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嵐が去った静けさ 2008.7.31  

 イベントが終わり、風呂上がりのようにポワ〜〜〜ァンとしている定休
日。口ずさむのは、オグラさんのオルガンのメロディー。ちょうど買取り
で入った魚雷さん推薦本『鮎川信夫全詩集』(荒地出版社)をめくりなが
ら、余韻にひたっています。
 
 いくつかの出会いと膨大な会話の一部を長くならない程度に綴ると…。
 
 魚雷さんが前日の夜に火星の庭入り。展示を見ていただいて、バランタ
インで乾杯。友人がやっている焼き鳥屋へお連れして、その後国分町へ。
国分町は数百メートルの通りに2万軒の飲み屋がある日本一の飲み屋密集
地帯。文学を読んでいて、いつも気になっていた疑問や想いを、酔いにま
かせてぶつけてしまう。来年40歳とは思えない、あまりに青臭い疑問なの
でここに書くのはやめておきます。初日から酔っ払い過ぎ。
 
 次の日、萬葉堂書店鈎取店へ。魚雷さんが満面の笑みで深沢七郎『流浪
の手記』(徳間書店)を手に持っている。徳間みたいに文学が主流の出版
社じゃないところに意外といい作品があり、かつ見つかりにくいと教えて
いただく。紙袋いっぱいの本を買って、幸せそのものって感じ。
 火星の庭へ戻って、会場の準備や、打ち上げの仕込みをしていると、オ
グラさん登場。PAをお願いしていたテリーさんもやってきて、カフェスペ
ースがイベント会場になっていく。「こんにちはー」と常連のように入っ
てきたのが、晶文社のTさん。び、びっくり。Tさんの作る「スクラップ
通信」をいつも楽しみに読んでいます!「塩ひよこ」をいただく。
 そして、ささま書店のN君が。郡山で途中下車して古本屋巡りしてきた
らしい。髪の毛が伸びて、大人っぽくなっていた。
 初対面のNEGIさんは、初めてと思えないくらい「わかってる」感じが
した。お土産にクッキーをいただく。ばたばたしていると、察知したかの
ように「手伝いますよー」と、友人WさんとMさんが受付の助っ人をして
くれる。チケット買っているのに。いつも助かります。
 
 客席はほぼ満員。娘がオグラさんにかなり親しみを感じて、ライブ中も
近寄っていく。彼女なりにタイミングを見計らっているようで、不快な感
じはなかったということだけど。5歳にしてこの場慣れした行動はなんな
のだろう。 

 打ち上げは半数近くが残り、大宴会。意外なことにNEGIさんとケンが
特撮話で大盛上り。そこにいた女子達も特撮通。ささま書店のN君と娘が
意気投合。通路で二人してぴょこぴょこ踊っているではないか。酔った幻
想かと思った。魚雷さんの姿が見えなくなったと思ったら寝ていた。ライ
ブ用に置いた細いベンチの上に、器用に寝ている。テリーさん、昨日も朝
まで飲んでいたから今日は飲まない、と言ってたのにふと見るとビールを
飲んでいて、「あれ?車でしょ」「代行頼みま〜〜す」と赤ら顔で言う。
風貌は奇抜なオグラさんだが、にこにこと控えめに飲んでいた。人は見か
けではありません。テリーさんは見かけ通りだけど。
 
 次の日は、魚雷さん、NEGIさんと朝市の刺身定食を食べて、萬葉堂書
店泉店へ。皆さん収穫があり、終始陽気な一行。その後、まだお二人が
行ったことのない古本屋に限定してお連れする。まずは北山のビブロニア
書店。東北福祉大学そばで、大学の教科書と文芸、哲学が主力。店内に入
ると通路が本で埋まっている。先日の地震で倒れたらしい。本を踏まない
ように慎重に歩く。
 次にとっておきの古本屋「S」に行く。店主はいつも売れない、客が来
ないと愚痴っている同世代飲み達。一同が数冊ずつ買おうとしているのを
見て落ち着かないTさん。やけにまけたがるのもおかしい。値切ってもい
ない魚雷さんに「○○○円でいいですか?」と値段を聞いて、魚雷さんが
一瞬キョトンとする場面、吹き出しそうだった。
 移動の車中で、NEGIさんのただならぬ博識ぶりにうなる。どんな話を
ふっても答えが返ってくる。
 心のなかで「オールマイティ・ドクター・NEGI」と呼んでいる自分。
 
