西洋菓子は西洋の小麦で作る方がおいしいような
気がします。国産小麦の方が安全ではあるけれど、お菓子は嗜好品なのでお
いしいことを優先して、より安全であればと思っています。他の材料は、よ
つ葉の無塩バター、卵は放し飼い有精卵、粗製糖、無農薬オートミール。
アーモンドパウダー、レーズン、くるみ、アーモンドは、天才パティシエ
弓田亨氏の代官山にあるケーキ屋さんイルプルー・シュル・ラ・セーヌから
取り寄せています。イルプルーの材料は南ヨーロッパのものが多く、味がと
ても濃いです。
     
売れるとああ、また作らなきゃ、とつい思ってしまう。こんなこと書くと、
買いにくいと思われるのか、それとも買いたいと思う方が増えるのかわかり
ませんが、ちびちびと今後も作り続けたいと思います。6枚入り1袋300円。
申し訳ありませんが通販はできません。
     
△最新の庭番便りへ戻る



働く2歳児 2006.03.24  

我が子を登場させるのは、反則技と気が引けるのですが、あまりにおかしい
のでご紹介します。この前の定休日、前日の友部さんライブのままの店内を
整理していると、掃除機をかける父に娘が「やりたーい」と言ってきかない。
この前も店へ来るなりふきんを持ち出し、ガラスを拭きはじめた。身長92cm
なので、拭けるエリアはごくわずかなんだけど。最近は20時の閉店時間にな
ると、「閉めるよー」と言ってブラインドを閉めるようになった。こんなに
働く気満々なのは、出かけるところはいつも親の仕事がらみで、子供が喜び
そうなところには連れて行ってないせいなのか、と哀れな気になるが、いや
いや昔の子は、働いていた。おしんだって5歳で子守りの奉公に出たではな
いか。なんて平成の世に極端なことを思ったり。
以前保育園の父兄会でひとりずつ子供の近況を話したとき、「ようやく話も
わかるようになってきて、早くお店の労働力にならないかと楽しみにしてい
るんですが」と言ったら、受けるどころか引かれてしまった。
     
△最新の庭番便りへ戻る



友部正人ライブ 2006.03.24  

3月の火星の庭の句会に友部さんが来る、というので、「それではそれでは
ライブもやっていただきたい。ぜひぜひぜひにーー」と葉書を出しまして、
ライブ開催となりました。いつもだと、3ケ月前から準備をして、DMを作っ
て、情報紙に載せて、あちこちにDMを配ってまわって、とすごいことになる
のですが、決まったのが、1ケ月前で、チケットも作らずというゆる〜〜い
準備でした。それなのに、どんどん予約が入って、当日は満員になりました。
ご来場いただいたみなさまありがとうございました。
      
友部さんのライブの前に、12時からFMいずみのテリーさんが
「teri-teri-heads出前編」として火星の庭の事務スペースでライブDJをして
くれました。持参のCD数百枚のなかから次々と選んで曲を紹介していきます。
テリーさんのユーモアの効いた話術と、音楽への熱い気持ちが伝わってくる
楽しい時間でした。3時間ぶっ続けで、汗を流して素敵な音楽をかけてくれ
たテリーさん、ありがとうございました!偶然入って来たお客様もみなさん
喜んでいましたよ。またやってくださいね。
      
