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ちょっと休憩 2007.06.26  

蔵書票フェスタのヤマ場「第7回全日本蔵書票フェスタ・イン仙台」が終
わり、そのご報告を熱いうちにしたいところなのですが、エネルギー出し
切ってちょっと放心状態なので、もう少し気持ちがクールになってからに
します。そのくらい(私にとって)とんでもないイベントでした。
ご報告は各所でご覧になれます。
・仙台蔵書票愛好会  http://pub.ne.jp/exlibris_sendai/
.木版画屋からこ http://st.cat-v.ne.jp/chida-karako/page002.html
・田中栞日記   http://blogs.yahoo.co.jp/azusa12111/folder/630147.html
・atelier A&G  http://blog.goo.ne.jp/atelieraandg/
ということで、気分を変えて新刊書の話題を。
   

北尾トロ『ぶらぶらヂンヂン古書の旅』風塵社 1300+税 
トロさんの古本本が出ました。送っていただいた封筒をうれしく開けまし
た。「ストレスなし、計画性なしのオフビートな古書店めぐり」と帯にあ
ります通り、行き当たりばったり、しかしかなり真剣に古本求めて日本全
国を旅した記録。トロさんの軽快な文章で読む古本話は旅心をくすぐられ
る。期待はずれだったり、思わぬ事態になったり、古書店主とのじんわり
した交流があったり。「何を、いくらで買ったか」というより、「どうやっ
てに古本を手にしたのか」ということに主眼が置かれている。名脇役マタ
ンゴ嬢も気になりますー。そうそう、「仙台&盛岡1泊2日1200キロ
の旅」の章に「閉店寸前の火星の庭へ滑り込む」という目次が。110Pを
開くと、火星の庭のセイロン・カリーをほおばるトロさんの写真がアップ
で写っているではないですか。(撮影はケンです)なんだかすごくうれし
い。載っている古本屋さんは、いつか行きたいな〜と思っているところば
かり(蟲文庫さん、トンカ書店さんあうん堂さん、ソクラテスのカフェさ
んなどなど)。ぶらぶらしていても、魅力的な古本屋に辿り着いているの
は、さすがです。
    
   

yojyohan『プチ・ブック・レシピ』毎日コミュニケーションズ 1700+税
毎日コミュニケーションズの編集のNさんが火星の庭にいらしてこの本を
いただきました。著者は福岡・ブックオカの中心メンバー生野朋子さん。
生野さんはyojohanという紙工作のプロジェクトの一人で、今年2月に行わ
れた「古本女子サミット」ではじめてお会いした。ソフトカバーのかわい
らしい本は、「本を作り、人に読んでもらう」ためのノウハウがとてもわ
かりやすく、イラストと写真たっぷりで解説されている。見た目の雰囲気
は軽やかだけど、内容はすごくしっかりしていて、実のある本です。Nさ
んは蔵書票展を見に来てくれて、営業で来たわけではなかったのですが、
「これは火星の庭で売れます。販売させてもらえますか。」ととっさに言
ってしまったほど、素晴らしいですよ。自由な発想で、真剣に、かつユー
モアを忘れないで自分達のしたいことをする姿勢に新鮮な感覚を味わいま
した。かっこいいなぁ。Nさんはただ今「消しゴムはんこ」の本を準備中
とか。こちらも楽しみです。
  
   

鎌田俊彦『われに告発する用意あり』宮城刑務所2005年5月〜2006年9月
こちらは新宿・模索舎の綿貫さんがいらして持ってきて下さった本。これ
から読むところ。模索舎には、私が20代の時に友人とミニコミを作っては
送っていた。ミニコミや小出版を語る時はずせない場所で、出版社・カタ
ツムリ社で働いていた時もやりとりがあった。綿貫さんのお名前は知って
いたので、いらっしゃってびっくり。本の売り込みの相談を受けて、知っ
ている限りの仙台の本屋、人、メディアを教える。今日東京へ戻るという
ので、再会の約束をして外へと見送ると、お店にいたお客様が話を聞いて
いて、本を欲しいと言う。追い掛けて伝えると綿貫さんが喜んで戻ってく
る。ちょうど本がもう一冊だけあった。お客様は著者の鎌田さんについて
詳しく知っている人だった。すごい偶然に驚く。そんなエピソードと一緒
に手元に来た本。じっくり読もう。
  
