2006年02月 → 戻る  
 
仙台駅前朝市 2006.02.20  

 家から火星の庭へ行く途中にある朝市に、ほぼ毎日立ち寄ります。
 カフェで使う野菜は基本的に宮城県北部の農家の方々から無農薬のものを
宅配していただいていますが、季節によってないものがあるとき、朝市で見
つけることにしています。 
 全長100Mほどの道沿いに魚、野菜、果物、豆、乾物、豊富な食材が並んで
います。寝起きでまだ調子が出ていなくても、ここに来ると元気が出てきま
す。暑い日も、雨の日も、雪の日も、変わらずいつものように通り過ぎる客
たちに声をかけているのを聞くと「よーーし、私もやろう」としずかに思っ
ていたり。
 そして、活きのいい魚を見たとたん、どんなに忙しくても、あれこれ料理
を思い浮かべて今日のまかないを考えていたりする。
 ほんの数分のことなのだけど、朝市の空気は気持ちを前へ向かせてくれる。
だから買うものがなくても寄ってしまう。
 正直、輸入ものも多いし、個性的な店は少ない。ほんとうに質のいいもの
は東京へ直行していると聞く。でもね、「朝市でこの人から買った」という
ふうに思えるのって、いいな、と思うのです。最近は「鱈」のうまさに気が
つきました。スープにして食べるのが最高です。
 昨日、通りから入った路地をうろついていたら、一番奥に宮城県の食材だ
けを生産者から直接販売するお店を見つけました。亘理のいちごを使った
ジャム、ジャージー牛乳、豆腐、味噌、お餅、お菓子も。無愛想な手づくり
のラベルがかえって購入欲をそそる。仙台市が助成してオープンしたらしい。
知人で市役所の農産物の加工品を開発している方がいて、その人から試食と
していただいたものもたくさん並んでいて、ああこれ商品になったんだー
なんて、思いながら見てみる。質と手間を考えてたらとても良心的な値段だ。
 結局、娘の大好物のカステラを買った。知らなかったお菓子屋さんのもの
だった。
 宮城県は里山、川が豊かで、良い漁港がたくさんあって、食材にとても恵
まれている。独特の加工品もたくさんある。食いしん坊でよかった。また朝
市に来る楽しみが増えました。
        
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no media 2006に行ってきます 2006.02.17  

 2/19(日)に横浜のBankARTで行われる詩の朗読イベントに「火星の庭から
軽食のケータリングしない?」と友部正人さんの奥様ユミさんに誘われて、
「やりますやりますやります」と反応し、ここ2、3日、朝と夜中にすごい
量のお菓子を焼いています。
 友部正人さんはミュージシャンですが、詩の朗読も積極的に行っています。
詩人やミュージシャンと一緒に、詩の朗読CD「no media」をリリースしたり、
ライブハウスや文学館、書店などでも詩の朗読をしています。火星の庭でも
オープンの年に詩の朗読会をしていただきました。
 今回の出演者も豪華。「no media」決定版、という感じです。出演者は、
谷川俊太郎、遠藤ミチロウ、知久寿焼、尾上文、オグラ、田口犬男、
平井正也、宮沢章夫、峯田和伸、ぱく・きょんみ、友部正人。ね、一日にこ
んなに観れるなんてなんだかお得でしょう。
 会場のBankART1929。調べてみると、「横浜都心部の歴史的建築物を活用し
た、アートNPOによる文化芸術創造の実験プログラム」。近接する旧第一
銀行横浜支店(BankART1929 Yokohama)と旧富士銀行横浜支店(BankART1929
馬車道)の二カ所を拠点(スペース)として活動。1929とは、二つの建物が
できた年。だそうです。今回の会場のBakART studio NYKは日本郵船の旧倉庫
で、2005年にオープンしたばかり。会場もとても気になります。
 当日は受付のはしっこの方で売店をしていますので、もし来られたらのぞい
て下さいね。
 パン工房麦さんのおやきパンや全粒パイ、この日だけの限定パンもあります。
火星の庭からはやはりこの日限定のお菓子を持って行きます。本番中はもちろ
ん私も観客をしていますので、売るのは休憩中だけになります。
 それでは、戻りましたらこちらでご報告いたします。


no media 2006
「LIVE! no media 2006 草原編 」

2月19日(日)横浜「BankART studio NYK」tel.045-663-2812
友部正人プロデュース ポエトリー・リーディング
14:00 open/14:30 start(全体で5時間くらい。再入場も可)
当日券のみ2800円(予約の必要はありません)
会場にはバーがあり、食べ物もあります。
出演者:谷川俊太郎、遠藤ミチロウ、知久寿焼、尾上文、オグラ、
田口犬男、平井正也、宮沢章夫、峯田和伸、ぱく・きょんみ、友部正人
お問い合せ/友部正人オフィス tel.045-325-5249
        
