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文庫フェア好評開催中、そして。 2009.2.27  

 昨日が「火星の庭 9周年感謝企画 文庫フェア」初日。わーーーっと混
雑することはないですが、開店時から途切れなくお客様に来ていただい
ています。今日は週末だからか昨日よりも賑やかです。寒いなか、あり
がたいことです。
 


 50円、100円、200円、300円均一、特集、プレミアコーナーに分か
れて、小ちゃな文庫本が勢揃い。誇らしげです。
 
↓思いつきだった「文庫くじ」。こちらも好評です。
 古本1000円以上お買い上げの方に、くじびきしていただいてます!

 くじびきのくじが、文庫本なのです。カバーがかかった文庫の中から
1冊引きます。どんな文庫が当たったかな?タイトルによって賞が変わり
ます。2等から5等ならお好きな文庫をもう一冊。
 特賞は「古本2割引券」。昨日今日で3人当選。

↓ジョーカーの景品はオリジナル文庫カバー
(って大層なものではない)。


 フェアのためカフェが縮小して少し窮屈ですが、数日だけのこの雰囲
気を楽しんでいただければうれしいです。
 文庫フェアは来週月曜日まで。

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 2月も明日まで。春はすぐそこ。3月7日からはブックマークナゴヤ
始まります。当店もリブロの大古本市にお誘いいただきました。年明け
から良さそうなものをブックマーク用に8箱キープしておりましたが、
値付けはこれから。年中綱渡りだな〜。

 4月4日は、「わめぞ」の銭湯の古本&雑貨市「月の湯古本まつり」
に参加します。建物も素敵で、なんともいい雰囲気の古本市なのです。
 
 3月の中頃は、名古屋から倉敷までを一人旅する予定。日頃お世話に
なっているお店や、会いたい人を訪ねる旅です。古本屋を始めてから
関西に行くのは初めてなので、たくさん本屋さんを見てきたいと思い
ます。
 
 そしてこの旅をBOOK! BOOK! Sendaiの活動に生かしたいな。
ウェブ上では派手な動きはないですが、水面下では猛ダッシュでいろい
ろなことが進行中。
まず、3/10にBOOK! BOOK! Sendaiのフリーペーパーを発行!編集長
は「風の時」の佐藤正実さん。今日、版下が完成。「風の時」のセンス
が光る楽しいものになりました。お楽しみに!
 4月11・12日は泉中央駅ビルのセルバで「杜の都を本の都にする会」
メンバー+αによる一箱古本市が行われます。これは、6月に開かれる
BOOK! BOOK! Sendaiのプレ的なイベント。
 そして第一回BOOK! BOOK! Sendaiの一箱古本市は6月27日(土)
に決まりましたー。場所はサンモール一番町アーケード内です。ここに
は明治創業の金港堂書店があります。新しい活動を伝統のある書店のそ
ばで行いたいと思いました。金港堂の社長さんにも活動に共感していた
だき、開催の運びとなりました!
 一箱古本市の他にもトークやワークショップなどを企画しています。
詳細についてはもうちょっとかかりますが、どうぞみなさま6月の仙台
は本の月です。今から頭の隅にちょこっと入れておいていただければ
幸いです。

 今日は河北新報から上記のフリーペーパーについての取材がstock
んで。その後、6月のイベント会場(200人近く収容の広いところなの
です)の予約のための企画書づくりを代表の武田さんはじめ数人とする
予定。やり慣れたことをしているわけではないから、時間はかかります
が、着実に一歩一歩進んでいますよー。


文庫フェア速報 2009.2.23  

 今週2/26(木)から始まります「火星の庭 9周年感謝企画 文庫フェア
のセレクト&値つけがさっき終了。
 3日間自宅で缶詰めになり、ひたすら本の汚れを拭き、鉛筆で値段を
書込みました。今夜から陳列作業です。並べるのが楽しみだなぁ。

 自宅にはネット環境がないので、「あれ、これって絶版だったよなー」
とか思いながら「いいや、100円で」みたいなゆるい値付けですので、
スキだらけです!