最後に。今週日曜日7/1放映の『情熱大陸』は内澤旬子さん。かなり楽
しみであります。
    
少し頭が落ち着いてきたので、蔵書票フェスタのこと、スタッフの目線で、
心に残ったことなど伝えたくなってきました(反省は苦手)。ではまた。
  
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小枝コレクション蔵書票展 part2 2007.06.25  

小枝昭一コレクション蔵書票展が入れ替わり、6/21からpart2が始ま
りました。part2はpart1とがらりと雰囲気が変わって、どちらかというと
現代的で、色彩が鮮やか。part1が「これぞ蔵書票」という王道だったの
に対し、「これも蔵書票!?」と思うほどシュールで斬新なものが展示さ
れています。
   

   
こちらはマリナ・リヒター。デジカメがあまり性能が良くないです。実物
は色も質感も別物のように美しいです。
   

   
ガゾヴィックはたいへん好きだし、「火星の庭っぽい」と言われます。
   

   
画像ではわかりにくいのですが、アンナ・ティクノヴァ作の蔵書票は描か
れた鳥の羽にエンボスでくちばしや足がかたどられています。糸で縫いつ
けたポケットの中に、豆本のような二つ折りの紙片が挟み込まれている蔵
書票もあります。銅版蔵書票が多いですが、今回は佐藤米次郎、関野準一
郎、棟方志功など東北ゆかりの木版画家による蔵書票もあります。
    

    
展示作家はなんと44人。人数も、パネルも増えました。木版蔵書票で私が
特に好きな作家が萩原英雄。明るい色の抽象画はクレーを思わせ、見てい
て飽きません。
    

    
小口木版の第一人者日和崎尊夫さんの漆黒と無垢の白は、魔法のように不
思議な世界へ連れて行ってくれる。
   

   
浜西勝則さんの雅びな和の世界もかっこいい。
   

   
小枝コレクション珠玉のメゾチント作品もたっぷりご覧いただけます。
   

   
個人的にも好きな作家が多いpart2は、とにかくおすすめ。この機会を逃
したら、今後いつ見られるかわかりません。
(準備、大変なんです…)
    
先週末に開かれました「第7回全日本蔵書票フェスタ・イン仙台」のご報
告は、次回したいと思います。おかげさまで大変な盛り上がりでした。
   
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「エクスリブリスの誘惑」展はじまりました 2007.06.18  

塩竈市ふれあいエスプ(仙台駅から東北本線で約15分)で蔵書票フェスタ
のもう一つの蔵書票展「エクスリブリスの誘惑」が開かれています。

エスプの広いアートギャラリーに67枚のパネルが整然と並び、数百点の蔵
書票が一度にご覧いただけます。内容も素晴らしく、日本書票協会所蔵の
パネルでは、武井武雄、川上澄生、初山滋、畦地梅太郎、芹沢けい介、前
川千帆、関野準一郎などの日本版画家の巨匠、海外作家では、エドワード・
ペンコフ、ロバート・バラモフ、マリナ・リヒター、コンスタンティン・
カリノビッチ、ロマン・ロマニシン、ユーリ・ノーズリンなどおもに東欧、
ロシアを中心とした人気作家の作品が並んでいます。国内外のこれだけ幅
の広い作品が並ぶ展示はめずらしく、初心者からマニアの方まで楽しめる
贅沢なものになりました。日本書票協会のご協力に心から感謝申し上げま
す。オリジナルを見られる機会は本当に貴重です。心からおすすめします、
ぜひ実物をご覧になって下さい。
     
展示を手伝ってくれたエスプ職員の方々も、「うわ〜〜〜、すごいですね」
と言葉を失っていました。「紙の宝石」という蔵書票に捧げられた言葉を
実感できることでしょう。
      
ギャラリーのスロープをのぼって2階には、『蔵書票レッスン』や『本の
手帳』などの蔵書票関連書籍で紹介されている現代作家の作品が展示され
ています。手法も様々で新たな蔵書票へのアプローチが感じられてわくわ
くします。額装も作家が行っているので、全体で作品という感じ。感心し
たのが岩波おれいゆさん。
    