オンエアリストです。長いけど、載せちゃいます。
私はジョニー・キャッシュにしびれました。
      
*オープニング
「テイク・ファイブ(デイブ・ブルーベック)」
*ヘッドライン
「Hギャング(ドナルド・フェイゲン)」
「ローリー・ポーリー(リトル・ウイリーズ)」
「ラブ・ミー(エルビス・プレスリー)」
「ラブ・ミー(リトル・ウイリーズ)」
「オン・アン・アイランド(デビッド・ギルモア)」
「ガンタナマラ(フィル・マンザネラ)」
「サンセット(ケイト・ブッシュ)」
*バック・トウ・バック
「北国の少女(ボブ・ディラン)」
「イン・マイ・ライフ(ジョニー・キャッシュ)」
「ならず者(ジョニー・キャッシュ)」
*コンサート・インフォメーション
「証明(タテタカコ)」
「今宵の月(ピッピ隊音楽部)」
「キコエナイ唄(ピッピ隊音楽部)」
「たまねぎ(たまご)」
「開拓者(下地勇)」
*ポエトリー・イン・モーション(朗読)
「友部正人【ジューク・ボックスの詩人から】」
「スターティング・オーバー(ジョン・レノン)」
*グッド・オールド・タイム(カバー曲聞き比べ)」
「スイート・スー(ジャンゴ・ラインハルト)」
「スイート・スー(バンバンバザール)」
*リクエスト
「愛にすべてを(ふちがみとふなと)」
「イングリッシュ・ティー(ポール・マッカートニー)」
「サンディ(ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンド)」
*ラスト・ナンバー
「マイ・レディ・ストーリー(アンソニー&ジョンソンズ)」
      
友部さんのライブは、最新アルバム「Speak Japanese,American」のタイトル
曲から始まり、詩の朗読もしながらたっぷり2時間の内容でした。ふだんラ
イブで歌わない曲も多く、20年近くライブに行っていて、初めて生で聞く曲
もあってとても楽しかった。
      
カウンターからお客様の表情が見えて、嬉しそうに聞いている人、ノッてい
る人、目を閉じている人、うなずいている人など、それぞれの方々が楽しん
でいる様子だったので、それもうれしかったです。お客様から帰りに「ここ
は何屋なんですか?」と聞かれましたよ、と受付けのスタッフ。ライブで初
めて来たら、ほんと何屋かわかりませんよね。
      
春分の日の、風の強い、WBC決勝戦の日。
火星の庭は暑いくらいの室温になっていました。
     
△最新の庭番便りへ戻る



火星の庭3月句会 2006.03.24  

3/20(月)に3月の句会が火星の庭で19時から開かれました。この日の参加
者は12名。一番若いのは愛茶(俳号)さん15歳です。ミュージシャンの友部
正人さんと奥様のユミさんも横浜から参加されました。一人3句づつ持ち寄
り、全員の句が並べられた中から好きな句を5句選んでいきます。作者の名
前は伏せられていますから、誰が書いたのかはわかりません。句をつくるの
も悩みますが、選ぶのも難しいものです。作者を知らないはずなのに、同じ
人の句を何個も選んでいる人もいました。今回気に入った句、
      
「黒潮が少しまがりて春の雨」  渡辺誠一郎
「霜畳はがして春の模様替え」  作並
「春雷の雲の重さにヒバリ鳴く」 テリ庵
      
この日の季語は春でした。並べるとどれも大きな自然と小さないのちのつな
がりを感じるような句です。こういう視点は、今の私だとかなりがんばって
モードを変えないと出てこないなー。と、店の営業に追われている自分を顧
みたのでした。
      
今回から、お酒やつまみを用意しました。もともと句会は、お酒を飲みなが
ら和やかにするものらしいです。(愛茶さんはバナココ、車で来た人も)
でもみなさん真剣で、飲み会というふうにはならなかったです。大人の遊び
なのだなー。実際いい俳句は70、80歳の人が書いたのが多い。と、主宰の
渡辺さん。30ン歳の若造では人生経験が貧弱である。と俳句の世界ではなる
のかしら。んー、年を取りたくなってきた。
      
長くなりますが、ご案内。
宮城県塩竈市出身で、戦後の俳壇を代表する一人とされる俳人・佐藤鬼房
(1919-2002)氏の作品世界を紹介する公園「鬼房の小径」がこの4月、塩竈
市にできるそうです。かつて鬼房氏が主宰し、渡辺さんが参加する俳句結社
「小熊座」の関係者が選んだ句の刻まれた石碑が7つ並ぶそうです。
そのうちここで「吟行」(散策しながら俳句をつくること)しましょうか。
と言いながらうれしそうに渡辺さんが紹介してくれました。