 黙々と作業をしていたら、ふっと特典がひらめきました。
「文庫くじ」です。お買い上げ1000円毎に15冊の「文庫狩り」カバー
のかかった文庫本を一冊引きます。引いた文庫本のタイトルによって、
「100円均一」「200円均一」「300円均一」が判明。均一コーナーか
らお好きな文庫本を差しあげます。「ジョーカー」を引いたら「文庫狩
り」カバー進呈。特賞は「2割引券」。わかるかなぁ、この説明で。
わいわい、楽しいフェアになるといいな。

 文庫の従兄弟のような存在(?)の新書も同時発掘したので、こっち
もお楽しみに。

 さらに朗報。文壇高円寺古書部がフェア期間中一割引になります。毎
度強力な文庫陣がそろっています。内容は保証しますので、読んだこと
のない作家の本もぜひ手に取ってみてください。200〜300円でとんで
もない世界へ連れていってくれますよー。

 さぁ、ご飯も食べたし、車から本を降ろして陳列するぞー。
あれ、ケンが寝ている!この数日一人で店番をして、燃え尽きたようで
す。うわっ、雪降ってるし、どうすんのよ!ただ今23時。


「友部正人アラカルト」 2009.2.19  

2/15(日) 「友部正人アラカルト

 朝マイナス10度まで下がったこの日。風花が舞い、寒いのが好きな友
部さんを歓迎しているよう。

 まだ開場30分前だというのに外には行列。寒いなか待ってていただい
て申し訳ないので、大急ぎで準備する。18:30スタート。遠くは福島、
岩手からもお越しいただき、お客様は40名以上になった。

 まず80年代の友部さんの秘蔵映像の上映。釧路湿原に立つ楽団が写る。
バックに流れる曲は「水門」。うっ。この曲があまりにも好きで、20歳
の頃、一人北海道旅行をして釧路湿原にある水門を見に行ったことを思
い出す。友部さん、若い。肌がつるつる。
 ほかに「男と女」というインタビュー作品。「7days」「私は今雨と
遊んでる」は短篇映画のような味わい。「劣等生」は息子の一穂くんが
プレベールの『劣等生』を朗読している。友部夫妻は上映に消極的で、
恥ずかしいと言っていたけど、ファンにとっては是非とも観たい映像だ。
みなさん食い入るように観ていた。
 
 上映後、友部さん登場。ゲストに火星の庭俳句会の主宰、渡辺誠一郎
さんをむかえて、映像についてのトーク。
 

 
後半は俳句の話になり、終演後完成したばかりの火星の庭俳句集第3号
がかなり売れました。多忙ななかご出演いただいた渡辺さん、ありがと
うございました。

 ライブは「一本道」や「びっこのポーの最後」といった大作から、ア
カペラ&振りつき「言葉がぼくに運んでくるものは」や「サン・テグジ
ュペリはもういない」など最新アルバムからも。新曲の「廃品回収業者」
という曲が印象的だった。もちろん「水門」も歌った。
 沖縄料理店「島唄」の加屋本さんも来ていて、「20代のころの曲を
50代後半で違和感なく歌えるのは驚異だ」と言っていた。



声がすごく出ていて、終盤になるにつれてどんどん調子が上がっている
ようだった。迫力ありました。若い男子の姿が目立った。今までで一番
男性が多かったかも。友部さんの肉体と精神の若さを感じた日でした。

 今回友部夫妻は、俳句会の参加も兼ねていたので仙台に3日間滞在。
これ幸いとばかり、あちこちへお連れした。その話はまた。

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 えーーー、祭りの後は寂しく、そして容赦ない現実が立ちはだかるも
のです。そう、私の前にはデーーンと立ちはだかっています。モロモロ。

