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古本市レポート(2) 2008.10.30   

 10/26(日)今日も天気がいい。昨日の喧噪は収まったけど、お客様
ひっきりなし。ちょっと静かになったのを見計らって、マゼランとSTOCK
へ自転車で見に行く。マゼラン、本棚がすごい増えている。開店以来の
お客様の数だそうで何より。STOCKには武田さんと並木さんが助っ人
で来ていた。いつものバカ話をして大笑いする。普段は本屋でないのに
古本がしっくりとお店に溶け込んでいた。ディスプレイも工夫して、てい
ねいに仕事をするところは、さすがだなーと感心。「火星のワニ」として
出店中。セレクトに偏りがあったか、あんまり伸びず面目ない。と思った
ら、後で切手が一瞬で数千円分売れて、遅れを取り戻したとか。補充
しましたので、見てくださいね。

 火星の庭に戻ると、すでに浅生ハルミンさんと蟲文庫、田中美穂さんが
ご到着。わ〜〜〜い、と再会を喜ぶ。19時閉店。売り上げは初日に迫る
ほどだった。今夜はハルミンさん、蟲さん歓迎会。急遽、南陀楼綾繁さん
も一日早めて仙台入りすることになり、ますます豪華なメンバーとなった。
ユンボ選抜メンバー(渋谷さん、ナツ、山路さん)でスペシャルライブ。

 ハルミンさんに歌のリクエストをしたら、かなり躊躇されていたが、すっと
マイクを持って歌声を披露。曲は「月の砂漠」。ほ〜〜素敵だった。ついで
にケンも。「宇宙猿人ゴリ」を…。ケンの素顔をはじめて知った皆様、大爆笑。
話題は尽きることなく、夜が更けていきました。

 10/27(月)古本市はじめての平日。本がお好きそうな年配の方々が
のんびりと棚をながめる姿が目立つ。それでもぱたぱたして、夕方にな
ると仕事帰りのお客様も多く、売り上げは昨日とほぼ同じだった。平日に
この展開は予想外でした。ありがとうございます。

 今夜は「ナンダロウさんと本の話をしよう」。17時にメディアテークへ行って
武田さんと準備をする。予約がけっこう入り、20名超えそう。本に関心の高い
お客様が多く、みんな熱心に聞いていた。南陀楼さんの話もわかりやすく、
とてもよかった。一箱古本市を立ち上げて、各地を自分の足で歩き、見つめ
続けているからこそできる内容だった。BOOK! BOOK! Sendaiメンバーも
興奮気味。終了後、持ってきた『積んでは崩し』が完売。しのばずくんトート
も大好評だった。

 終わってからの打ち上げがすごかった。参加者20名。トークの成功も手伝って、
みんな弾けた。蟲文庫の田中さんも参加してくれて、女子達が田中さんと
話したくて順番待ちみたいな様子。庭の苔を持参した人もいた。「たぶん○○
だけど念のため持ち帰って調べてみます」と田中さん。さすが。あとは記憶なし。
お店を出ると、20人が7人になっていて、近くのショットバーへ。ようやく田中さん
とゆっくり話せるな〜と思ったものの、酔っぱらいすぎていた…。

 10/28(火)本日は定休日。田中さんは郡山に途中下車して帰るというので、
お見送り。お会いできてうれしゅうございましたぁ。遠いところ、ありがとうござ
いました。南陀楼さんとケン、私で古本屋へ。収穫があったようでご満悦。
私が言うまでもないことですが、南陀楼さんは本を買う楽しみを極めてい
る方だな、と思う。「何をいくらで買うか」だけでなく、場所や状況を含めて
本を買うことを最大限楽しんでいる。「本を買う」という行為一つに無数の楽
しみ方があるのだと。だから一箱古本市のようなアイディアがわいてくるんだ
ろう。火星の庭でしばし雑談。BOOK! BOOK! Sendaiについて考えている
ことを聞いていただくと、的確なアドバイスをいただき、かなり今後の参考
になった。南陀楼さん、ありがとうございました。

 10/29(水)本日も定休日。パソコンがとうとう危なくなってきて(ibookを
9年間使用していた)アップルストアでローン購入。なんとか、夕方までに
設定が終了する。朝日新聞朝刊に写真入りで記事が掲載される。古本市
にしぼった内容。簡潔でわかりやすい。このタイミングでの掲載はたいへ
んうれしい。

 夜は、STOCKでBOOK! BOOK! Sendai 古本市企画第二弾、「武田こうじ
 ポエトリーリーディング」。武田さんの朗読を聞くのは、じつは初めて。詩集
で読むより、言葉が入ってくる。そうかぁ、読む詩なのだな、武田さんの詩は。
だから10年以上もずっと朗読にこだわってやってきたんだ。土井晩翠、
草野心平、中原中也の詩を織りまぜながら進む。まるで詩のDJみたいだ。

 終わってからSTOCK吉岡夫妻がおもてなししてくれる。武田さん、並木さん、
マゼラン・洋平君、Tさん、Tちゃん、前野。古本市が中盤にさしかかり、いろ
いろと気づいたことを話し合う。一歩進めば、景色が変わり、また新たな山が
見えてくる。進むことには変わりない、一歩一歩登っていくしかないのだ。
ぼんやり見えてきた高い山をふるえるように見上げている気分の夜。ワイン
の空き瓶6本。

 10/30(木)後半戦のはじまり。会期が長い古本市なので、後半はどうか
なーと心配していたのだが、2日目の勢いぐらいがずーーっと続いている。
疲れていてもお客様の顔を見ると、元気になる。出品者の方達が代わる
代わる補充にやってくる。自分で本を売る楽しさはお金が入ることとは別
の楽しさで、次回の古本市では出品者の方にもお会計をしてもらえるよう
にしたいな。なんとか来年、仙台の街なかの野外で一箱古本市開催を
模索しています。

加藤哲夫さんがヒュ〜とやってくる。先日の南陀楼さんのトークは急な
都合で欠席になってしまい、いまだに残念そう。古本市を見て、
いいねぇ〜、こういうの。と目を細めていた。