句会終了後は、近くの中華料理店「長城」へ。個室を用意してくれて、みん
な食べる食べる。満腹になって戻ると、名残惜しくなって、「コーヒーいれ
ますのでいかがですか」とすすめる。だれかがピアノを弾くと、友部さんが
ハーモニカを吹き出し、それをバックにユミさんのおもしろくてすぐ役に立
ちそうな体験談などを聞いていると夜中の1時半。
明日があるから帰りましょう、となりました。
     
△最新の庭番便りへ戻る



番外編 『まかない日記』 「まかないは禅だ!」の巻 2006.03.24  

こんにちは、バイトのユキです。
     
3/23(木)・夜〈干し椎茸の炊き込みごはん〉   
ある日の午後、スタッフが仕事をしていると、店主(マエノクミコ)が後ろ
で突然叫んだ。「よしっ、干すぞ!」干すと言っても布団や洗濯物ではない。
椎茸である。前回の日記にも出てきた、有精卵の生産者和田さんから譲って
もらったもの。量が数kgはあり、いくらスタッフが食べ盛りと言えども、と
ても一度には食べられないくらいあるのだ。「干して冷凍すればいいのよ」
と和田さんは言うが、干すったって、まさか店の前の歩道に干すこともでき
ず、並べた所は店の作業スペース。ルイルイと並ぶ一面の椎茸は圧巻で、作
業場が占領されても文句の一つも出ないのはナゼ?二日目にもなると、さほ
ど邪魔に感じなくなってしまう。数日が過ぎてまた店主が叫んだ。「よしっ?
もう完成だ!」本当に完成したのか、店主が飽きたのかはわからないが、一
回り小さくなった椎茸は無事に「干し椎茸」となったのである。そんなわけ
でその日の晩は戻した椎茸のだしのいっぱい入った炊き込みごはんに決まっ
た。米は店主の実家で栽培されたこしひかりに、有機栽培の京人参などの根
菜類がたっぷり。それらを圧力鍋で炊くこと15分。ほんのりと金色に輝く
炊き込みごはんの完成である。その日の夕食時にも、「う、うまいっっっ!!」
というスタッフの悲鳴が閉店後の店内に響き渡ったのである。
     
こんな調子でいつもうまい「まかない」に恵まれているのだが、悲しいのは、
どんなに食べたくても、同じメニューに再会する可能性はまったくないとい
うことである。店主がその場の思いつきでつくっているのだから。火星の庭
の「まかない」は茶道の世界同様、一期一会なのだ!   
    
△最新の庭番便りへ戻る


火星の庭の看板は? 2006.03.19  

 このところお客様に「看板はどうしたのですか?」とよく聞かれます。外
壁につけていた木製の看板を昨年末、取り外してもらいました。理由は第一
に「老朽化」。木製なので黒ずんで、ヒビも入りはじめ、こわいなあ〜、落
ちたらたいへんだな〜と思っていたのです。仙台はときどきすごい強風が吹
きます。看板は重さが数十キロあります。あれがもし…、これ以上想像する
と恐いから、取り外しましょう、となりました。
 思い出深い看板ではありました。大工さんに一枚板を譲ってもらい、道具
を借りて、簡単に掘り方を聞いて、まったくの勘で作りました。なかなか進
まず、3日かかってもできない。様子を見にきた友人達も手伝ってくれまし
た。
 その日も板を前に悪戦苦闘していると、一人の男性が入ってきました。
「あ、昭平さん!」画家であり、数多くの絵本も出されている木村昭平さん
が、突然あらわれたのです。ちょうどこの近くのギャラリーで個展をしてい
て、通りかかったら見知った顔が見えたから入ってきたといいます。木村さ
んとはずっと前に知り合いのお店で個展を開いたときにお会いしたのでした。
ご自宅は愛知県の刈谷市だから、すごい偶然です。「何やってるの」「お店
の看板を作っているんですが、うまくいかなくて」と言うと「どれどれ」と
ノミを手に持ち、板を彫り始めました。その手さばきの美しいこと。木は
「参りました」とばかりにやわらかく、切り出されていく。さっきまでは石
みたいだったのに。そこにいた数人はほ〜〜っとため息をついて見入ったの
でした。聞けば、アルバイトで看板を作ったことがあるという。木村さんは
掘り方のコツをひととおり教えてくれた後、「じゃー」と言って去っていき
ました。看板は一気に進み、その日の夜に出来上がりました。出来上がりを
見た大工さんはびっくり。「うまいねー。これで商売できるよ。」とおおげ
さに感動してくれました。
 今年のお正月あけ、友人から入ってくるなり、「あー心配したー。お店閉
めちゃったのかと思った」と言われました。お店のブラインドを閉めちゃう
と、中は見えないし、閉店したように見えるんですね。こういう人が何人も
いて、「どうしたのー、看板!」って言われるたびに説明をしながら、あり
がたいような気持ちになったり、軽はずみだったかと反省したり。今のまま
ではちょっとさみしいので、暖かくなってきたし、明るい色でペンキを塗ろ
うかなと思うこの頃です。
         