 国際フォーラムでのブックカバー展始まりました。火星の庭は古本を
販売しています。
 来週はいよいよ「火星の庭 9周年感謝企画 文庫フェア」開催。楽しく、
お得な企画にぜひいらしてくださいね。 
 今日はこれからBOOK! BOOK! Sendaiの打ち合わせ。6月の全容が固
まりつつあります。6月までぐぐっとハンドルをBOOK! BOOK! Sendai
にきるつもり。その先も楽しみです。


「メモリアル・ナナオ・ナイト」 2009.2.18  

2/13(金) 「メモリアル・ナナオ・ナイト」
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こんばんは。火星の庭です。
ナナオ・サカキさんという大正生まれの詩人のことはご存知ですか?
メディアや文壇とは接触しないで生きていたため、知る人ぞ知る詩人で
す。(生前は3冊の詩集が発行されたのみ)
世界を放浪し生涯住所を転々とし、
スーケルが大きい、普遍的な詩を多くつくり、海外十数カ国で翻訳され
ています。ビートニク作家との交流もあって、アレン・ギンズバーグや
ゲーリー・スナイダーとも深い親交がありました。

縁があって1998年に仙台ではじめての朗読会をひらき、計3回ナナオさ
んのリーディングを主催しました。(火星の庭を開店する前に2回、火
星の庭で1回、2001年12月に。)
詩人という枠を超えて、存在自体が人に力を与える稀有な人です。

そして昨年の12/23日にナナオさんは85歳で亡くなりました。
2/13(金)火星の庭で閉店後に、偲ぶ会をひらきます。
生前のナナオさんの映像(98年3月仙台での「ナナオサカキ・ポエトリ
ーリーディング」ほか)を上映します。ご一緒に観たい方、どうぞいら
してください。
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 という呼びかけのもと、30名以上の人が集まりました。友人がナナオ
さんの詩をイメージした手描きの絵を持ってきてくれ、会場に飾ってく
れました。今日は飲食のサービスはなし、司会も仕切りもなく、店内を
暗くしてスタート。スクリーンに写ったナナオさんとそれぞれが対面す
る。

 
上映したのは1998年と2001年のリーディング。独特のリズムのある朗
読が店内に響き渡りました。ナナオさんを知らない20代からよく知る50
代まで、ナナオさんらしい自由な空間になっていた。
  

 

 
 2本目の上映の前にyumboの澁谷さんにピアノ演奏をしてもらった。
yumbo結成初ライブは1998年のナナオさんのリーディングの前座だった。
 つぎつぎと即興演奏が繰り広げられる。その音はナナオさんへの問い
であり、返答のようで、私達はいつでもナナオさんと会話できるという
ことを教えてくれているようだった。



 画面のなかでナナオさんが「僕は今度、歩いてユーラシア大陸を横断
したいと思ってます。3年あればできるでしょう。」と言っていた。誰
もがナナオさんのようには生きられない。
 ナナオさんとは違う、ということを連発する澁谷さんに、「共通点は
なんですか?」とたずねると、「人間」と答えた。そうすごく違う同じ
人間。

 日付が変わるころ終了。みんないい顔になっていた。ナナオさんから
のプレゼントのような夜だった。
 



今日2/11営業中。 2009.2.11  

 いろいろと迫ってきて、定休日の昨日は店内で仕入れてきた本の整理。

 急遽来週から東京丸の内・東京国際フォーラム1Fのフォーラムアート
ショップ
で本の販売をすることになりました。(私は、国際フォーラム
は数年前に建物前を通ったことがあるだけで「あぁ、あのお昼になると
広場にたくさんの飲食店が車でやってくる」なんて乏しい知識しかない
ですが…。)
 そのアートショップのなかで3月末までブックカバー展が開催されて、
展示と一緒に本の販売もしたいので、出品してもらえないかとご連絡を
いただきました。文庫サイズのブックカバーを展示する企画なので、販
売用の本もほとんど文庫本。とその他の本で計200冊くらいです。
 2/16〜3/31までと長いので、お近くの方はのぞいてみてください。
売れ行きがよかったら補充もしたいです。