 16時オグラさんの楽器運びで今日のライブ会場、「島唄」へ。NEGI
さんが運ぶのを手伝ってくれる。(次回へ続きます)


荻原魚雷トークとインチキ手廻しオルガン弾きオグラ・ライブ 2008.7.29  

 仙台は今日からほんとうの梅雨明けのようです。真っ白な日射しと抜け
るような空が広がっています。なんだかオグラさんのライブを聞いている
気分そっくりな空です。
 荻原魚雷さんのトークとオグラさんのライブが、盛況のなか行われまし
た。なんども「緊張する」と言っていた魚雷さんですが、はじまってみる
と本についての話がするすると尽きない。『古本暮らし』の著者も初めは
書店不毛地帯に育ったこと。一人の作家から枝葉のように広がっていく読
書作法。現代詩や私小説との出会い、古本旅行のすすめなど。
 20代の若者から60代の方まで、男女半々。熱心にメモを取る人、うなず
く人、さまざま。
 

 
 本にまみれて、本とともに生きてきた人生が、いかにも楽しそうに語ら
れて、魚雷さんのどこか愛嬌のあるとぼけた口調に笑いがもれつつ、あっ
という間に時間となりました。
 
 続いて登場はオグラさん。東北初ライブ。肩にさげた手廻しオルガンは
なんと自作、後半は寿司桶を使った桶ギター(これは職人さんが作成)を
弾きまくる。これがすごくいい音。
 

 
 会場は一気にリラックス、一曲目からぐんぐん音とリズムと言葉が入っ
てきます。脳じゃなく身体に直接入ってくる感じ。締めたり、ほぐしたり、
緩急が絶妙で、パフォーマーとしても洗練されている。頭のなかでうじう
じしていたものを全部取り払ってくれたようで、音楽の力を感じました。
 客席もすごい盛り上がり。うれしそうな顔がならんで、あぁ、やっぱり
ライブはいいなぁ、と思ったのでした。
 
 今回のように本の話とライブ、というのは火星の庭にとても合っている
と思い、今後もこのような形でいくつかやっていきたいと思います。
 
 なんと東京からふぉっくす舎のNEGIさん、晶文社(『古本暮らし』の発
行元)のTさん、荻窪のささま書店の野村さん(カリスマ古本店員)が来て
くれました。NEGIさんに会うのは初めて。ブログで詳細なレポートを書い
てくれました。
 
 イベントの後は、恒例の打ち上げとなったのですが、その話はまた。


 
魚雷さん自ら、「文壇高円寺古書部」の棚の手入れを。



魚雷さんの著書『古本暮らし』数冊分にサインを入れていただきました。
「ひとこと」は、全部違いますので、手に取って気に入ったのを見つけて
下さい。サイン入りは無くなり次第終了ですのでどうぞお早めに。
 
 本日、魚雷さんとオグラさんはそれぞれ別の方向に発っていきました。
「毎年夏は仙台で」という合言葉を交わして。魚雷さんとは3夜連続飲んだ
のか。毎日10時間くらい飲んでいて、ここ数日で一年分くらいアルコール
を飲んだ気分です。

 ご来場いただいた皆様ありがとうございました。
 魚雷さん、オグラさん、楽しい時間をありがとうございました。

なお、
荻原魚雷、古本の森文学採集」、
展示は引き続き当店にて開催中です!
そして、
同時開催の「文壇高円寺古書部」(=魚雷さんセレクトによる古本の販売
コーナー)も、追加補充をくり返し、好評開催中です。
どちらも8月18日までやっておりますので、どうぞご来店下さい!
お待ちしておりまーす。