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火星の庭句会をひらきます 2006.02.15  

 前回の庭番便りに書いた友部さんのライブの打ち上げで、会場だったエス
プの館長の渡辺さんが俳句を詠む方で、自著を見せていただいた。そこにい
た友部さん夫妻とともに感動し、盛り上がりました。そして「火星の庭で句
会をしましょうか」と言っていただき、まったく経験がないにもかかわらず、
「やりましょう」と言ってしまいました。
 次の日、お昼ご飯を食べに来てくれた友部さん夫妻とDJのテリーさんとで
早速句会をしました。だれかがテーマをあげて、それに添って何句かつくり、
発表し合うのです。友部さんの奥さんは、前日渡辺さんに「言葉のセンスが
いい」とほめられただけあって、冴えた俳句を連発。友部さんもさずが。テ
リーさんは素直な人柄そのままの句。私は、お店をしながらなので、頭が混
乱しそうになりながらひねり出し、結果いま一つの出来でした。
 第1回は2/21(火)18:30から行います。興味のある方は、自作
の俳句を三句以上用意して、ご来店下さいませ。渡辺さんが俳句作成のアド
バイスを直接してくれるそうです。今、文学館で開催中の佐藤鬼房氏は渡辺
さんの先生です。
 俳句づいている火星の庭。ルールは季語があること、説明しないこと。今
のところ参加者は5名。どうなりますやら。
        
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詩人菅原克己と友部正人 2006.02.15  

 立春の2月4日、塩竈市の図書館ふれあいエスプで友部正人さんのライブ
がありました。今回は「詩人菅原克己をうたう」というタイトルがついてい
て、詩の朗読もたくさんありました。菅原克己は宮城県出身の詩人。音楽好
きの方であれば、高田渡の「ブラザー軒」という歌の詩を書いた人と言えば、
あぁ、と思っていただけるはず。仙台の街が出てくる詩が他にもあります。
 このライブは詩の活動をしている「ポエトリーカレッジ塩竈」の庄司さん
が主催して行われました。庄司さんは「宮城県の埋もれた詩人を発掘してい
く」ことに意欲的で、昨年結成したポエトリーカレッジ企画の第一弾として
菅原克己にスポットを当てたのでした。庄司さんが菅原克己の詩の朗読を友
部さんにしてもらいたいと思っていた時に、火星の庭に来店し、友部さんの
ライブを2回やらせていただいた縁でご紹介することとなり、本番までいろ
いろと準備をしてきたライブだったので、半分お客、半分スタッフという立
場で参加しました。
 ライブは歌と詩の朗読が交互にされて、1時間半があっという間に過ぎま
した観客たちは言葉にじっと耳を傾け、会場はとてもいい雰囲気でした。高
田渡さんを歌った「朝の電話」では涙ぐむ人が何人かいました。声になった
詩は目で読んでいる時とは違う輝きをして、朗読もいいな〜、と思えたのは、
朗読する人が詩を完全に自分のものにしているからでしょう。
 後日菅原克己全詩集を買いました。当日朗読されたなかから一編。


「蟋蟀(こおろぎ)」

夜のおくの方で

夜のおくの方で
また、ゆうべのおさらいが始まった。
あんまりあたりが静かなので、
蟋蟀はとくいそうに
いちだんと声をはりあげる。

秋のほかは

水銀がふるえるように
お前の声がふるえる。
ともしびがまたたく。
屋根の上をしぐれが
ひっそり通ってゆく。
またお前の声がふるえる。
お前のほかは
だれもこの部屋にいない。

よなべ

ほら、蟋蟀の妻の、
さびしいミシンの音がはじまった。
秋がくれた夜なべしごと。
つかれた妻はもうねむそうだ。
とぎれとぎれにミシンを動かす。
るるる……るるる……。

時間

いつか、その短い生涯も老いてしまって。
時計の針のように
蟋蟀は自分の時をきざんでいる。

無限

ロビンソン・クルーソーには家来があり、
ガリバーにはふるさとがあった。
どんな所にいっても
人には世の中がある。
秋が終わると
お前はどこに出かけて行くのか、
部屋のすみの蟋蟀よ。
          
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友部正人コンサート 「詩人菅原克己をうたう」
        
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「火星の庭古本図鑑」完成しました 2006.02.01    

 本のご紹介を画像でしたいな、とずっと思っていまして、HPデザインをし
てくれている聖子さんにお願いして作ってもらいました。洋書や絵本、限定
本など、文字情報だけでは伝わりにくい本を中心に、今後少しづつアップし
ていきますので、ときどき見に来てくださいませ。
 ふだんは棚にさしっぱなしになっている本たちが並んでいるのを見ると、
日の目を浴びたようで親心にも似た、うれしい気持ちです。無事、お嫁に行
けるといいのだけど。
       
「火星の庭古本図鑑」はこちらから
        
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