    
3センチ四方ぐらいの豆本に蔵書票が貼ってあります。消しゴムはんこと
プリンターを使って作られています。額はお菓子の箱(だったかな)をリ
メイクしたそうです。見ているとこちらも作りたくなる、そんな楽しい作
品が並ぶコーナーです。こういう入り口が広いところも蔵書票のいいとこ
ろだな〜〜と思います。
        
その隣では、「宮城ゆかりの作家」コーナー。仙台蔵書票愛好会代表の千
田佐知子さんが所属する版画みやぎの作家の方々を中心としています。宮
城県でやるのだから、ぜひ地元の作家を紹介しよう、と企画しました。
6/24(日)にエスプホールでトークを行う大野加奈さんの作品がある
のは、大野さんも以前長い間仙台へお住まいだったから。他には霜山直良
さんや尾崎行彦さんなどキャリアの長い方も出品しています。仙台にいな
がら知らない作家も多く、版画が盛んな土地だということを知りました。
個人的に気に入ったのは、田中英樹さん。可愛らしい少女が銅版画で描か
れています。
        
以上が「エクスリブリスの誘惑」のだいたいの全容です。かなり盛り沢山
であります。エスプは徹底したバリアフリー、自然光が降りそそぐ気持ち
のいい施設です。館内には漫画雑誌ガロの創設者・初代編集長長井勝一漫
画美術館もあります(原画がたくさん!)。どうぞのんびりお出かけ下さ
いね。(エスプ以外に関しても、塩竈は、お寿司もおいしいし、東北の一
の宮・塩竈神社の眺めは絶景、商店街も情緒があります。)
     
ちょっと舞台裏話。
    

    

    

    
昨日は、搬入日。汗を流して女手だけでパネルを設置。軍手をはめて、脚
立に乗って、とみなさんたくましい。千田さんのあざやかな指揮のもと、
67枚のパネルは4時間で壁におさまった。今回はみなさんの足を引っ張ら
ないように、と思いきや、朝からくしゃみと鼻水が止まらなく、30秒おき
くらいにグワッショォオン!!と女子にあるまじきくしゃみを連発する。
当然貴重な蔵書票を触るわけにいかず、「パンフレットのコピーしてぎば
ずーー、ズズズ〜」とひとり別室へ。ぐがぁーーーー、パンフレットの
ページ順間違えたぁああああ。きゃ〜〜〜、インク濃すぎて字がつぶれて
るーー、独り格闘した後、疲れ果てる。やっぱりダメ人間。
      
また長いですね、庭番続きます。
       
仙台へ戻ってきて、みんなでいつもの中華屋さんへ。火星の庭で本日の第
2回戦。小枝昭一コレクション蔵書票展part2のパネル作り。時刻は21:00。
ここでも私の段取りの悪さが目につきながら、寛大な愛好会の皆様に助け
られ、11枚のうち半分まで完成。22:30。みんなの疲れは限界に達し、今日
の部終了。お疲れ様でした−。とにかく、一年以上の長い準備期間を経て、
ここまで来れて少しほっとする。来週はいよいよ全国から蔵書票愛好家と
作家を70名お迎えしてのパーティー。「ほんとにあと一週間なんだね」と
誰かが言う。「私、前野さんと親より会っていますよ」と若生さん。そう
だね、ほぼ毎日火星の庭へ通ってくれている。疲れはピークなのに、散会
しがたくぽろぽろと話が尽きない、気がつくと午前3時。「もう帰らない
と、やばいよ、また今夜も集まるし」という誰かの声で、さよならとなっ
た。白々と明けていく空。ヨレヨレだけど、気分はいい。
    
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海外作家から小枝さんへの手紙 2007.06.11  

平日の今日も蔵書票展を目当てにたくさんの方にご来店いただきました。
ありがとうございます。今日は、お預かりしたままだった貴重なものをよ
うやく展示スペースに出すことができました。
    

    
これは蔵書票を作ってもらった作家から小枝さんに届いた手紙です。
フラポフ、バタコフ、ノーズリン、チェルネッツオーヴァ、ズエフ、ウェ
ルナー、ティクノヴァなどすべて海外作家。さすがは作家、趣向をこらし
た立派な作品ばかりで目を奪われます。しかしオーダーではない分、作家
が好きなものをのびのびと制作している楽しさがあります。壁際にファイ
ルが置いてありますので、どうぞご覧下さいませ。お取り扱いには充分ご
注意をお願いします。
   
