展示企画とトークのお知らせ

2025年5月

森田具海 写真展「ここで眺める、水俣 そして能登」/展示とトーク

2025年5月

  

“森田具海

“森田具海

森田具海 写真展「ここで眺める、水俣 そして能登」

5/3(土)~5/25(日)

仙台・book cafe 火星の庭

石巻・石巻まちの本棚

〈トーク〉
石巻・5/3(土) 石巻まちの本棚
ゲスト 森田具海、小田原のどか

仙台・5/4(日) book cafe 火星の庭
ゲスト 森田具海、山内明美
司会 小田原のどか

*18:00~19:30 *30分前開場
参加費1500円(飲み物付き)

要予約 
仙台/
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdI5Oll
grFwN7HQlApSis1H32NrUdEimDXx27TbToSdEo9J4g/viewform


石巻/
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScwua6g-RZ2k7vOgYcZ9Cxgjs_6sWFZ0_qgRcntgE63DJMc7A/viewform

〈茶話会〉
   5月5日(月)book cafe 火星の庭
参加費1000円(水俣産の和紅茶付き)
森田さんを囲んで作品を鑑賞するお茶会。
★〈茶話会〉ご予約フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSczqgglOLWLDxX3eVxmO
j04WIczvTgSlHimit6XZMJtAO7ZqQ/viewform



2024年8月、森田具海にとって初めてとなる写真集『ここで眺める水俣 あとから来る者たちの場所』が刊行されました。1994年京都生まれの森田は、大学在学中から水俣に通い、大学院修了後、水俣に拠点を移しました。移住者として地域と関わりながら、6年以上かけて撮影した50カ所以上の写真や森田自身のエッセイが、『ここで眺める水俣 あとから来る者たちの場所』にはおさめられています。2024年9月、森田は、写真や映像記録を行うチームの一員として、能登半島地震の傷跡が残る能登を訪れました。森田が撮影した水俣や能登の写真をめぐり、水俣との関わりも持つ歴史社会学者の山内明美氏とともに、移住者や来訪者といった「あとから来る者たち」にも向けられた森田の表現について、仙台と石巻から考えます。

森田具海(もりた・ともみ)
1994年京都生まれ。写真家。2019年、水俣に拠点を移して暮らしながら、水俣湾の埋立地や入江、岬の風景などの記録をつづけている。主な展覧会に、KYOTOGRAPHIE 2018「Sanrizuka – Then and Now–」(堀川御池ギャラリー、京都 、2018年)、「琵琶湖と水俣湾 祈りの光景」(湖北観光情報センター 旧四居家住宅、滋賀、2024年)、「ここで眺める、水俣」(つなぎ美術館、熊本 2024)、「ここで眺める、水俣 そして能登」(Studio 04、東京、2025年) などがある。

山内明美(やまうち・あけみ)
宮城教育大学教育学部准教授。慶應義塾大学、一橋大学大学院を経て、現職。専攻は歴史社会学。とりわけ日本の東北地方における社会構造研究をしている。専門テーマは稲作ナショナリズムで、元来熱帯や亜熱帯の植物であるイネが、日本では寒冷地の東北地方で栽培されていることについて、民族主義や植民地主義といった政治文化的側面から研究してきた。著書『こども東北学』(新曜社)、『痛みの〈東北〉論』(青土社)、共著に『忘却の野に春を想う』(白水社)、『ひとびとの精神史』、『グローバル化の中の政治』(共に岩波書店)などがある。

小田原のどか(おだわら・のどか)
彫刻家、評論家、版元主宰。芸術学博士(筑波大学)。1985年宮城県生まれ。高校時代から彫刻を学び、公共性、ジェンダー、インターセクショナリティ、脱帝国主義の観点から彫刻と美術史の再点検に取り組む。主な展覧会に「近代を彫刻/超克する−津奈木・水俣編」(個展、つなぎ美術館、熊本、2023~2024年)、「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」(国立西洋美術館、2024年)、など。主な著書に『近代を彫刻/超克する』(講談社、2021年)、『モニュメント原論:思想的課題としての彫刻』(青土社、2023年)。主宰する版元の近刊として、豊嶋康子『豊嶋康子作品集1989−2022』、金川晋吾『祈り/長崎』を刊行。横浜国立大学Y-GSC専任講師。

【山内さんからのメッセージ】
はじめて水俣へ行ったのは、11年前のことで、渡辺京二さんにご案内いただき、熊本市内で療養していた石牟礼道子さんにお会いするためでした。わたしもまた、遅れてきた者です。恥ずかしいことに、福島で原発事故が起こってはじめて、わたしは水俣の苦悩のほんの一部を知ることになりました。その後、年1回、水俣へ足を運ぶようになり、仲間と勝手に即興の「水俣神楽」を創作して、乙女塚で奉納したり、恵比寿の調査へ出かけたりしています。この水俣からはじまった試みは、一昨年の関東大震災百年の節目に「百年芸能祭」へ発展し、今年2025年は4月26、27日の2日間、南相馬市の「俺たちの伝承館」でも開催することになりました。森具海さんにはじめてお会いしたのは、神楽をしに水俣を訪れた日でした。温泉宿で働きながら、水俣の日々の暮らしを撮影していました。あれから6年近くを経て、こうして作品と出会えること、本当に有難いことです。