午後3時、せんだい演劇工房10-BOXの方々がご来店。12月に行う
演劇祭の打ち合わせ。仙台市内の飲食店6店を会場に役者が様々な
作品を朗読する試み。今回、会場の一つとして依頼をいただいて、
やらせていただくことになりました。詳細が決まり次第、ご案内します。

 ここでたいへん急なお知らせ。明日、10/31(金)は古本の出張買取
のため、開店時間が14時になります。たいへん申し訳ございません。
となりの県へトラックで行ってきます。100箱以上、2階から降ろして
積み込む予定。モビルスーツで行ってきます(古いっ)。


古本市レポート(1) 2008.10.29   

 「BOOK! BOOK! Sendaiスタート古本市」おかげさまで連日たくさん
の方に来ていただいています。ご来場いただいた皆様、ありがとうござ
います。出店者の皆様、貴重な蔵書を出していただき、魅力的な古本屋
が勢ぞろいで、メンバー一同感激しております。棚の空きがあるところ
が出てきていますので、補充がありましたら、じゃんじゃん追加してく
ださいませ。まだまだ中盤です。一度いらした方もぜひ、またご来場下
さいませ。まだの方、連休最終日まで開催していますので、ぜひ足をお
運び下さい。お待ちしております!
 
 マゼラン、STOCK、火星の庭3会場の道のりを合わせれば、4.5キロ
くらいあるだろうというのに、一日で3会場を歩いてまわられる方が多
くて、ありがたいことです。中継点になにか息抜きのできるしかけがある
とよかったかな。今後の課題にします。
 
  なかなか報告できなくてすみません。搬入から怒濤の5日間だったの
で、本日の定休日でちょっと放心状態。メモがないので、記憶があいま
いですが、搬入の日から箇条書きでご報告します。
 
 古本市レポート 火星の庭編
 
 10/25(金)搬入時間まで通常営業。19時前から出品者が搬入に集ま
ってくる。火星の庭は22組がエントリー。
 
 会場はカフェの窓際を使って設置。催事で使う木箱一つを一店として、
希望の場所にお店を開いてもらう。みなさんうれしそうに並べている。
 
 東京からPIPPOさんがやってくる。搬入搬出は自分で、という条件にもか
かわらず申込みをしてくれた。PIPPOさんは文系Fantasicsinger。
ご自身のブログで仙台でのことが詳しく紹介されています。
 
 古本市のパンフレットを折っていたら、並べ終えた出品者が自然に手伝
ってくれて、まるで学園祭の前日のような空気。おかげで500枚が一気に
完成。この光景だけでやってよかったと心から思う。
 
 21時過ぎに古本市会場づくり終了。みっしりと本が並び壮観。よし、
前祝いだ!と近くの中華屋へ打ち上げに行く。って、本番前も打ち上げっ
て言うのだろうか…。
 
 代表武田さんを誘おうと電話をするとラジオに生出演して最後の宣伝を
していたらしく、「今日は明日に備えますよー」とふられる。飲んでる場
合では……あるのだ。
 
 10/25(土)いよいよ当日。晴天ナリ。10:30分開場を待つ人の姿が。
おお、人の列が!開始とともにけっこうなお客様。ず、ずーーーっと途切れ
ない。ときおり満員電車のように身動きが取れなくなる。本もお一人で数
冊買われる方が多い。午後、さっそく補充に来た出品者も何人か。
 
 「楽しみにしていました」とお客様から何度か声をかけていただく。
仙台経済新聞社が取材にきてくれる。夕刊一面で紹介していただいた河
北新報のMさんもいらっしゃる。ほかの会場はどうかな、と気になるが
外出はムリ。
 
 神戸の「みずのわ出版」の代表、Yさんが来てくれてびっくり。もう一つの
職業、カメラマンの仕事で仙台へいらして寄ってくださった。雑誌『spin』
の話などお聞きする。来月、待望の『佐野繁次郎装幀集成』が発売され
るそうです。火星の庭でもお取り扱いをさせていただきます。
   
 閉店まで人の流れが落ちることなく、ひとまず初日は大成功でした。
                         
 東京から土岐小百合さんがご来店。近くまでお迎えに行く。遠くから
でもアーティスト光線がでているから、すぐわかる。かっこいい。軽く
告知をしていたので、「ときたま」目当ての人がやってきて、閉店後撮
影会がはじまる。土岐さんが15年に渡って製作してきたハガキに書かれ
た「ことば」600枚以上のなかから気になる一枚を選び、土岐さんの持
つビデオカメラに向かって思ったことを数十秒話すというもの。まず、
一枚選ぶのにけっこう迷う。10名が参加。新鮮な体験だった。

 「ときたま」年末にも行う予定。今回とった映像を上映しつつ、土岐
さんとパートナーの飯沢耕太郎さんのトークもありますので、お楽しみに。

 初日が終わって、残っていた人達と居酒屋へ打ち上げに行く。焼酎一
本が速攻で空く。


「BOOK! BOOK! Sendai古本市」明日搬入、あさってスタート! 2008.10.22   

 BOOK! BOOK! Sendaiのフラッグができました。
 

 
 帆布に黒い文字をシルクスクリーンで。ロゴのデザインはSTOCK吉岡君。
さすがかっこよく仕上がりました。古本市会場を飾ります。
 
 古本市、いよいよあさってから。パンフレットもできました。
 

 
 出品者が勢ぞろいです。会場の地図や、イベントの案内が見やすく載
っています。各会場でもらってくださいね。こちらのデザインも吉岡君。
ほんと、お疲れ様です!
 