未来の女性古書店主と快飲 2008.7.26  

 3連休の最終日、現代アートと建築を愛する常連のSさんが、古本屋開業
準備中のUさんをお連れしてご来店。Uさんは東京の某有名古書店でバイ
トをしながら、市場へも仕入れに行ったり、私も尊敬やまない女性古書店
主の某店へ通ったりして、開業の準備をしている。仙台へは仕入れと、そ
して火星の庭へ来ることが目的だったという……、恐れ多い。私の方が教
えてもらいたいくらいなのに。SさんとUさんは尊敬やまない女性古書店主
の店で遭遇、そのとき仙台での再会を約束したらしい。
 私より10歳くらい若いUさんは、落ち着いていて柔らかな印象の方。一
見古本屋とは結びつかないお嬢さんなのだが、朝5時に東京を出て仙台まで
車で一気に来たのだという。なかなか、なかなかやりますのぉ。
 火星の庭で食事を取った後、精力的に市内をまわられた様子。戦利品を
見せてもらうと、素敵なもの、おもしろいものがいっぱいだ。すごい、す
ごい。夜は国分町へ。Sさん、Oさん、Yくんと地元の居酒屋へ行って、
2次会はカクテルバーでひたすら飲み、しゃべり。どっちかっていうと古
本屋経営の話ではなく、女の生き方みたいな、話……だったような……。
最初、私のこと「あまり話をしない人に見えた」ということですが(ここ
で笑うな友人達よ)。Uさんの参考になることがあったかどうか疑わしい。
気がつくと日付けが変わっていた、っていつもだな。いい出会いでした。
自分の方向が見えていて、マイペースなUさんはきっとどこにもない新し
い古本屋をやるでしょう。その日が楽しみです。また、飲みましょう〜。
 
   ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
  
 仕入れの相棒、車が廃車になって2ケ月、やっと新しい車がきました。
今回のことで懲りて倍の積載量。運転は楽でも、ローンの重圧は重い。
お待ちいただいていた出張買取にせっせと出かけています。「荻原魚雷、
古本の森文学採集」に合わせたかのような小説、現代詩関係の大量買取が。
特急で整理して、なんとかイベントまでに棚に並べたいと思いつつ、打ち
上げのお酒を買いに行ったり、メニュー考えたり、支離滅裂になってきま
した。あ〜〜〜何からやったらいいんだっけ…。
 
   ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 イベント前はこれが最終告知かな。さきほど東京より、「文壇高円寺古
書部」追加第3弾が届きました!今回単行本がやや多め、海外小説も。追
加の度に来ていただいている魚雷ファンの皆様、またお待ちしています。
魚雷さん、今日から仙台入りして、トークのための行動に出るということ
です。期待していて下さいね。開催は、明日。ご来場、お待ちしています!


新作ケーキ、ダブルで登場。文壇高円寺古書部も拡大中。 2008.7.24  

 夏のスウィーツは難しい。和菓子のように風土にあったものはないよう
に思う。蒸し暑い極東の島国に合う洋菓子は…、しかも今は外は暑いけど
食べる時はエアコンの効いた涼しい場所、ますます難しい。
 冷たい飲み物にも合うお菓子はやはり焼き菓子だと思い、夏でもバター
と卵と粉のじっくり焼いたパウンドケーキを作ってみました。
 

 
 さくらんぼのはちみつとマンゴーのパウンドケーキ。
 山形県朝日町の養蜂園からさくらんぼのはちみつを一缶(18リットル)
譲っていただいた。甘味すっきり、マンゴーの酸味も爽やかな、夏に食べ
たいパウンドケーキが出来上がりました。ぜひお味見下さいませ。
 