△最新の庭番便りへ戻る



3/21は「teri-teri-heads 出前編 」もいたします 2006.03.14  

今度の祝日3/21にfmいずみのDJ テリーさんの番組「teri-teri-heads」
が火星の庭へやってきます。この日はテリーさんセレクトのフォーク&ロッ
クが店内に流れ、3時から始まる友部正人ライブまでゆっくり音楽を楽しん
でいただきたいと思います。店内のレイアウトも少し変えようと思っていま
すので、いつもと違うロック喫茶火星の庭をどうぞお楽しみに!
と言っても、メニューは通常通り、お茶だけ、古本だけのお客様も大歓迎。
気軽にふらりとどうぞ。
    
3/21(火曜・祝日 春分の日)火星の庭にて
    
12:00〜 
「teri-teri-heads 出前編 」
 1日だけのロック喫茶火星の庭
 ご来店無料、カフェ着席は1オーダー
    
15:00〜17:00
夜の本屋 番外編 「午後の本屋」
 友部正人ミニ・ライブとポエトリー・リーディングat火星の庭
 チケット2000円 (当日2500円)
 *チケットまだ間に合います
 チケット予約:book cafe 火星の庭
 tel 022-716-5335 fax 022-716-5336
 kasei@cafe.email.ne.jp
         
△最新の庭番便りへ戻る


番外編 『まかない日記』 2006.03.14  

こんにちは。バイトのユキです。
私は声を大にして言いたい。「火星の庭のまかないはゼッピンである!」
こんなにおいしい料理をスタッフだけしか知らないのはもったいないと思い、
庭番に出てきてしまいました。
というわけで、今回から火星の庭のまかないをご紹介したいと思います。
お楽しみに!
      
3/6(月)
昼・鶏ガラスープ
出勤すると何やら大鍋から湯気が立ちのぼっている…。カレーの仕込みかと
思いきや、ふたをあけると二羽の鶏ガラがグツグツと煮えているではないか。
聞くと三越地下食品店で南部地鶏の鶏ガラを買って来たとのこと。冷凍庫を
見るとあるわあるわ鶏ガラの山。ここはラーメン屋か?その日のメインはだ
しのきいたスープ。これに伊達の旨塩と宮城県産有機栽培長ねぎ、大根など
を入れて食べる。う、うますぎる!はぁ、またおなかいっぱい食べてもうた。
ここに仕事に来ると太るという原因は、言うまでもなくこのうまいご飯のせ
い。嫁入り前の娘がどんぶり飯って…。
          
夜・うどん
昼の鶏ガラ第二弾。スープを使ってうどんになった。半熟卵のせ。卵は色麻
町で鶏の放し飼いをしている方のもの。もちろん有精卵です。この卵は黄身
が何とオレンジ色。黄身じゃなくてオレンジ身?火星の庭のスイーツにも使っ
てます。いつもあるわけではないのですが、販売もしているので運が良けれ
ば買えるかも。春は近いと言えども東北の夜は冷える。あったかいうどんで
幸せ気分。うどんは四国の讃岐うどん。うどんといえばスタッフの友人で、
うどん屋になりたくて仙台から香川に行って修行している人がいます。元気
かなあ。
       