 STOCKに行くと、海月書林さんの本が3箱届いていました。こ、これ
は……驚愕。争奪戦が予想されます。
 
 昨日はラジオ3の収録。「伊達の達人」という番組で、BOOK! BOOK!
Sendai古本市の宣伝をしてきました。武田さんと並木さんも一緒。なん
だか武田さんとの漫才みたいになっちゃったけど、楽しさは伝わったの
ではないかな。放送は10/24(金)19時からです。リクエスト曲は古本市
のゲストでもある友部正人さんの「6月の雨の夜、チルチルミチルは」。
20年前の名曲です。
 
 本日の午後はFM仙台に武田さんが出演。そして河北新報夕刊一面で
掲載いただきました。
 

一人でも多くの方に足を運んでいただけるとうれしいです。
 
 搬入は明日からなので、もうすでに始まっている気分。出品者の皆様
も準備が追い込みに入っているようで、作業の確認的なメールや電話が
ひっきりなし。どうぞよろしくお願いします。お天気がよくて、楽しい
古本市になりますように。
BOOK! BOOK! Sendaiスタート古本市、どうか成功しますように。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 10/27(月)19時〜、南陀楼綾繁さんのトークのご予約も受付中。
入場料は500円(ドリンクつき)。お聞き逃しのないように。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 週末はうれしいお客様がいらっしゃる予定。
浅生ハルミンさんと、蟲文庫の田中美穂さん。お会いできるのがとても楽しみです。もちろん古本市めぐりされるでしょう。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 あ!大事なニュースがあるんだった。
BOOK! BOOK! Sendai古本市賛同企画として期間中、火星の庭の古本と
「文壇高円寺古書部」をすべて一割引にさせていただきます。魚雷さん
が快諾してくれましたー。どどーっと補充の本も届いて並んでいます。
うれしい援軍でございます。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 ジュンク堂書店仙台ロフト店で開催中の「本の話をしよう」も好評。
昨日、3回目の補充をしました。納品数はすでに300冊。新刊書と区別
がつくように一冊づつタイトルと値段入りの帯をつけてくれているSさん
のがんばりがあればこそ。ありがとうございます。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 切羽詰まっているけど、引き続き東京滞在記ラストへ。
(ケン:あのねぇ、今日中にやることいっぱいあるんですが……)
 
 10/13(月)午前中、魚雷さんに案内していただいて都丸書店へ行く。
壁一面の均一コーナーに圧倒される。火がついて、仕入れモードになっ
てしまった。レジにSさんがいて、ご挨拶。昨年のくすすみ手ぬぐい展
に来ていただいて以来だ。店内もため息が出るような品揃え。良書がさ
りげなく並べられ品格を感じる。近くにこんな店があったら、やめたく
なるだろうな私。なんて思ってないで、火星の庭はどうなのか。古本屋
として極める方向に行っていなくても、自分がやれることをできる限り
ただやっていきたい。かっこ悪いのは耐えられるが、勘違いしているん
だったら修正したい、と思った。
 
 衝撃を受けつつも次をめざして駅前からバスに乗る。魚雷さんありが
とうございましたーー。ここ数カ月、魚雷さんと飲んだ酒は何リットル
になるだろう。いつもうますぎて飲んでしまい、不思議と悪酔いはしな
い。魚雷さんの節度ある空気がそうさせるのだと思う。
 
 練馬駅で西部池袋線に乗り換え、大泉学園駅で下車。ポラン書房さん
に来た。奥様に挨拶して棚を見ていると店主の石田さんがやってきて、
となりの喫茶店へ。ポランさんに対して持っているイメージが、お店を
みて実感になった。ポランさんのあり方がいかに地方の古本屋の参考に
なるか。まるで告白でもするかのように、熱く語ってしまった。
どんなところがいいのかここで書くのは難しい。何でもやる、その精神
といったらいいか。
 
 帰りの新幹線が近づいてきた。神保町の東京堂書店3階に行く。仙台
では目にすることのない本が並ぶ。畠中さんならではのセレクトだ。
うれしくて何回もぐるぐる廻る。そのたびに抱える本が増える。畠中さ
んに『エコロジカル・ブックス』が面陳されている場所を教えてもらう。
レジ脇のいい場所、感激。年末の仙台にお誘いしてお暇する。階下で
娘のお土産にメイシーのしかけ絵本を買う。5歳児、母の留守中も泣か
ずにがんばったらしいので、2000円の豪華本。
 
 時間切れ。目と鼻の先の古書会館で開催中の「豆本フェスタ」に行け
なかった。日月堂さんのイベントもいまだに悔やまれる。

 東京堂書店で購入した、内堀弘さん『ボン書店の幻』(ちくま文庫)
を新幹線で読んでだらだらだらだら泣いてしまった。
そう、あの「少し長いあとがき」で。
本は人。たくさんの人でできている。その物語は疲れを浄化するんだな。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 本の仕事ができるしあわせをかみしめつつ、古本市やったるぜ。


東京(10/12の分) 2008.10.20  

 10/12(日)やや寝坊。慌てて一箱古本市をめざす。まず古書ほうろ
うさんへ。いつ来ても棚の古本がすばらしい。火星の庭の5倍くらいの
在庫。この質量を維持することがどれだけ大変なことか。気が引き締ま
る。森内俊雄『風船ガムの少女』を購入。今回仕入れ用の本は買わず自
分が読みたい本を買うことにしている。お客さんになりたいのだ。
 
 宗善寺の広い境内にたくさんの本と人。これぞ一箱古本市という光景。
 

 
 次の会場もお寺、光源寺。7月に仙台で一晩飲んだUさんが出品して
いた。某古本屋でバイトして開業に向けて準備が進んでいるらしく、2
日後の中央市会に仕入れに行くそうだ。
 
 喫茶店「乱歩」で食事して、3つ目の会場ライオンズガーデンへ。
終了に近づいていて、和やかな雰囲気。売り手も買い手も思い思いに
一箱古本市を楽しんでいるのがいいな。歴史を感じる。さて、来年の
BOOK! BOOK! Sendaiの一箱古本市はどうしようか。と考えながら歩く。
 
 南陀楼綾繁さんがブックカフェ、ブーサンゴにいるというので向かう。
G社の方と仕事の打ち合わせ中に混ぜていただく。BOOK! BOOK! Sendaiの
報告と、トークについてあれこれ。10/27(日)メディアテークで行わ
れる南陀楼さんトーク、ご予約受付中です!
 