 そしてもう1種類登場。
 


 
ブルーベリーチーズケーキ。
なかは紫色。

 ある晩、農家の和田さんから電話が入り「友達の畑でブルーベリーが10
キロ取れたのほしい?」というお知らせ。ほしほしほしい〜〜。と言って、
大量のブルーベリージャムを作りました。そしてベイクドチーズケーキを
焼いたのです。こちらはジャムがある間だけ。ジャムだけでもうっとりす
るおいしさなので、チーズケーキにしたら、そうりゃもう………。
 
   ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
 
 いよいよ今週末は「荻原魚雷、古本の森文学採集トーク」と「インチキ
手廻しオルガン弾きオグラ・ライブ」。もう少し席がありますので、まだ
の方はぜひどうぞ〜。予約された方もお知り合いやお友達をお誘いいただ
けましたら、感謝感涙。
 荻原魚雷さんより期間限定の古本販売、「文壇高円寺古書部」コーナー
の追加本が届きました。大量補充です。棚は3段に増殖、柳原良平表紙の
男性自身シリーズ山口瞳本がずらっと。鮎川信夫、尾崎一雄、吉行淳之介、
古山高麗雄など展示している作家の本のほか、開高健、梅崎春生、内田百
けん、島尾敏雄、武田百合子、鴨居羊子などなど、よく知られていてもい
ざ読もうとなると気軽に見つけられなくなっている作家の作品がずらっと。
しかもコーヒー一杯くらいのお値段。書名だけでも一見の価値ありです。
 
さぁ〜〜、7/27日曜の夜は文学と音楽を心ゆくまでお楽しみください。
終了後は、魚雷さん、オグラさんを囲んで交流会を予定しています。
はりきって酒の肴を作るつもり。どなたでもお気軽にどうぞ。


「荻原魚雷 古本の森、文学採集」はじまりました 2008.7.19  

 はじまりました「荻原魚雷、古本の森文学採集」8/18(月)まで。
初日からばたばたしていて、アップが遅くなりました。スミマセン。
 

 
魚雷さんが「文壇高円寺」と『古本暮らし』で取り上げている文学の展示。


 
展示本にはおそろいの帯がついています。どれも非売品、ご自由に手にと
って読んで下さいね。本の取扱いは丁寧にお願いします。



カウンター上には貴重な本が。
辻潤とペソアが並んでいるのには理由があります。
これを見るとわかりますよ。↓

 
 
「文壇高円寺古書部」コーナー
  

 
 文壇高円寺古書部も大好評。一人で何冊も買われる方が多いです。パラ
フィンできれいにカバーしてあり、本への愛情を感じます。
  
 そして!魚雷さん本人が来店します。展示本を前に文学のこと、古本の
こと、読むこと書くことについて語っていただきます。7/27(日)18時
から。魚雷さんの旧友オグラさんのライブもあります。自作の手廻しオル
ガンと桶ギター、どんな音が奏でられるのか、楽しみです。まだお席あり
ますので、ぜひどうぞ。岡崎武志さんのブログでご紹介いただいた次の日、
東京から予約が入りました。<高速バス、あるいは青春18で、東京のみん
な、仙台へ行こう。>と。岡崎さん、ありがとうございます。
 
 昨日は雨でしたが、二人にひとりは文壇高円寺古書部からお買い上げ。
「荻原魚雷 古本の森、文学採集ノート」をお渡しすると、ぺらぺらめく
りながら文学の話になる。魚雷さんのブログ「文壇高円寺」を読んでいる
方が多いのに驚く。詩を書いているSさんは天野忠が載っているので喜ん
でいた。菅原克己も載っている。ブラザー軒にご案内しようかな、と話が
弾む。海外小説ファンの若い女性の常連さんは、「今度日本の小説も読ん
でみたくなりました」と。日本の文学を読みたい人は多いのだ。とくに若
い人。きっかけと少しの案内があれば、本に手がのびる。この企画で火星
の庭に文学の橋をかけてもらったようでうれしい。
 