と、こんな感じで続けていきたいと思いますので、
どうぞよろしくお願いします。
         
△最新の庭番便りへ戻る



2月最後の極端な1週間 後編 2006.03.14  

2/21(火)
日付けが変わる頃に家へ着く。着いたとたん、「うぇ〜〜ん」と娘が泣く声
が。これがこの後つづく苦難の前触れになろうとは。顔をのぞくと赤ら顔で
汗をかいている。おでこに触ると高熱。ウソ……。と頭の中が真っ白になる。
添い寝をしていると何度も目覚める。その度にとんとんと軽く背中をたたく。
誰かを探すようなそぶり。ここ2日間いなかった母の姿か。母の顔に気がつ
くと、しくしくしくとかすかに、でもいつまでも泣いている。これがあの楽
しい横浜と東京の時間の代償なのか…。
朝になると熱は引いた。でも今日は保育園を休ませて一日一緒にいることに
する。ずっと機嫌はいい。夜は火星の庭で句会(俳句の会)の第1回目。3
句作らねばならないが、創作モードにならず。夕方、夫と育児を交代して、
火星の庭へ行く。18時半くらいから句会参加者が集まってくる。友部ご夫妻
も横浜からFAXで自作の俳句を送ってきた。参加者8名の句が並んだ紙に自分
が気に入ったものを5句選びだす。著者は伏せられているのでだれの句かわ
からない。参加者がそれぞれ選んだ句を言い合うと、講師の渡辺さんの解説
のもと1句づつ鑑賞していく。これがとてもおもしろいのです。五、七、五
という短い字数の中になんと多様な世界があることか。渡辺さんの解説の中
で印象に残った言葉。「俳句や短歌は、作ってすぐ人に発表しやすい」とい
うこと。これが小説や詩だと読む方も少し覚悟が必要になります。
「創作は発表しないとうまくならない。
 俳句も句会を開いて鑑賞し合わないと上達しない。」
「俳句にはゲーム性があり、複数の人と共有して楽しめる」
「俳句は短歌が分かれたもの。五七五ですべてを言おうとしないで、
 その後の七七を、読み手が自由に作れるように。」
ということで、俳句にはまっているのですが、まったく作れないのですよ、
今の日常では。この日の最高得点は友部さんでした。楽しい気分で帰宅をす
ると、娘がまた、熱。夜中になんども起こされながら、関節に悪寒を感じは
じめる。
      
2/22(水)定休日
朝になると、娘の熱は下がり、元気いっぱい。おとなしく寝ている様子はな
いので、3人で出かけることにする。近くのイタリアレストランでランチ。
体調のせいか、大盛り2人前をたのむが、完食できず。
国見ヶ丘の某所を散歩して、郊外の古本屋を回ってケン(夫)の実家へ。娘
を預けて、宮城県美術館へ三角フラスコの公演を観に行く。ユンボのライブ
が同時に行われる斬新な演出。公演場所が2ケ所あり、途中観客が美術館を
回遊する。会話の流れがおもしろく、一瞬も飽きることなく観終った。しか
し、悪寒がひどくなり、全身がだるい。終演後、ユンボのナツに声をかけら
れる。「どうしたの?すごい疲れてる?」顔に出ているらしい。ケンの実家
から娘を引き取り、帰宅。娘も咳がひどい。
      
2/23(木)
今日こそは娘を病院へ連れて行かなければ、とかかりつけのてらさわ小児科
へ。この病院はログハウスで、暖房は薪の暖炉。南向きの窓が大きく、光が
いっぱい入ってきて、とても気持ちがいい。シックハウスについて研究され
ていて、環境汚染や薬害についてもかなり問題視している先生。2、3分の
診察で説明なく一方的に薬を渡されるだけの診察が苦痛だったので、病院を
なるべく避けていたが、この小児科との出会いは、育児をする気持ちをだい
ぶ楽にしてくれた。娘の診察が済み、はっと気づいて言ってみた。
「先生、私も診ていただいていいでしょうか」
「いいよ。口開けて。うわ〜〜〜ひどい。扁桃腺が腫れている。
 このままだと入院だよ。」
そうか、そんなにひどかったのか。ふだんはめったに出さない抗生剤をたん
まり処方されて帰った。
      