 銀座線外苑前で降りて土岐さんの個展に行こうとしたら見つからない。
目印のハーゲンダッツがなくなっていて30分うろうろする。土岐さんの
携帯もギャラリーの番号も部屋に置いてきてしまった。自分の不首尾を
嘆きながら、駅へ引き返す。土岐さんは飯沢耕太郎さんと『デジャ=ヴュ』
を発行されていた。自身の活動「ときたま」を1993年から毎週続けて
いる。BOOK! BOOK! Sendai古本市の初日、土岐さんがいらして「ときたま」
の撮影が行われます。興味ある方は、夕方頃、どうぞ来てみてください。
 
 西荻窪へ。東京は広いなぁ。受付で音羽館の広瀬さんにご挨拶。その
まま会場へ通してくれた。ありがとうございます。「こけし屋」という
文学的由緒のある場所で、古本酒場コクテイルの店主狩野俊さんのはじ
めての著書『高円寺古本酒場ものがたり』発行記念で、作家の角田光代
さんとのトーク。小説より奇なる話がつぎつぎと暴露され、笑いっぱな
しだった。最後は、壇上に岡崎武志さん、ニコニコ堂の長嶋康郎さん、
ハジメちゃんというコクテイルの初期常連さんが出て、ますます過熱す
る。「コクテイルの人々」という芝居を観たみたいだった。
 
 終了後、高田馬場へ。トークを聞きに来ていた魚雷さんとリブロ名古
屋店のAさんと。駅まで古書現世の向井さんが迎えに来てくれて、待ち
合わせしていた海月書林の市川さんと一緒に中華料理屋へ行く。立石書
店の岡島さん、リコシェの豆ちゃんがすでに満腹という感じで座っている。
市川さんとは初対面だったが、酒の席の気安さでいきなり「素」な感じ。
市川さんも終盤、私を「姉さん」と呼んでいた…。BOOK! BOOK! Sendai
古本市にも参加していただくし、今度の引っ越し先が仙台に近いという
ことで、東北案内しますから!どうぞ遊びに来てくださいねーー。往来
座瀬戸さん、ふぉっくす舎NEGIさんもやってくる。NEGIさんにこれまた
由緒ある塩瀬のお饅頭をいただく。奈良時代に伝来したはじめてのお饅頭。
漱石の小説にも登場したはず。さすがNEGI教授、ごちそうさまでしたー。
瀬戸さんには仙台の名所木版画をいただいた。うれしい。
 
 日付けは変わっているが、まだ話し足りず場所を変えて向井さん、
岡島さん、瀬戸さん、魚雷さん、NEGIさんと飲み直す。わめぞ三羽烏は
性格、才能ともに絶妙。野生の鷹のように眼を光らせて飛ぶ向井さん、
地面に根をはってまっすぐ立つ巨木岡島さん。繊細さと屈折を隠して草
原のように耳を澄ます瀬戸さん。この三人が仲間だというのがいいな。
私もしゃべり過ぎ、午前3時に散会。東京最後の夜は幕をおろしました。
 
 読んでいる方、お疲れじゃないでしょうか。
仙台へ帰る13日もいろいろ感じるところがあったので、やっぱり報告し
ます。また後日。って、いろいろ迫ってきて、ひゃ〜〜って感じですが。


最近のこと 2008.10.19   

 今週末、名古屋のパルコにある新刊書店リブロの店長Tさんがご来店。
名古屋では今年2月に「BOOK MARK NAGOYA」という本のイベントが行われ、
リブロさんはその拠点となったところ。BOOK! BOOK! Sendaiが動き出した
ばかりで、お聞きしたいことがてんこ盛り。とてもうれしいご来店でした。
いろいろと話をお聞きしながら、仙台との土地柄の違いも感じ、たいへん
参考になりました。Tさん、お忙しいところ、ありがとうございました。
「BOOK MARK NAGOYA」は来年3月に2回目の開催が決定。
野外での一箱古本市もあるそうです。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 仙台のふたつの広報誌に載せていただきました。
 

 
 『せんだいCARES(ケアーズ) 2008』のパンフレットに2ページで
火星の庭前野久美子のインタビューが掲載されています。CARESはNPO
を中心とした市民による活動を紹介、つなげていく活動をしています。
仙台市とせんだい・みやぎNPOセンターが共催して毎年秋に1ケ月以上
イベントを開催。今年は10/25〜11/30、8回目になります。B5判28ページ
のパンフレットには、さまざまな団体、人が仙台という街をもっと住みや
すく、気持ちのいい街にするためがんばっていることが伝わってきて元気
が出ます。このような素晴らしい冊子に私などが登場して、恐縮しますが、
普段はあまり語らない根っこの真面目な話をしていますので、ご一読いた
だけましたらうれしいです。
 
 

 
  こちらは仙台市市民文化事業団の情報誌『アルセン』vol.65で、巻頭
のエッセイ書きました。またまた場違い感はありながら、古本も一つの
文化、と思って火星の庭の紹介をさせていただきました。
 今号では仙台文学館リニューアルの特集。常設展に、仙台に住む、又は
ゆかりの現代作家コーナーが新設されました。(これまでは物故作家のみ
でした。)錚々たる作家名。佐伯一麦さん、伊坂幸太郎さん、熊谷達也さ
ん、若合春侑さん、小池真理子さん、瀬名秀明さん、三浦明博さん、俵万
智さん、伊集院静さん、恩田陸さん。書かれていないが最近森まゆみさん
も加わった。初代館長は井上ひさしさん。山形に住む池上冬樹さん(文芸
評論家)曰く、「仙台は文学の魅力に溢れている」。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 もう一つ仙台ネタ。
 
 洗練された紙面と仙台愛に貫かれたフリーペーパー「風の時」編集部か
ら昭和24年の仙台の観光地図が復刻されました。当店でも発売中。
 

 
〜「風の時」ブログより〜
「昭和24年版 復刻JTB仙台市街圖」
A1判両面カラー印刷 4頁解説付 840円(税込価格)
  
1945(昭和20)年7月の空襲で壊滅的な状態となった仙台。
そして戦後、青葉通や広瀬通が整備され、驚異的な戦後復興を遂げる
仙台。市制60周年を迎えた昭和24年。
  
仙台市電が全線開通した路線がすべて網羅され、旧町名や仙台七坂、
七崎などが記載された当時の観光マップは、じっくりご覧いただくほど
楽しめる、見どころ満載の地図です!

