パレスチナの暮らしを知っていますか? 第3回
2024年3月16日
パレスチナの暮らしを知っていますか?
2024年3月16日
第3回 〜パレスチナ料理編〜
3月16日に「パレスチナの暮らしを知っていますか?」の3回目を仙台市若林区五橋にあるパレスチナ料理店「ザイトゥーン」でおこないました。
「パレスチナの暮らしを知っていますか?」トークシリーズでは、2023年10月7日以前からのパレスチナの暮らしを知り、そこから考えるということを大切にしてきました。それは、パレスチナのもともとの風景の美しさ、占領下であっても一人ひとりの日々の生活が続いていて、そこに豊かな文化と暮らしがあったことを理解することで、壊されたものの大きさがより身近にリアルに感じられると思うからです。
また、パレスチナの人たちが必死に守り続けている歴史を知ることは、パレスチナの人たちが望んでいる未来とはどういうものなのか理解し、余所者の価値観で規定しないことにつながります。その上でわたしたちに何ができるのか考えていきたい。いまパレスチナで起きている状況を思うと無力感に襲われます。しかし、尊厳が守られ、生命の危険がなく平穏に生きていきたいという希望は、どこにいようと誰もが思うことです。ささやかではありますが、このような思いで「パレスチナの暮らしを知っていますか?」を続けてきました。
第一回は2023年10月21日にドキュメンタリー映画「パレスチナ ・レポート」の上映と監督・門脇篤さんとパレスチナ・オリーブ代表の皆川万葉さんとのトーク、第二回は12月17日に歴史社会学者の山内明美さんをゲストに迎えて「いま仙台で語り合う 皆川万葉+山内明美」トークをおこないました。第三回のテーマはパレスチナ料理にしようと決めて、共催のパレスチナ・オリーブの皆川万葉さんと相談しながら準備をしてきました。
当日はシェフのハテムさんによるホンモスやムタッバル、タッブーレ、ファトゥーシュ、自家製のパン(どれも最高!)など定番メニューにくわえて、スペシャルメニューとして普段お店で出していないマクルーバが登場!
ハテムさんの華麗な鍋さばきによるひっくり返し技が見事にきまって、鍋の中から魔法のようにマクルーバが現れると拍手が沸きおこりました。
後半のハテムさんのトークではラマダン月(今年は3月10日~4月9日)の食事や料理法、お店を開くまでのことなど、いろいろなお話をお聞きしました。ハテムさんは訪日して15年、お店をひらいてから11年が経つそう。この日はご家族もいらしてくれて一家総出でおもてなしを受けている気分になりました。初めてパレスチナ料理を食べるという方が多く、終始、美味しい!美味しい~という声がお店のなかを飛び交い、これまで以上に交流が弾んだ会になりました。最後にサプライズでラマダン期に食べるという揚げ菓子(名前を聞きそびれてしまいました)を特別にふるまっていただき、なごやかに終会しました。
一方で、二つあるパレスチナ自治区(ガザ地区とヨルダン川西岸地区)は壮絶な人道危機にあります。ガザ地区ではイスラエルによる攻撃が止むことなく続き、死傷者が増え続け、餓死まで起き、ヨルダン川西岸地区では国際法を無視したイスラエルの入植者による”無法状態”が野放しにされ、安全なところはないという状況です。参加者のなかには現地ではこのご飯を食べられない人たちが大勢いる、ということを思い浮かべながら味わった方も多かったと思います。
お食事会形式のトークは初めてで、バタバタしてしまうところがありましたが、参加者の皆さんの寛大さに助けていただきました。ご参加ありがとうございました。
そして、会場を貸していただき、最高に美味しいお料理と貴重なお話を聞かせてくださったシェフのハテムさんに感謝申し上げます。皆さんもぜひ「ザイトゥーン」でパレスチナ 料理を味わってみてください。
ザイトゥーン
zaytoon
仙台市若林区五橋
webサイトは↓こちら
https://www.zaytoon-sendai.com/
*追記/おことわり:今回の料理編は定員が限られていることからネット上での事前告知はしませんでした。