 3月初めには昨年に引き続き、「BOOK MARK NAGOYA」の参加店企画
第二回 リブロの大古本市」に参加します。こちらにも200冊以上用
意しないと。そして4月はじめは東京で例の愉快な古本市にお誘いいた
だきました(本家での告知がまだなので詳細は後日に)。いつもポリシ
ーのない雑多な本しか送れてないのに、お誘いいただいてありがたいこ
とです。

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 そしていよいよ発表。火星の庭文庫フェア、ほんとにやります。

「9周年感謝企画 文庫フェア」

2/26(木)〜3/2(月)*期間中休みなし
OPEN/11:00〜20:00(日祝は19:00まで)

火星の庭特設スペース(!?)に、1000冊以上の文庫が並びます。
懐かしの出版社のもの、絶版文庫、人気作家の文庫、定番おなじみの
文庫まで、小さな宝物がいっぱいです。
わくわくする「文庫狩り」に来てくださいませ。

*期間中特典もあります。


book cafe 火星の庭

〒980-0014 仙台市青葉区本町1-14-30 ラポール錦町1F
tel 022-716-5335 fax 022-716-5336
E-mail kasei@cafe.email.ne.jp
URL  http://kaseinoniwa.com

 こつこつ集めていた文庫を一挙大放出します。5日限りの文庫フェア。
初め3000冊と言っていたのですが、3000冊並べられないと判明(笑)。
…とにかくたくさん並べます!

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 今日から仙台駅前の百貨店「さくら野」で萬葉堂さんの古本市が始ま
りましたね。「さくら野」の袋をさげたお客様が目立ちました。開店時
は、「すごい人だったよー」ということ。私は夕方から見に行こうかと
思います。住んでいる街のどこかで古本市があると、うきうきしますね。
定休日ですが、祝日営業してよかった。

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 今週末は、ナナオ・ナイト友部正人さんライブです。ナナオさん
は入場フリー。友部さんのご予約された方は日時など、お間違いのない
ようにどうぞお待ちしています。


『芥川賞を取らなかった名作たち』 2009.2.8  


『芥川賞を取らなかった名作たち』 佐伯一麦 著
 朝日新書(朝日新聞出版)  2009年1月 刊
 定価780円+税

取りあげられた作品(掲載順):太宰治『逆行』北條民雄『いのちの初
夜』木山捷平『河骨』小山清『をぢさんの話』洲之内徹『棗の木の下』
小沼丹『村のエトランジェ』山川方夫『海岸公園』吉村昭『透明標本』
萩原葉子『天上の花 三好達治抄』森内俊雄『幼き者は驢馬に乗って』
島田雅彦『優しいサヨクのための嬉遊曲』干刈あがた『ウホッホ探検隊』


 
 あちこちで評判になっているこの本。市内の書店では発売早々売り切
れのところもあったようです。火星の庭にも入荷しました。佐伯さんに
ご来店いただきサイン(万年筆・落款入り)をしていただきました。

 佐伯さんは高校生の頃、文芸評論家をめざしていたと聞いたことがあ
ります。読み進めながら、こんな風に小説を読めたらどんなに楽しいだ
ろう、一つの芸だ、と思う。「読みの眼」を鍛えることは「書く力」と
直結している。創作の秘密もあちこちに開陳されている。
 言葉は生まれてから覚えるものだから、自分が話す言葉書く言葉は、
聞いたり読んだものからできている。と佐伯さんが言っていた。言葉の
表現を磨くには読むしかないのですね。だからこの本は書くための本で
もあるわけです。
 当時の芥川賞審査員達の選評もおもしろい。作品について語る言葉が、
貴重な文学論になっている。あと、審査員同士の駆け引きみたいなもの
も感じる。火花が見えるようだ。
 