 という「風の時」佐藤さん入魂の地図。新聞でも大きく取り上げら
れるなど、大好評です。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 東京滞在記つづきはまた後日にします。


LIVE・『火星の川』1 2008.10.18   

本日、LIVE・『火星の川・1』、行いました!
 

 

 
 ライブは2部構成で、1部はお客様からyumboの曲をリクエストして
もらい演奏するという内容。
 東京から帰ってきてひどい風邪を引いたらしい澁谷さん、声が変わっ
ていてまだつらそう。結成10年のyumboの曲すべてから受けるという
ので、うわ〜〜懐かしい!という曲がたくさんリクエストされる。が、
「この曲はすごく辛いとき作ったので辛すぎてできません」とか
「これは忘れました」「楽譜がないです」と、期待をくじかれる。
しかし、朗読だけにしたりなんとか応える姿にいつの間にかエールを送
っている。たいへん珍しいことに曲間のMCが多い。独り言みたいなこと
を言ったり、突然結婚のいきさつを話したり。
 はは〜〜ん。ダメ人間の演出なんですね、今回は。風邪も実は完治し
ているのではないか。こうして積極的にダメぶりを見せることで、こち
らが予想していたyumboのイメージに揺らぎが生じてくる。
 実際、2部の演奏はすばらしかった。2部のための1部だったのかもし
れない。新曲をいくつか披露。みんな食い入るように聴いている。アン
コールもおきて、たっぷり2時間演奏。大満足の第一回でした。ご来場
いただいたみなさま、ありがとうございました。
 
 お酒を飲まないyumboなので、コーヒーで打ち上げ。これもまた新鮮。
今後も「火星の川」気軽にふらっとやっていきます、どうぞお楽しみに。


ナンダロウさんがやってくる! 2008.10.16   

 まず告知です。ナンダロウさんがやってきます。
 
 Book! Book! Sendai スタートイベント古本市特別企画
『ナンダロウさんと本の話をしよう』
 
出演:南陀楼綾繁
日時:10月27日月曜日 19時〜20時30分
会場:せんだいメディアテーク 7F goban tube cafe
入場料:500円(1drink付き)
人数:30人
申し込み方法:メール予約優先 info@bookbooksendai.com
 
 
 「不忍ブックストリート」と「一箱古本市」の考案者で、本の世界を
縦横無尽に駆け回るライター・編集者の南陀楼綾繁さんをお迎えして、
各地行われている本のイベントのこと、本をつくる人、売る人、読む人
の現在を、足でつかんだ体験談をまじえてお聞きします。
 
 
南陀楼綾繁(なんだろうあやしげ)
 1967年島根県出雲市生まれ。本名・河上進。ライター、編集者。古本、
新刊、図書館、ミニコミなど、本に関することならなんでも追いかける。
同人誌『sumus』『サンパン』、メールマガジン「書評のメルマガ」同人。
2005年開始の「不忍ブックストリートの一箱古本市」の発起人でもある。
 著書に『路上派遊書日記』(右文書院)『ナンダロウアヤシゲな日々 
本の海で溺れて』(無明舎出版)、編著に『チェコのマッチラベル』
(ピエブックス)、共著に『ミニコミ魂』(晶文社)などがある。
 
 
 南陀楼さんのトーク、来週はリビング新聞や河北新報で告知されます
ので、興味のある方はお早めのご予約をおすすめします。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 ただ今、午前2時半。BOOK! BOOK! Sendaiのミーティングでした。
古本市の出品者50名満員。当日の会場作りなど具体的なことを決める。
来年の本イベントについて、イベント班としてのビジョンを話す。
代表の武田さんが「前野さんの考えていることをサポートしたい」と言
ってくれて、胸が熱くなる。5年、10年、20年後の仙台の街に思い
を馳せてやっていかなくては、と思う。
 
 ミーティング終了後は、恒例の飲み会。いつもの居酒屋で。「風の時」
佐藤さんが「前野さんは実は80歳」と発言。武田さんが「前野さんは何
でもすぐ忘れる」と続いて、針のむしろに…。さっきのサポートの話は
どうしたんだよーーー。ま、忘れるのはいけない。
 
 会の立ち上げからずっと取材している河北新報のMさんが、武田さんと
私のインタビューは「いつまでたっても本題にいかない」と嘆くので、
メディアテークOさんが代わって会について解説。1分で終わってしま
った。今まで何十時間も取材を受けていた武田さんと私は何だったんだ
ろう。Mさんほぼ強制的に古本市でスタッフとして働くことになる。
 
 Oさんが持っていた今日発売のmac bookを、みんなで箱から出させてな
でたり、抱きしめたりする。戦後のテレビを初めて見る人のように。
Oさん宅のマンションの写真を公開。一同羨望の眼でセレブOさんの私生
活を垣間見る。
 
 酔っぱらって骨折の前科のあるSちゃんが怪しくなってきたので、お開
きに。「え〜〜、だいじょうぶですよぅう」という調子が大丈夫じゃない。
次回はOさんのマンションでパーティーを開くことになり、Oさんはその
準備のためミーティングには来なくていいことになった。ほんとかね。
 
 BOOK! BOOK! Sendaiのウェブがリニューアルしています。どうぞご覧
くださいね。コラムも充実してきました。って私も書くんだった。
 なにはともあれ、盛り上がっています。古本市、来週末ですよーー。
ご来場お待ちしてます。出品者の方も宣伝いただけるとうれしいです。
よろしくお願いします!
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 ただ今発売中の『日経ウーマン』で本の特集にちろっと私が載ってい
ます。上の欄には京都・ガケ書房の山下さん、目白・ポポタムの大林さん。
光栄なことであります。現在、髪は別の意味でみだれています。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 さて、東京滞在記つづき。
 