小枝昭一蔵書票コレクションの特徴の一つに、オーダーメイドで作られた
作品である、ということが挙げられると思います。依頼主が好きな作家に
モチーフやテーマを提示して作品を作ってもらう。これはファンにとって
はたまらない喜びでありましょう。作家が依頼主に「下絵」というスケッ
チを見せてOKが出たら制作に入る。イメージと違う時は、やり直しを伝え
ることもある、共同制作のような面もあるのだ。でももともと大好きな作
家なのだから、トラブルなどにはならないのでしょう。むしろ、自分のイ
メージと一致したとき、愉快に裏切られたとき、どちらもうれしいんだろ
うな、とやったことのない私は思うのでした。そんな様子も想像しながら
手紙を見ると、また楽しくなります。小枝さんは蔵書票と同じくらい、も
しくはそれ以上にこの作家からの手紙を大切にしています。日本人作家か
らの手紙もお預かりしていますので、小枝さんは「あれもこれもやってい
たら、あなたの仕事が増えちゃうからいいよ」とおっしゃってくれますが、
近々ファイルでお見せできるようにしますね。
(すぐにはできないかもしれないけど)
    
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いざ、水戸へ 2007.06.09  


    
6/4(月)〜6/6(水)出張。水戸の市場へ行ってきました。片道約
500キロ(山道を行く)の道のり、朝4時出発とかいう暴挙はやめて、こ
のところは途中にある郡山の実家へ前泊して行くようにしています。それ
でも朝5時半出発。夜型人間なので、けっきょく睡眠3時間とかで出かけ
ることになります。この頃は、無類の運転好きの姉が水戸の友達に会いに
行くという動機から同行してくれて、だいぶ楽になりました。(車の運転
嫌いなのです。)なので昼寝ができる、というとそうではなく、眠れない。
なぜだか苦手なのです昼寝(笑)。ほとほと貧乏性っていうか、今の時代
の(ゆるゆるした)空気にミスマッチというか。早死にするタイプね。
      
久しぶりに水戸の市場へ行くと、いいな、この(ハラハラした)空気。悲
喜こもごも、渦巻いている。「お、火星さん読んだよ」と数人の方に声を
かけられる。例の「全古書連ニュース」のことだ。「いやいやあれは苦し
紛れに書いたもので、モゴモゴモゴ…」とごまかす。
         
今回は和本が多く出ていた。水戸はすべて振り市。すべての出品物を目の
前で落札されていくのを見るのは、入札より手間はかかるがとても勉強に
なる。欲しくて声をあげるのは、十回に一回くらいだが。自分が扱ってい
ないジャンルの本がどのくらい競って、高値になるのか、だれが必死で買っ
ているのか知ることができる。振り手が買い手をあおるときの解説も生き
た学習。逆に市場でぜんぜん見なくなったジャンルなどは、やっぱりもう
だめなのかな、お店の棚を整理して処分しようかな、などと考えるいい機
会になる。
       
収穫の一部でございます。
    

    
「こけし版画」武井武雄 前川千帆 関野準一郎/作
ただ今開催中の蔵書票展にいいタイミングで落札。こちらの御三方は蔵書
票の世界でも重鎮であります。昭和29年 日本橋三越・こけし展記念に作
られたもの。50年以上経った今も、色鮮やかです。摺り師は平井孝一。和
紙の包み紙に入っています。
    

    
「fair lady」フェアレディ・ハイスクール版
     
B6版のかわいい冊子。創刊号(昭和41年)を含めて30册一気に入手できま
した。女子高校生の家庭科の副読本として発行されていたのシリーズ、60
年代最後の生まれの私には、なんとも胸がくすぐられます。特集も独特で
す。「文学散歩」「現代の民芸」などから「金沢のお正月」「制服を考え
る」「人間特集」なんてものもある。いい時代だったのね。
      
そのほか、昭和20年代の教育雑誌や、湯川書房の本など、ぽちぽちと買え
ました。持っていった5箱分の本もすべて売れて、売り買いとんとんくら
いになったので、清々しい気持ちで帰路につきました。
      
一番上の画像は、会場の駐車場から見た景色です。お昼休みで外の空気を
吸いに行った時のもの。のどかな景色とはうらはらに、頭のなかは
「あの本の時どうして声を出さなかったんだろう」「もっと粘ればよかっ
た」とか、後悔の念でぐるぐるしているのです。寝不足でぼーーっとなっ
た頭で。
    
