みちのく潮風トレイル 名取トレイルセンター
図書コーナーを担当しました
みちのく潮風トレイル 名取トレイルセンター
2019.10.28
宮城県名取市閖上に今年にオープンした、「みちのく潮風トレイル 名取トレイルセンター」の図書コーナーを、火星の庭が担当いたしました。
ロングトレイル、ウォーキング、アウトドアライフ、地図、環境教育、希少動物、生物多様性、鳥、魚、虫、植物、花、街道、東北の歴史、地理、民俗、東日本大震災などをテーマに一年かけて集めた1000冊の本がこの秋、センターの本棚に並びました。
みちのく潮風トレイルは、青森県八戸市から福島県相馬市までの4県28市町村をつなぐトレイルロードで今年6月に全線が開通しました。
長さは約1000キロ。リアス式の入り組んだ海岸線をゆく起伏に富んだ世界にもめずらしいロングトレイルです。
東日本大震災による津波被害に遭った被災地を通るこの道は、日本のロングトレイルの第一人者、故・加藤則芳氏が提唱し、環境省をはじめ地域の自治体と住民の協働でプロジェクトがすすめられてきました。
加藤則芳氏とみちのく潮風トレイルが誕生するまではこちらが詳しいです。https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=664
名取トレイルセンターはみちのく潮風トレイルのサテライトの一つで、トレイル全線のルート情報の発信や歩く人のサポートをするとともに、キッチンや講義室、シャワールーム、洗濯機の設備もあり、ハイカーや地域住民が立ち寄って、交流できるようになっています。
いずれは屋外にキャンプエリアも開設される予定で、多くの人にひらかれた場として親しまれています。
コンセプト通り、センター内は自然光がたっぷりと入る気持ちのいい空間です。
光栄なことにそのような場には「本が必要」ということで館内のロビーに図書コーナーを設置することになり、当店へご依頼いただきました。
センターがある名取市閖上は、かつて友人家族の家があり、震災前から馴染みのある場所なので、ご依頼いただいた時はご縁を感じました。
正直なところ、1000冊以上のトレッキング関連、環境、生物などの本を揃えられるだろうかと不安もよぎりましたが、20年以上おつき合いのある登山にも詳しい生物学の先生のご協力のおかげもあって、充実した本棚を作ることができました。
本が揃い最後の工程であるブッカー(図書館の本にかけてあるビニールコート)を一冊ずつ貼り付ける作業に取り掛かったのが9月初め。納品の締め切りは9月中でした。
通常のお店の仕事をしながら、週末にはイベントがあり、遠方からの来客も重なって焦っていると、図書司書の経験がある友人が駆けつけてくれて、手伝ってくれました。感謝です。
このような経緯でやりがいのある大きな仕事をさせていただきました。
ご協力いただいた方々、トレイルセンター関係者の皆様に感謝申し上げます。
みちのく潮風トレイルは、三陸海岸の自然と絶景、美味しい海産物などの魅力を持ちながら、震災の記憶と現在をたどる道でもあって、四国のお遍路さんのように、長く愛される「自然の中を歩く道(加藤則芳氏の言葉)」になる可能性があると感じます。
ぜひ名取市閖上のトレイルセンターへご来館ください。
そしてその後、トレイルロードを歩いてみてはいかがでしょうか。
わたしも足腰を鍛えて、八戸から相馬まで1000キロの道をいつか歩いてみたいです。
みちのく潮風トレイル 名取トレイルセンター
webサイトhttps://www.mct-natori-tc.jp
(後日追記:文中の「今年」は2019年を指しています。)