 10/11(土)11時過ぎに月の湯到着。お客様多すぎず少なすぎ
ずほどよい賑わい。
 

 
pippoさんのコーナーでしこたま遊ぶ。
 

 
 pippoさんはBOOK! BOOK! Sendai古本市にも参加してくれる。遠く
の人も直接搬入、搬出が条件なのに。楽しみにしています。
 
 火星の庭の古本もちょこちょこ売れて一安心。男湯のカフェコーナー
古書ほうろう夫妻が営業する萬福亭でチャイをいただく。何が楽しい
って、いつもは古書現世のブログで読んで楽しんでいる「わめぞ劇場」
が目の前で繰り広げられていること。会話のやりとりだけでもぷぷっと
可笑しい。やることはきっちりしているのに、態度は無頼だ。
 
 14時前に月の湯を出て、恵比須をめざす。15時ちょい前に飯沢耕太郎
さんの事務所に到着。東京は移動に時間がかかるなぁ。今日は、BOOK!
BOOK! Sendai古本市のスペシャルゲストとしてご参加いただくため、
出品本の発送のお手伝いにきたのだ。飯沢さんは仙台の一高出身。仙台
でのお仕事も多く、火星の庭へもオープンの頃からいらしていただいて
いる。そんな縁で、BOOK! BOOK! Sendaiへのご協力をお願いしたところ、
ご快諾いただいたということなのです。
 予想通りどの部屋も本で埋まっていた。写真集はもちろん、きのこ、
漫画、詩集、など幅広い。飯沢さんの仕事量、質は超人的だが、仕事が
とても早いらしい。お話を聞いていて、知識や思考のインプットとアウ
トプット能力が並外れ、まるで呼吸するように本を読んだり文章を書け
るというイメージ。こういうイメージをお会いして持ったのは、海野弘
さんもそうだった。知の世界の長距離ランナー。
 「ここから300Mのところに書庫があるから行きましょう」と案内され
たのは、3階建ての1階がすべて本棚の一軒家。ざっと1万5千冊くらい
入るだろうか。呆然としながら、飯沢さんが取り出す本を箱にどんどん
詰めていく。
 

 
 「二つあるから」と森山大道の全集、渡辺克己写真集『新宿群盗伝66
/73』、アラーキーのサイン入りポラロイド、『珍日本紀行』のオリジ
ナルプリントなどなど。や、やば〜〜〜と冷や汗をかきながらお預かり
する。
すべてBOOK! BOOK! Sendai古本市で販売します。主要なものを来週中
にウェブで画像とともに紹介したいと思います。写真集好きの方お見逃
しなく。
 
 仙台へ4箱発送し、飯沢さんと一仕事終えてほっとする。パートナー
の土岐さんも加わって、ビールで乾杯。土岐さんがライフワークにして
いる「ときたま」の話をお聞きする。たいへんおもしろそうで、ピーン
とくる。明日ちょうど青山のギャラリーでパフォーマンスがあり、伺う
約束をしてお別れした。飯沢さんお疲れさまでした。ありがとうござい
ました。大切に売らせていただきます。
 
 さぁ、急げ。次は高円寺でyumboライブだ。19時に高円寺駅に着くと、
荻原魚雷さんと浅生ハルミンさんが並んで待っていてくれた。魚雷さん
の案内で、「ハチマクラ」「えほんやるすばんばんするかいしゃ」へ行く。
「ハチマクラ」は今年8月にオープンした骨董屋。インチキ手廻しオル
ガン弾きオグラさんの奥さんのお店。お二人そろって店番していた。商
品の一つ一つを吟味しているのがわかり、どれもセンスが光る。自分達
でやったという店内の内装もすごくいい。もうすぐハルミンさんの古本
コーナーができるらしい。
 「えほんやるすばんばんするかいしゃ」に入ると、魚雷さんの「ハル
ミンさん、猫」という声でハルミンさんがピューっと外へ出て行った。
遅れて外へ出ると、ちっちゃな赤ちゃん猫が飼い主にミルクをもらって
いる。むー、かわいい。
 
 あっさり味のおいしいラーメン屋で腹ごしらえして、ペンギンハウス
へ。yumboは満員のお客様を前に、いつも以上に研ぎ澄まされた演奏で
別世界へ連れて行ってくれた。浮ついた心にピントが合って意識が鮮明
になる。
 
 古本酒場コクテイルへ。ようやく来れた。東京堂書店の畠中さんと待
ち合わせ。遅くなってしまったので、あまりゆっくり話せなかったけど、
お会いできてうれしかった。
 
 その後、魚雷さん宅へ。ちょっとだけお邪魔するつもりが朝まで飲み、
語り。同学年だと思っていたら、魚雷さんの方が一つ学年が下とわかり
「なんだ魚雷〜」と言ってしまった(らしい)。覚えていない。毎回、
魚雷さんと会っている時間の90%くらいは酒を飲んでいるような。若い
ときの共通体験が多く、文学のこと、仕事のこと、何を話してもおもし
ろい。
 
              ★10/12以降の分は、次回に続く


東京 (10/10の分) 2008.10.10   

 仙台に戻りました。連休中は遠くからいらした方が多かったようで、
ありがとうございました。店番ひとりで至らないところもあったと思い
ます。どうもすみませんでした。
 で、そんな忙しいときにおまえは何をしていたんだとお思いの方に白
状をいたしますれば、半分は歩き回り、半分は酒を飲んでいたんであり
ます。(またケンファンに怒られそうだなぁ…。)2日経った今も酒臭
い気がします。
 
 では報告。長くなりそうですよ。
 
 10/10(金)9時。新幹線のなかで明治古典会(東京古書会館で
開かれるプロ専門の古書市場)に行くか、マザーハウスに行くか迷い続
ける。東京駅に降りると足は戸越公園のマザーハウス2号店へ。市場に
未練はあるが、今回はいつもと違う行動を取ってみようと思ったのだ。
 マザーハウスはバングラデシュで製産されたバッグを販売する会社で、
途上国発のブランドをつくるため山口絵理子さんが設立した。数カ月前
テレビで偶然、山口さんのことを知り衝撃を受けて以来、ずっと訪ねて
みたかった。(マザーハウスの詳しいことはウェブをご覧ください。)
 