2/24(金)
夜中に熱が(私の)39度まで上がり、朝起き上がられず。しかし、私はお
店に出ないと精神的ストレスが倍加するので、午後お店に行く。「来ても仕
事にならないのに〜〜かえって邪魔」と言われながらも、パソコンを触る。
救いがたいワーカーホリックなり。
      
2/25(土)
熱は下がったものの、頭痛がひどい。最後の切り札として、知人の気巧師に
治療していただくことにした。この方の気巧はいつもすばらしく効く。中国
政府認定の気巧の先生(先日放映されたビートたけしの「アンビリバボー」
の気巧特集でも最後に世界一の気巧師と紹介されていた)のもとで免許取得
という方なので、世にあまたあるあやしげな治療師とは違うのですよ。
これでようやくすっきり。長かったですねーー。
皆様も季節の変わり目、お体お気をつけて。
         
△最新の庭番便りへ戻る


2月最後の極端な1週間 前編 2006.03.06  

 庭番便りご無沙汰していました。前回書いた東京行きから帰ってきたとた
ん、重症の風邪をひいて、2週間近くずっと不調でした。お伝えしたいこと
もたくさんあるので、長くなりそうですが、どうぞ読んで下さいませ。何回
かに分けてアップします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 2/19(日):朝8時発のはやてに乗って上京。まずは神田の古書会館へ。
今日は中央大市の下見日。10時に開場したばかりなので、人の姿はまばら。
会場は地下、2、3、4階を使っている。壁に塔のように立つ古本の束に圧
倒されそうになりながら、順に物色していく。途中で、あれ変だなと思う、
まさかそんなことはない。久しぶりの大市で勘が戻ってないからなのだ。と
言い聞かせながら全会場を見終わって、いやな予感がした。札を入れようと
思える出品物が一つもないのだ。まだ来て30分しか経っていない。というか、
30分で一周するなんてこと、今までなかった。今日はここまでにして、明日
またモノが違って見えるかも知れないから、朝イチで来ることにする。
 昼だけど新幹線で自作の玄米おにぎりを食べたので、どこにも寄らずお茶
の水から東京駅へ戻る。今日はボヤボヤする時間はない。東海道線に乗って
横浜へ。
 「no media 2006」(2/17の庭番便りを参照下さい。)の会場
<BankArt1929>に、13時少し前に着く。会場前の通路には100人以上の人が
一列になり道まで延びているので場所はすぐにわかった。視線を感じつつ脇
を通って会場入りする。ユミさん(友部正人さんの妻)に挨拶をして、ホー
ル入口前の大きな丸テーブルへ案内される。今日はここが仕事場だ。先に到
着していたパン工房麦さんと火星の庭の箱から商品をどんどん出す。パンと
スコーンとクッキーとケーキが約200個。うまい具合に並んだ。ユミさんが
「友くんが外で歌っているよ。聞かないの?」と言ってくれて慌てて外へ出
る。「ぼくはきみを探しにきたんだ〜〜」ハーモニカとギターを下げて友部
さんが路上で歌っている。隣には手回しオルガンを弾くオグラさんと元たま
のボーカル知久さん。寒いなか開場を待っていた人達もうれしそうに聞いて
いる。通りすがりの人も。友部さんはなんて路上が似合う人なんだろうと
思った後、あ、カメラを売り場に置いてきちゃった…。撮れたらここに載せ
たかったなぁ。開演時間になっても入場する列は途切れない。結局30分押し
てスタート。その間にパン&お菓子はすごい速さで売れていく。
ライブの内容については、友部さんのウェブをご覧下さい。
 持ってきたパンとお菓子は、1回めの休憩途中で売り切れ。ぜんぜん足りな
かった。でも量産できるものではないので、ほぼ限界に近い数を持ってきた
のだった。長いライブは最後の谷川俊太郎さんでフィナーレ。どの方もそれ
ぞれの世界があって、おもしろかった。詩の朗読がこんなに楽しいとは意外
な発見だった。
 片付け終了後、今夜の宿泊先に荷物を置きにいった。ここはBankArt関係者
だけが借りられる建物で、アーティスト達のアトリエや事務所になっていた。
築80年くらい経っているだろう。洋風の造りで天井が高く、東欧を旅した時
の宿を思い出して、気分がよかった。友部さんご夫妻の好意で宿泊させてい
ただいた。
 そば屋さんで軽い打ち上げ。友部さんおすすめの焼酎のそば湯割りが身体
に沁みる。アナゴは地元の名物、と言われごちそうになる。がんばって来て
よかったな〜〜。と半分夢のなかで想う。