Sさんに「地味だけど火星の庭らしいいい企画だね。こういうの、やって
いってね」と励まされた。Sさんの詩集も楽しみにしています。

 
   ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 

 芦谷市美術博物館でモダン古書展が開催中。そこで全国一箱古本祭が開
かれます。当店も100冊ほどで参加します。一箱古本祭のほかに古本屋さ
んとお客様がディスカッションする「古本サミット」も開かれるそうです。
とりまとめ役のクライン文庫さんはじめ、皆様お世話になります。
芦屋、行ってみたいです。


「文壇高円寺古書部」開店準備中 2008.7.15  

荻原魚雷、古本の森文学採集」、明後日の展示スタートにむけて、ただ
今準備中です。展示とともに、魚雷さん出品による販売用の本のコーナー、
<文壇高円寺古書部>が、火星の庭の店内一等地でオープンします。
7/17(木)AM11:00から。飾り棚2棚分。
 

 

 
文学のあちらにもこちらにも目配りの効いたたまらないセレクト。
あ〜〜〜、すぐ売れちゃうだろうなぁ。ぐぅうっとガマンして、職権濫用
での先物買いはしていませんよ。もちろん残ったら全部買うつもり。
 
「文学採集ノート」も今夜自宅のコピー機で印刷するところまでこぎつけ
ました。かなり読みごたえがあります。B5判20ページ、無料です!
 

 
ご来場者に差し上げますが、フリーのチラシコーナーには置きません。
「ノートください」とひとことお声がけください。
お手数おかけしますが。勿体ぶっているわけではないのですが。
ほんとうに読んで下さる方にだけお渡ししたいのです。
魚雷さんの文学への想いがぎゅっと詰まった冊子ですので、慌てず、ゆっ
くり読んでいただければと思います。
ノートに載っている文章は、『古本暮らし』と「文壇高円寺」の抜粋です。
編集は火星の庭でやらせていただきました。
ノートでビビっときたら、ぜひ本家で、全文をお読み下さいませ。
 
さらにノートには、
魚雷さん書き下ろし「わたしの文学採集」「古本採集の道具たち」を
収録しています。どうぞお楽しみに!
 
は〜〜、では帰ってコピーだ、300部(1500枚)のコピー……。


しめきり、ノート、感想文 2008.7.11  

 昨夜、仙台のあるタウン誌の編集の方から電話が。「原稿はいかがでし
ょうか。月曜日が締めきりということでお願いしていたのですが」と。座
り姿勢のまま1mくらい飛び上がって、夜中まで居残り。
紹介したのは、
岡崎武志さんと山本善行さん『新・文学入門』(工作舎)、

山崎曜さん『もっと自由に!手で作る本と箱』(文化出版局)

の2册。どちらも待望の本だったので、迷わず書けた。出来はともかく。
 
        ◆     ◆     ◆
 
 7/20〜21日に芦屋市立美術博物館で行われる「モダン古書展」の全国
一箱古本祭の本3箱発送。(谷町古本の会の皆様、お世話になります)
初参加なので、自己紹介も兼ねてと思ってセレクトしたのですが、選び過
ぎると可愛げがなくなり、売れない結果になることが多い。さてどうか。
 昭和30年〜40年の少年少女の世界を中心に、写真、思想、乙女本を選ん
でみました。会場は美術博物館なので、アート本が集まると思い、当店は
アート本は控えめ、隙間で勝負することにしました(苦笑)。会場に行か
れましたら、火星の庭の箱をのぞいていただけたらうれしいです。
 
         ◆     ◆     ◆
 
 さぁーー後は来週からいよいよ始まる「荻原魚雷、古本の森文学採集
の準備、ラストスパート。本日「文壇高円寺古書部」の古本が届きました。
みなさん!魚雷さんの蔵書が仙台で買えますよ〜〜。
魚雷さんからメッセージ。
 
<絶版文庫の精鋭を送るつもり。
色川武大『花のさかりは地下道で』文春文庫、
藤子不二雄『二人で少年漫画ばかり描いていた』文春文庫など。
もちろん単行本も用意しています。>
 