 
 雑誌『en-taxi vol.24』での、佐伯一麦さんと坪内祐三さんによる
「『芥川賞を取らなかった名作』たちを巡って」という対談も合わせて
読むとおもしろいです。本に収録されなかった推薦作品が坪内さんセレ
クトと合わせて載っています。en-taxiには前号から佐伯さんの短篇小
説が連載されていて、最新の佐伯ワールドを堪能できます。

 この新書の見本ができた年明けに佐伯さんのお宅へお邪魔しました。
「一の蔵 純米吟醸」を持って。「麦の会」で知り合った小説家志望の
Kさんと佐伯さんの熱烈な愛読者Tくんと。どちらも同世代の男友達。佐
伯さんのお宅は、仙台の中心部からやや南西の丘の上にある。となりに
は真新しい鉄塔があって、読者だったら小説の舞台に舞い降りた気分に
なるでしょう。お年始のように『芥川賞を取らなかった名作たち』をい
ただく。「前野さんのところには後で出版社から届くから」とおあずけ。
 
 火星の庭でも作品を取り扱わせていただいているテキスタイル作家の
神田美穂さんは、佐伯さんの奥様で、壁には神田さん作のタペストリー
がかけられていた。創作を生業とするお二人が住む場所は、静謐で穏や
かな空気が流れている。窓からは数十キロ彼方の仙台港まで絶景がひろ
がる。仕事場は別なので、蔵書は覗けなかった。以前は一緒だったので
見せていただいたことがある。戦前戦後の小説・評論が2000冊くらい
か。最近の本はほとんどなかった。
 
 火星の庭を始めてすぐ、佐伯さんから一冊の古書目録をいただいた。
月の輪書林の目録1996年9号「古河三樹松散歩」だった。はい。と渡さ
れて読んだらたまげた。こんな世界があるのかと。そして、ちょっと落
ち込んだ。恐い世界だなぁ、古本屋って。と。でもこの目録のおかげで、
高い頂上があることを知って、古本屋としての気構えがまったく変わっ
た。
 
 後で私が見た本棚は蔵書の一部で、「ここ2年分の文芸誌はすべてとっ
てある」そう。横で神田さんが「あれ、どうするの?重くて大変」と苦
笑していた。
 Kさんが持参した地元名取市閖上港の赤貝が見たことない大きさで、
皆で舌鼓をうった。なんでも築地では赤貝のお寿司一貫が2000円する
のだとか。一瞬手が止まる。仙台にはほとんど流れず、築地へ直行する
貴重品。ほんのり甘くて、こりこりといい歯ごたえ。
 佐伯さんがいい酒がある。とベランダから搾りたての生酒の一升瓶を
取り出した。冷気で冷やしておいたらしい。飲むと視界がぱっと明るく
なりお米の香りに包まれる。
 
 クラシック好きのTくんが佐伯さんの『読むクラシック』(集英社新書)
について触れると、佐伯さんが立ち上がり押し入れの襖を開けた。なか
には数百枚のCDが整然と並んでいて、一番手前には真空管が2本ついた
プレーヤーがあった。クライバー指揮のベートーベンやブラームスをか
けてくれる。

 だいぶお酒がまわった頃、佐伯さんが「大げさなやり方じゃなくて私
の好きな作家を紹介していこうかな、と思っている」とおっしゃるので、
「それはぜひやってください。楽しみです」と言うと、「いや、前野さ
んの店でだよ」と。へ!?「直筆で解説書くからさ」。ほんとにほんと?
と何度も確認してしまった。ということで、佐伯さんがすすめる小説コ
ーナーが店内に誕生するかも。春までは佐伯さんの執筆がたて込んでい
るので、それ以降に。

 よく笑った一夜。ふと気がついて、おそるおそる聞いてみる。佐伯さ
ん、今日のことホームページに載せてもいいでしょうか。あぁ、ぜんぜ
ん構わないよ、なんでも書いて。さすが。きっとKさんも「Kなんて書
かないで実名で書けよ」と言うだろうな。