 
 「バッグに会ってみたい」なんて思ったのは初めてで、お店に入った
ときも「あぁ、やっと会えた」と思った。先客の品のいい中年の御夫妻
も私の見たテレビでマザーハウスのことを知ったらしく、関西からいら
していた。一つ一つながめ、どれにしようか決めかねて、若い女性店主
に話しかけた。小柄で明るい雰囲気の店主は、アパレル店長というより、
南国の居心地のいいカフェのウエイトレスのようにかわいらしく、親し
みやすい人だった。
 

 
迷いに迷って、生成りのジュートと革を使ったショルダーバッグにした。
 

  
 会計を済ませてからも会話が続き、とうとう仙台でブックカフェをし
ていること、明日から「月の湯」という銭湯で古本市があり、今から準
備に行くことを白状しチラシを見せると、店長さん、本が大好きらしく
行きたい!と目を輝かせるではないか。不忍ブックストリートの「一箱
古本市」のチラシもあげる。もちろんBOOK! BOOK! Sendai古本市も。
おもしろいね、こういうの。
 
 古い鞄からバングラデシュの鞄に中身を入れ替えて、肩にかける。同
時になにかが体のなかに入ったような気がした。本を売ることと、バッ
グを売ることは違うけど、マザーハウスの在り方は、未来のビジネスの
参考になると思う。お客様にとって大切にしたいと思えるものを売るこ
とがどれほどお客様を幸せにするか。どうしてもやり遂げたいことには、
とんでもないアイディアが浮かんでくるものだ。とかいろんなことを思
うのだが、今はあまりうまく言えない。とにかく行ってよかった。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 予定より早いがまっすぐ月の湯へ行く。建物を見ただけでやられる。
中に入ってもう絶句。床も家具も、ロッカーや貼り紙まですべていい。
ぼーと見とれてしまう。
 

 
 わめぞの方々は口では冗談を言いながらも、目と手と足はてきぱき動
かしまたたく間に古本市をつくっていく。百戦錬磨のつわもの揃いだも
んなー。古本が銭湯に違和感なくなじんでいる。こんな楽しい搬入は初
めてだ。
 

 
 17時前に「海ねこ」場生松さんと新宿行きのバスに乗る。「だいこ
んの会」に場生松さんが誘ってくれたのだ。移動中、二人で古本のこと
を話せて貴重な時間だった。荻窪のささま書店に寄って、西荻窪。
幹事の場生松さんといったん別れて、どんぐり舎でコーヒーを注文する
岡崎武志さんがいた。なんとうれしい偶然か。『中央公論』のお礼が
言えてよかった。想像を絶するほど多忙なはずなのに、いつもゆったり
とこちらの話を聞いてくださるのでわーっと話していると「はよ、飲ん
でや」と促される。
 
 「だいこんの会」には30人くらいの参加者。岡崎さんだけがすべて
の人を知っていた。ブログなどで名前だけ知っていた方に初めてお会い
して、納得したり意外だったり、やっぱり生身で会うのはおもしろいな
〜。男女比は半々できれいな女性が多かった。東京の古本界は、美人率
高いよ。2次会も参加して、最終近くの中央線に乗る。ふぉっくす舎NEGI
さんと股旅堂さんとコクテイルへ行こうとしたら、すでに閉店。荻原魚
雷さん宅へ押しかける。するとささま書店のN君とバサラブックスのSさ
ん、初対面のIさんも来て、総勢7名で酒宴。N君と再会を手を取り合っ
て喜んだ。そして、夏の仙台での続きをするかのような文学談義が。
会話はN君80%、魚雷さん18%、ほか2%くらいの割で話は明け方まで
続く。N君の顔を見ないと東京へ来た気がしない。屈折した情熱が懐かし
く、心地よい。

             ★10/11以降の分は、次回に続く


東京 2008.10.10   

この週末の東京は古本がらみのイベントが百花繚乱。ものすごいことに
なっております。なので、行ってきます。ただ今深夜3時。ようやく荷
造り完了。と言ってもショルダーバッグ1個ですが。
お店は通常通りの営業で11時から20時。日曜・祝日は19時までです。
万年スマイルのケンがはりきって店番しております。
タコライスもカリーもケーキもたっぷり仕込みました。
新入荷の棚は全部入れ替えて、先月の出張買い取りの本が並んでいます。
秋の大型連休、行楽の合間にぜひご来店お待ちしています。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
東京では、まず月の湯古本まつりの搬入と当日のお店番。販売用の本は、
昨日の夕方200冊を宅配便で発送済み。いつもは本を送るだけでわめぞ
の方々にお任せしっ放しだったのでちょっとはお役に立ちたいな。
初日夜は「だいこんの会」。古本好きの方々にいっぺんに会えそう。
2日目夜はyumboライブ。高円寺ペンギンハウスで。昨夜も火星の庭で
リハをしていましたが、高円寺でどんなyumboが聞けるのか楽しみ。
火星の庭でのライブは10/18(土)です。予約どんどん入っています。
3日目は一箱古本市。
散策だけでも楽しい谷根千エリア、不忍ブックストリート。晴れるとい
いなぁ。夜は、どこかでお酒を飲んでいるだろう。
次の日はもうわからない。フェルメール、見たいけど無理かなぁ。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
BOOK! BOOK! Sendai 古本市の準備も進んでいます。サイトがリニュー
アルされたので見てくださいませ。出品者はほぼ50名集まりました。
小さな声の募集にこれほど反応があってうれしいです。数人をのぞいて
すべて仙台在住の方が参加者です。みなさんと本を仲介に楽しくやれた
らと思います。
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
ジュンク堂ロフト店での古本フェア、好評開催中で、
当店のコーナーもおかげさまで売れ行き好調です。
昨日、補充もしました!ひきつづき、どうぞよろしくお願いします!
 