 そして「荻原魚雷 古本の森、文学採集ノート」の制作も佳境です。な
んと魚雷さんに書き下ろしの原稿をいただきました。タイトルは「わたし
の文学採集。」………、あぁ、この企画やってよかったぁ、と心底思う、
じつにこころに響く文章です。ノートはご来場者に進呈します。
300部限定です。
 
        ◆     ◆     ◆
 
 先日トークをしました尚絅学院大学の秋月さん、T先生、学生達6人が
来店してくれました。秋月さん若過ぎ、学生に見える(いい意味で)。
トークの感想を持ってきてくれました。70人分。私達の時より、今の若い
人の方が、物わかりがよく、現実をよく見ているのかな、その分無謀な妄
想や、突飛な行動は取りにくいのかも知れない。『40歳前後で、好き勝手
やって平気な大人がいることがわかって、おもしろかった。自分もあまり
考え過ぎないで、好きなことやってみようと思う。』というのが概ねの感
想だった。ええ、その通りです。何より、何より。
 辛いこと話していても、楽しそうだった。というのもあったな。ケンの
映画に出たい、というのもあった。


弱冷房、古本市、なんと大学で 2008.7.8  

 暑い暑いと言いながらお客様が入ってくるようになりました。30度以上
のところから入ってきて、室温が何度くらいだったら気持ちがいいのだろ
うか、と思いながら弱めに冷房しています。ゆっくりしていただくにはそ
の方がいいかなと。暑さが引いた後、じっとしていても寒くならない弱冷
房で、どうぞごゆっくりお寛ぎください。
 
        ◆     ◆     ◆
 
7月、8月に火星の庭が参加する古本市の情報です。
 
モダン古書展 in 芦屋 『全国一箱古本祭』
 
会場:芦屋市立美術博物館
 芦屋市伊勢町12-25
開催日時:7月20日(日)  PM12:00〜PM7:00
     7月21日(月・祝)AM10:00〜PM3:00
 
・主催:モダン古書研究所(代表/クライン文庫)
 モダン古書展HP http://tanimachi-furuhon.com/
 
 
『ポラン書房 第3回2箱3日古本市』
 
開催日時:8月15日(金)〜17日(日)
   AM11:00〜PM22:00(日・祝〜20:00)
会場:古書 ポラン書房  
  東京都練馬区東大泉1-35-12
tel/fax 03-5387-3555
http://www5d.biglobe.ne.jp/~polanet/
  
        ◆     ◆     ◆
 
 今年に入ってから毎月古本市に参加しています。昨年までは想像もしな
いことでした。古本市の場所も、東北・関東・関西と広範囲で、東日本の
(古本的に)辺境にある小さな古本屋がこうしてお声をかけていただける
のも、初期からお誘いいただいた「わめぞ」やロバロバカフェさんのおか
げです。ほんとうに。ちょっとどんな言葉で言っても足りないぐらい感謝
しています。
 わめぞ、恵文社大古本市、ブックマーク名古屋一箱古本市、ポラン書房
2箱3日古本市、月の湯古本まつり、ロバロバカフェ古本市、Book Cafeて
くり「りんご箱古本市」、どれも従来の圧倒的な物量のある即売会とは違
うスタイルの古本市です。やる側にとっては本を売るだけでなく、さまざ
まな発見と、自店の本棚を見直すいい機会で、うまい具合にお店にもフィ
ードバックできるといいな、と思ってやっています。
 仙台では古本市がほとんど行われていないので、実感がわきにくいです
が、いろんな意味で古本の売り方が変わってきていることを感じます。そ
れにともなって、新しい古本ファンがどんどん生まれている。売れずに戻
ってきた本を見ながら、変化を求められているのか、できるのか、変わら
ないものは何なのか、考えるこの頃です。
 