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小枝昭一コレクション蔵書票展報告 2007.06.06  

小枝昭一コレクション蔵書票展、おかげさまでご好評いただいております。
昨日友人が入って来るなり、立ち並ぶ蔵書票パネルを見て「火星の庭始
まって以来の格調の高さだね〜」と、一言。そうですねーー、確かにいつ
もと空気が違いますねー。
    
蔵書票はその小ささゆえか、じぃーーーいいいいっと見入る方が多い。こ
ちらが近づいて描かれた世界を見ようとしなければ見えない。そういうと
ころもおもしろい。
       
マニアのかたも多くいらしていただいてますが、何も知らなかった方も素
敵ねー、いいわねーと言って喜んでいただいて、それがすごくうれしいで
す。お店にいらっしゃるほとんどの方が、興味を持ってくれる、こんな展
示はとても珍しい。美しいもの、精魂こめて作られたものに心惹かれるの
は、共通している。知識ではありませんね。
      
初日はオープン前から待っていてくれた方もいましたが、だいたい混雑す
ることもなく、途切れることなく、いい感じな展示会場です。見た方が、
だれかに教えて別の方を連れてきてくれたり、じわじわと広がっていきそ
うな展示になりそう。やる前は「見に来てくれるのかな、それとも
どさーーっと人が来てゆっくり見られなかったらどうしよう」などと心配
していましたが。
      
テーブルと本棚を少しどかして、できるだけ見ていただきやすいよう配慮
しました。窮屈な場所ですが、どうぞごゆっくりお楽しみ下さい。
      
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「小枝昭一コレクション」蔵書票展、はじまりました 2007.06.01  


    
「小枝昭一コレクション」蔵書票展第一部がはじまりました。150枚あま
りの蔵書票がパネルにおさめられ火星の庭店内を埋め尽くしています。バ
タコフ、ヴェリコフ、ペンコフ、バイロス(!)ほか数々の有名版画家の
作品が間近でご覧いただけます。
     
飾り棚には、作家の創作の跡が実感できる版木、銅版が飾られています。
ピアノ上には、蔵書票の摺の過程が一色一枚づつ額装されていて、完成ま
での手仕事の流れがわかるようになっています。
     
蔵書票の実物を見ると、名刺から絵葉書ほどの大きさのなかに、これほど
までに緻密で、深遠な世界が描けるものなのかと、驚きます。
     
蔵書票は個人が作家に直接依頼して作られるため、一般に見る機会が多く
ありません。7月まで行われる蔵書票展では、火星の庭と塩竈のふれあい
エスプで約1000枚近い蔵書票をご覧いただけますので、どうぞ足をお運び
下さいませ。
     

    
小枝昭一蔵書票コレクションの図録が昨日届きました。今回展示している
蔵書票がほとんど掲載されています。全ページ蔵書票の図版が入っていま
す。コンパクトにまとまって、見やすいつくりになっています。展示のお
供にぜひおすすめです。お値段は1050円。
    
蔵書票展会期中に展示替えを行います。part2は6/21(木)からになっ
ています。ヴァブロヴァ、ヴェルナー、スミルノフ、浜西勝則、荻原英雄
など素晴らしい作家がひかえております。
      
火星の庭でも何かしたいと思い、期間限定のドリンクメニューを用意しま
した。優美で、大人の魅力がある蔵書票にぴったりな飲み物を、と考えた
ところこちらに決定。
    

    
「カフェ・ショコラ」
深入りの珈琲に、フランス製のクーベルチュールを溶かして、生クリーム
を浮かべた贅沢なものです。珈琲のコクと、チョコレートの苦味と甘味が
多重的なおいしさを奏でます。カフェショコラを味わいつつ、蔵書票の世
界を心ゆくまでご堪能いただければと思います。
      
最後にお知らせです。
コレクション所蔵者の小枝昭一さんと、小枝さんとも親しい銅版作家の大
野加奈さん、書物研究家の田中栞さんの三人のトークが6/24(日)に塩
竈のエスプで14:30から行われます。入場無料、整理券を火星の庭で
配付しています。ご希望の方はどうぞお声がけくださいませ。「集める」
「作る」「出版する」それぞれの立場から蔵書票のディープな話がたくさ
ん聞けることでしょう。
        
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