        
 2/20(月):朝7時起床。9時過ぎに古書会館到着。すでにたくさんの人
が札を片手に目を光らせている。私も何か持って帰りたい。ちょこちょこっ
と入札していく。地下の古典籍の階で地元の先輩に会う。「今回、ハズレ
だったみたいです。手ぶらで帰りたくないし」と言うと、「そういう時は手
ぶらで帰った方がいいよ」と言う。それでは来た意味がないと思ったが、買
わない市もあるような気がしてきて、無理はしないことにする。
 古書会館を出て、「さぼうる」でランチ。東京堂、アクセスで数冊づつ購
入。この後会っていただく南陀楼綾繁(河上進)さんの著書「ナンダロウア
ヤシゲな日々 本の海で溺れて」を喫茶店フォリオで読む。外へ出るとど
しゃ降りの雨。16時に南陀楼綾繁さんと千駄木駅で待ち合わせ。古書ほう
ろうへ案内していただく。広い店内にすっきりと本が並べられていて、見や
すくついつい両手に本がいっぱい。お店は男女4人で共同経営している。明
るく爽やかな人達だった。
 今回はこの6月に火星の庭で一箱古本市の開催を予定していて、発起人で
ある南陀楼綾繁さんにお話をお聞きしようとメールを送ったところ、会って
いただけることになったのだった。打ち合せ場所の喫茶店「花歩」が素晴ら
しかった。木の引き戸をあけ民家の玄関を入る。ふた間を客席にしている。
和風感が過ぎずに、家っぽさも最小限で居心地がいい。店主は初老の女性。
ふんわりした笑みを絶やさず、しかし無口。店内の空気もほんわかしていて、
初対面でもリラックスして話すことが出来た。南陀楼綾繁さんはたずねたこ
とに丁寧に答えてくれる。淡々としていて、聞き上手なところは編集者だな、
と感じる。一箱古本市とは別の私の無謀な計画にも一笑に付すことなく、本
気で聞いてくれてうれしかった。さらに、心強い助言もいただいて足が地よ
り10センチくらい浮いた。
 その後、場所を移し、南陀楼綾繁さんのパートナーの内澤旬子さんも交え
て、ご飯を食べる。お互いの話になり、私の経歴に話が及ぶとほとんどその
話に終止してしまった。内澤さんも自分の世界を持っていて、とてもニュー
トラルな感覚の人のよう。製本教室をされているので、仙台にもぜひ来てい
ただきたいとお願いした。
 ほろ酔い気分で最終の新幹線に乗り、東京からの帰り道はいつもそうなの
だが、体温が2度くらいあがったような、興奮状態になる。あれこれやりた
いことが浮かび、妄想がどんどん膨らんでいく。ちょっとづつ、きちんと、
惑わされずにやっていこう、と自分を戒めながら。       
         
△最新の庭番便りへ戻る
 


 
 
 


宮城県公安委員会許可第221000000659号 書籍商全国古書籍商組合加盟店
copyright(C)2000-2005 火星の庭 all right reseved