 3週間後、サインのために神田さんと一緒にご来店いただいた。前回
ご馳走になったお礼もこめて、簡単な食事とお酒を用意していた。佐伯
さんは明日午前までの〆切りをかかえ、お酒は控えめ、表情も少し険し
い。作家という仕事の苛酷さを見るよう。無理をして来ていただいたの
ではないかと恐縮しつつ、でもひょうきんなKさんの笑い話に、大笑い
してジョークも飛ばしていたので、気晴らしになっただろうか。だとい
いのだけど。
 最後の最後に小説論のような話になり、「小説と記憶の関係」につい
ての話がすごくおもしろかった。私は阿呆なので無知を丸出しにして、
ついなんでも聞いてしまう。間髪を入れずに佐伯さんはすらすら答えて
くれる。ふむふむ。な〜るほど。あ!時間ですね。こんどじっくり聞か
せてください。と言ってお開きに。

 『芥川賞を取らなかった名作たち』は、文学の多様な魅力がわかりや
すく書かれていて、どなたにもおすすめです。サイン本、欲しい方はお
早めにどうぞ。


火星の庭 社会科シリーズ 第一回 2009.1.30  

 「私のサイフと世界経済」というテーマで開かれた火星の庭社会科第
一回
。予想以上におもしろく、濃い時間でした。冷たい雨のなか、30人
近く集まり、講師の川端純四郎先生の話に耳をすます。75歳とは思えな
い溌剌とした声と、「先生」と素直に呼びたくなる凛とした表情、世界
経済について話が弾みました。



 何よりうれしかったのは、聞きにきた方々から「おもしろかった」
「またやってください」と言われたこと。歴史、経済、政治など、自分
達の生活に深く関わりがあることを、ちゃんと考えたり話し合う場は少
ない。ブックカフェで世界経済の話。なかなかいいな、と思いました。

話されたのはこんなこと。

*なぜ今が歴史的転換期といわれるのか。
*間接金融から直接金融へ転向。規制緩和。
*2000年以降、景気が上がっても給与が上がらない理由。
*金融危機は日本も原因。共犯者。
*現在は株価資本主義。

 言葉だけ並べると難しそうですが、これをほんとに中学生でもわかる
ように噛み砕いて解説してくれるので、すか〜んと疑問が晴れます。
ナーンダそうだったのか、と。
 ビデオで撮影しましたので、見たい方にはDVDでお貸しできるように
したいと思います。(編集があるので後日開始)

 終了後は交流会をひらきました。半分近くの人が残って川端先生と歓
談しました。ほぼ2時間話し続けた後に、また3時間ぶっ通しでトーク。
戦争体験者のタフさを痛感いたしました。私はといえば、風邪の前兆で
お酒も飲めず…。はい。まだまだひ弱です。共同企画者の水上さんによ
ると、川端先生もかなり楽しくお話してくださったらしく、次のテーマ
の構想もふくらんでいるとのこと。楽しみです。

 今回話をお聞きして一番大きな発見は、世の中や社会が良くなったり、
悪くなったりということには、自然にそうなるのではなくて、ちゃんと
人為的な原因があるということ。人の力によってなっているのだから、
人の力によって変えることもできるということです。
 かと言って私たち一市民が知ったからって問題がすぐ解決するわけで
はないのですが、そして知ったからって明日から行動を変えたりする必
要もない。同じ、今までと。ただ、あれ変だな、って思うことにはちゃ
んと理由がある、ってわかっていることは、世の中や人生に絶望しない
ための大きな励ましになると思う。

 川端先生、ほんとうにありがとうございました。

 お店というのはモノを売るだけの場ではないと思うから、火星の庭と
いう場が、他とどう違うのか、お客様に何をどう提供できるのか、もっ
と喜んでもらえることはないか、そんな試行錯誤の一つでもあるこの企
画。といっても、ものすごく考えているわけではなく、ノリが半分です。
加藤哲夫さんには「能天気な社会派」とネーミングされました。気軽に
能天気にいろいろやっていこうと思います。