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『中央公論』最新号の「古本探しの街歩き」という特集で、岡崎武志さ
んが「全国、旅情を誘う古本町ベスト10」という原稿を寄せていて、
そこに火星の庭が登場しています。店内写真も掲載。いつもながら流れ
るような鮮やかな文体。火星の庭の箇所を読んで、ひえ〜〜と恐縮する。
 
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今週の火曜日、貸本喫茶ちょうちょぼっこの福島さんが遊びにきてくれ
ました。定休日でしたが、店内で本の整理をしていたのでどうぞどうぞ、
と入っていただきました。福島さん、たいへん聞き上手で、調子にのっ
てしゃべり過ぎ、気がつくと新幹線はやて最終の時間。いろんな話がで
きた。楽しかった。BOOK! BOOK! Sendaiの企画案の相談にも乗って下
さった。また12月に仕事の都合で仙台へいらっしゃるようで、「今度は
泊まりで。お酒飲みながら!」と強引に約束をしさよならしました。


「ふちがみとふなと」と「火星の川・1」 2008.10.5   

 ふちがみとふなとのお二人がたった今、コーディネーターのテリーさ
んの車で東北ツアー最終地いわき市へ出発しました。仙台は初日の10/1。
お客様は満員、新譜『フナトベーカリー』からの曲を中心に「1週間前に
できました」という曲もまじえたっぷり披露してくれました。
 

 
 火星の庭では去年にひきつづき2回目。体全部が耳になったような気分
で聴く。ふちがみさんの声は不思議だ。PAは通さずともはっきり聴こえ
る。すごく小さい声でも。歌詞もシンプルで短く、繰り返しが多い。
「伝わる」ために最良と思えるところで歌っているような気がする。
それは決して大きな音や過剰な言葉ではないんだ。そしてふなとさんの
ウッドベース。人みたいにしゃべったり、歌ったり、踊ったりするベー
スなのだ。だから楽器がベースだけでもぜんぜん足りなくない、多くも
ない。笑わずにいられない可笑しな歌と、つーんと胸を引っぱられるせ
つない歌、どれもよかったです。「行かないで…」を歌うふちがみさん
の目に涙が光って見えたのは私だけかな。すごかった。
 

 
 終演後CDがなんと20枚以上売れました。秋のふちがみとふなとライブ、
定番にしたいです。一年を楽しみに待っていましょう。
 

 
新譜『フナトベーカリー』¥2625-(税込) (Yoshida House Label)
火星の庭にて好評発売中!
 
    ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆  
 
 楽しみがまたひとつ増えました。ユンボの澁谷浩次さんによるライブ
シリーズが火星の庭で始まります。毎回出演者が変わるらしい。澁谷さ
んの音楽の実験に立ち会いつつ、楽しんでいただければうれしいです。
お酒を飲みたい方はご用意しています。ユンボファン、音楽好きのみな
さまどうぞお楽しみに。
 

 
"火星の川・1"
 
2008年10月18日(土)
 
於・book cafe 火星の庭 (022-716-5335)
 
19:30開場 \1000 (+1drink order)
 
出演:yumbo trio
 
(澁谷浩次+工藤夏海+高柳あゆ子)
 
<澁谷さんより>
火星の庭と澁谷浩次 (yumbo) の共同企画による、ごく小規模なシリーズ
イベント、「火星の川」の第一弾をお送りします。今回はyumbo選抜メン
バーによる小規模でコチャコチャした事をおもしろおかしくやり遂げて
みせますので、ぜひいらして下さい。この日が初演の新曲も演ります。
 
 
★お席に限りがあります。予約優先となります。
ご予約は、火星の庭
kasei@cafe.email.ne.jpまで、お早めにどうぞ!
 
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 さてさて、あっという間に10月も数日が過ぎて、本腰入れて準備して
います。そう、あの素敵な古本市。
 

 
 火星の庭は最近仕入れた本から200冊近く出品します。当日は会場に
行きますよ〜。次の日の一箱古本市にも。あー日月堂さんのイベントに
も行きたい。滞在は4日の予定ですが、どう考えても10日分くらい行き
たい場所、会いたい人がいる。
 10/10(金)の西荻窪でひらかれる「だいこんの会」ではかなり会い
たい人に会えそう。岡崎武志さんを中心にした本に関わる職業、本好き
の会のようです。ネット古書店の海ねこさんにお誘いいただきました。
興居島屋の澄子さんにも会えるといいな。
 さっき、海ねこさんや岡崎さんのブログに私の参加が告知されていて、
ぶふぁふぁ〜と笑う(店内で、営業中に)。私なんぞがPRになるんかい
な、といたたまれない気持ちですが、ま、たしかに笑い声はデカイです。
 
 わめぞの月の湯古本まつり、不忍ブックストリートの一箱古本市に参
加して、BOOK! BOOK! Sendaiにも生かしていきたい。ウェブがリニュ
ーアルしています。どうぞご覧下さい。メンバーにアナログ人間が多く
(私も)更新が途切れがちですが、何卒ご寛容下さい。これからですよ、
これから。
 
 そのBOOK! BOOK! Sendai古本市。出品者がでそろいまして、リスト
を作成中です。ただ数箱空きがあります。これを再募集するかどうか、
週明けに報告します。もし、あーー忘れていた!という方はあきらめな
いで、申込んでみてください。STOCK吉岡君による素敵なフライヤー
もできました。
 

 
 仙台市内各所で配布中。県外の各所にも郵送します。どうぞよろしく。
 
 
     ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 ジュンク堂ロフト店での古本フェア、好評開催中です。初日と3日後
に行ってみました。いる間にもちょこちょこ棚を見てくれる人がいて、
うれしかった。担当の書店員Sさんがフェア用に一冊づつつけてくれた
帯とポスターは手書き。「新刊書との区別がつけやすいかと思って」と
笑顔で言うけど、すごい手間です。ありがとう(涙)。
 

 
 古本の本、製本の本、ミニコミ、フリーペーパーの本など新刊も一緒
に平積みされていて、本好きにはたまらないコーナーになっていますの
で、ぜひお立ち寄りください。 
 
 お知らせしたいことがたまってしまい長くなりました。ではまた。


 
 
 


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