ということで、モダン古書展の全国一箱古本祭の発送日が2日後に迫って、
頭を悩ましているところ。100册くらいになる予定。
 
        ◆     ◆     ◆
 
そしてご報告。
 
 なんとまぁ、今日は尚絅学院大学へ呼ばれて、お話してきました。こん
な流れ者の話を社会に出る前の若者に聞かせていいものか、大いに疑問で
はありますが、「いつものそのまんまでいいから」とお願いされたのが、
言語学がご専門の秋月高太郎さんの表現文化学科の授業だったので、興
味もあってのこのこ出かけました。
秋月さんは『ありえない日本語』(ちくま新書)、『デジタル社会の日本
語作法』(岩波書店)の著書があり、若者文化に精通している方。ご来店
いただくたびにアニメや漫画の話で盛りあがっていたのですが、まさか大
学まで行くことになるとは。
ケンと私の2部構成で、1部はめくるめく「特撮新世界」。10代の若者
70人と参観の先生方を前にまったくひるまず、例のごとくの弾けっぷり。
何度もどよめき大爆笑が湧き、よかった、ほっとしました。
 次に私が登場して、火星の庭について秋月さんとトーク。「火星の庭
のこと知っている人〜」と秋月さんが言うと一人手が上がる。でも店に
来たことはないという。とほほ。「前野さんは火星の庭の前にビレッジ
バンガードで働いていたんだけど、(通学圏にあるし)行ったことある
よね」パラパラと数人手が上がる。むむ〜〜。「古本屋、云々」と話し
ている時、(は!もしかして彼らは古本屋と言った時、ブックオフのこ
としか頭に浮かばないのではないか)と思った。仙台にある昔ながらの
個人が営む古本屋は彼らの行動範囲にはないことが後でわかり、前提と
する認識がずれていることを痛感する。
プロジェクターで写真を映しながら、火星の庭の紹介や、これまで行っ
てきたイベントの話、店をやっていく中で考えること、などお話した。
 

 (同学院・映画学の広瀬さんに撮影していただきました)
 
 終了後に懇親会が開かれる。生徒達数人も参加してくれた。「本が好
き」「映画が作りたい」と頼もしい。参観に来ていた先生方にも思いの
ほか受けて、古本屋通いしたかつての話を懐かしく聞かせてもらう。
あとは、ゴジラやウルトラマンやガメラや攻殻機動隊やらの話が、濃〜
〜〜くなされていました。あたしゃ知らんけど。
きっとかなり異色なゲストだったでしょう。いい経験でした。
この日の学生からの感想文を、後日、秋月さんに見せていただく予定で
す。秋月さん、広瀬さんありがとうございました。
 尚絅学院大学は明治時代に宣教師が女性のための学問の場として開校
された由緒ある学校。ン!「もし当時の教科書とか見つかったらお持ち
しましょうか!?」「ぜひ」なんて、ちゃっかり営業。ほほほ〜。


インチキ手廻しオルガンと手製本 2008.7.2  


 
荻原魚雷、古本の森文学採集」でのトーク&ライヴ(7/27)で、魚雷さん
とともに登場していただくミュージシャン、インチキ手廻しオルガン弾き
オグラさん。
魚雷さんからお土産にいただいたインチキ手廻しオルガン弾きオグラさん
のCD-BOX3枚組を聴いている。時おりバックの演奏にドアーズを感じさ
せる傾れるようなキーボードの音が何とも言えない。オグラさんは詩もい
いし、伸びやかなヴォーカルも心地いい。ライブはもっといいだろうな。
風貌もカッコイイ。リリーフランキーさんと長いおつき合いらしく、ウェ
ブサイトでコラムを連載しています(こちら)。
7/27(日)のトーク&ライヴは18時から。
お席に限りがあります。お早めに前売り券をどうぞー。
 
        ◆     ◆     ◆
 
ケンの作品展が東北電力グリーンプラザで始まりました。仕事に家事に育
児に追われる42歳は、創作する時間は睡眠を削るしかないなかで、なんと
か無事初日を迎えたようです。では本人より一言。