いろいろお知らせ。 2009.2.6  

 「小さな街」という名で活動している人たちが、宮城県民会館近くの
ギャラリー宙で、今週末と翌々週末の計4日間、イベントを行います。
 主に仙台でものづくりをしている人たちが集まってショップをひらく
もので、BOOK! BOOK! Sendaiもそこに古本販売で参加します。火星の
庭からも本を出しました。
 ワークショプやライブもあって、盛りだくさん。いい空気が流れてい
ます。くわしくはこちらを。http://chiisanamachi.dtiblog.com/
 
 BOOK! BOOK! Sendaiの今年の活動第一弾は、これがスタート。
春以降もいろいろと計画中です。小さなことからちょっと大がかりなも
のまで、本にまつわる活動を通年とおしてやっていきます。
 
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 2/12(木)国分町にある沖縄料理店「島唄」で、マーガレットズロー
スの平井正也さんのライブが行われます。アコースティックギターの弾
き語り。いつものガガーーンと突っ走るバンド音楽とは違う世界が堪能
できそうです。共演は「うきぐも」の熊谷暁人さん。
「島唄」もおいしくて、楽しい店主のいいお店です。ぜひぜひどうぞー。
2/12(木) open 18:00 start 19:00  ¥1500(要オーダー)
沖縄館・島唄(022-268-6091/仙台市青葉区国分町2-8-12-2F)

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  翌日の火星の庭は、「メモリアル・ナナオ・ナイト」。宇宙の人と
なったナナオさんを偲びます。とっておきの映像を上映しますので、詩、
70年代、ヒッピー、ビートニクなどに興味のある方も、ぜひ。お気軽に
どうぞ。yumbo澁谷さんのピアノ演奏もあります。

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 そして2日後は友部正人ライブ。こちらは予約完売です。ありがとう
ございました。友部さんは沖縄でのライブの後、東北入りだそうです。
 
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yumboのライブが2月最後の日に。フライヤーには「仙台オルタナティヴの祭典」とあり。

「トカチェフの日」

2/28(土) 開場 開演:17:00
会場:仙台クラブジャンクボックス 
料金:前売1800円 当日2000円(別ドリンク代500円)
プレイガイド:ジャンクボックス 022-716-5155
ローソンチケット Lコード21778

◎STAGE/yumbo obs 白A SHIFT 空間実験こがねむし+狂人音響
     Ein LILT(goche') doinel
     澁谷浩次とThree Copper Lines  IKASAMA宗教
◎MOVIE+LIVE/暗黒動画博覧会
◎VJ/VJ GATOTSU
◎ART PRESENT/野寺亜季子
◎PRODUCE/AOGP 

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 水戸でおもしろい本をちょこちょこっと仕入れてきました。仙台の街
までいらしたら、街はずれですがどうぞお立ち寄り下さい。
 店内あったかくして本と一緒にお待ちしています。


めずらしく…。2009.2.4  

 少しご無沙汰してしまいました。
風邪をひきかけたまま水戸の市場へ出かけたら、次の日声が出なくなっ
てしまいました。喉が真っ赤に腫れている。帰路の途中、郡山の実家で
療養し、4日ぶりに仙台へ帰ってきました。先日「元気だけが取り柄」
とか言っておいて、取り柄がなくなるじゃない。
 連絡したいこと、報告がいろいろあるのですが、ぼちぼちやっていき
ます。皆様もどうぞお気をつけて。
 
*病気のときの過ごし方が絶望的に下手。眠くもないのに寝ているのが
我慢ならず、実家の資材置場に保管してもらっている古本を整理してい
たら、「おまえは早死にするね」と親に言われた…。その顔は心配とい
うより、不快そうだった。


 
 
 


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