はーい、本人の前野健一です。そんなわけで、ただ今展示中でーーーーす。
「作品展」っていう事でもなくて、グリーンプラザさん主催の『発見!
特撮映画の魅力』と題した展示の中で、一部、私の作品の怪獣・小道具・
乗り物なども展示していただいておりまーーーす。
モニターで作品の映像からの抜粋も上映しておりまーーす。
どうぞご来場くださいませ〜〜〜〜。
詳しくは個人ブログの方にて〜。
→ブログ・「ケンちゃんの第四惑星より愛をこめて


 
        ◆     ◆     ◆
 
近所にお住まいの製本工房「葉」(よう)の岡田とも子さんより「本がで
きました」というご連絡をいただいたので、アトリエを訪ねました。
 

モダンなコンクリートの建物のなか、鉄の彫刻家である娘さんの作品が入
り口でお出迎え。
 

製本の道具が整然と並んでいます。
 

実は、5歳になる娘の描いた絵を岡田さんが製本してくれたのです。娘は
親が仕事している間、ずっと絵を描いていてその数は一日20枚以上。捨て
ることもまとめることもできず、岡田さんに相談してみたのです。
 

段ボールに押し込んでいただけだった絵が、一冊にまとまっています。小
さな切り抜きは、封筒のなかに入っています。
「書肆ユリイカ」や「恩地孝四郎」がお好きな岡田さん、シックで、瀟洒
な佇まいの本にしていただきました。
 
今後、製本工房「葉」への製本依頼を火星の庭で承ります。チラシや雑誌
の切り抜き集、写真、ポストカード集など、コレクション、思い入れのあ
る紙のものを手製本で一冊にまとめたいとお考えの方は、どうぞお気軽に
ご連絡下さい。装幀、料金などはご希望によって変わりご相談となります。
 
そうそう、岡田さんの製本の先生は、山崎曜さん。この間2册目の著書
『もっと自由に!手で作る本と箱』(文化出版局)が発売されました。
ただ今、千代田区外神田の美篶堂で出版記念展が7/6まで開かれています。


荻原魚雷さん、火星の庭へ2008.6.30  

荻原魚雷、古本の森文学採集」の打ち合わせのため上京しようと思って
いたら、魚雷さんが「6月下旬、仙台へ行きます」と言うので、「それは
それはぜひぜひお待ちしています」と待っていたこの日曜日。仙台は大雨。
駅前のジュンク堂書店で待ち合せて、おつき合いのある書店員Sさんに魚
雷さんを紹介すると、店長さんにも引き合わせてくれた。告知のカードも
置かせてくれるという。いつもありがとうございます。ジュンク堂ロフト
店では、もうじき晶文社の「J.J.植草甚一生誕百年記念」のフェアを開催。
楽しみだなぁ。
 
魚雷さんはすでに両手のバッグいっぱいの古本を持っていた。閉店後の火
星の庭で魚雷さんを囲む会を開く。古本好きの若い友人達4名がやってき
て、一の蔵の夏限定の生酒で乾杯。味わったことのない爽やかな飲み口に
一同驚嘆。笹かまぼこ、そら豆、生らっきょうを肴にするすると杯があく。
魚雷さんの古本道を熱心に聞き入る。仙台の前に訪れた盛岡での戦利品を
一冊づつ解説してくれる。どんな眼をしているんだ!という垂涎の書が次
々出てくる。満州から少女漫画まで守備範囲の広さにも呆然。20代のM君、
Wさんはかなり衝撃だったらしい。これはトークも盛り上がるだろうな、
と期待がふくらむ時間だった。日付けがとっくに変わってから散会。
 
翌日は一転して晴天。旅館・前野(自宅)のベランダからの絶景(広瀬川
沿い、目の前青葉山)を眺めてもらった後、ぶらぶら歩いて古本カフェ・
マゼランへ。ここでも魚雷さんは本棚に張りついていた。帰りは郡山で途
中下車し、古本屋巡りしてから東京へ戻るという。さすが、さすがの『古
本暮らし』著者だった。
  
「ではまた来月」と言ってお別れし、いいな、また来月って、と思った。
本番のトークは7/27(日)18時から。
お席のあるうちにご予約をどうぞ。


 
 
 


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