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いろいろ、いろいろ、いろ  2010.8.28   

火星の庭も参加するイベントや、とくにおすすめしたい企画のお知らせ。

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 Book! Book! Sendai 「街を本と歩こう〜ガクト・センダイ〜」

主催◆Book! Book! Sendai
日時◆2010年9月9日(木)〜12日(日)
    10:00〜20:00
会場◆クラックス1〜3Fエスカレーター脇通路

Book! Book! Sendaiでは、昨年好評だった「街を本と歩こう」を、
今年も開催いたします。
大正時代から仙台は学問の都と称され、「学都・仙台」と呼ばれま
した。そして現在は、音楽の都「楽都・仙台」という、
新しいキャラクターを持ち始めています。この「楽都・仙台」の顔
とも言える「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」の
開催時期に合わせ、Book! Book! Sendaiがプロデュースする
「街を本と歩こう」。今回は「ガクト・センダイ」をテーマに
写真・骨董品の展示や古書などの販売をいたします。

参加店 風の時編集部、火星の庭、magellan、stock、
ISHINN、ウルユス社、NPO20世紀アーカイブ仙台(協力)

◎「大正・昭和時代の仙台」クラシカル写真展(1、2F)
◎「大正・昭和時代の骨董品」展示・販売(1、2F)
◎古書・新刊書・中古レコード・楽器・の販売会(3F)

「学都・仙台」と称された仙台。
そして現在では、音楽の都「楽都・仙台」という新しい都市文化も
根付きました。
自分のペースで本を読んで知識を深め、
日常生活の中でゆったりと音楽を楽しめる街「ガクト・センダイ」
という発想。
そんなゆったりした展示・販売会です。

★Book! Book! Sendai - webサイト
   http://bookbooksendai.com/

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「あすなひろし原画展」

孤高の天才抒情派マンガ家あすなひろし
 の傑作「ソクラテスの殺人」全ページ公開!

会場=ギャラリー チフリグリ
2010年8月21日(土)〜9月5日(日) 
11:00〜18:00 入場無料・会期中無休

あすなひろしプロフィール
1961年少女クラブに「まぼろしの騎士」でデビュー
1972年「とうちゃんのかわいいおヨメさん」と
    「走れ!ボロ」で第18回小学館漫画賞を受賞
2001年3月22日肺がんのため逝去(享年60才)

ギャラリー チフリグリ
仙台市宮城野区五輪1-11-12  022-290-6302
メール chifuriguri@me.com
・JR仙台駅東口より徒歩18分
・JR仙石線宮城野駅1番出口より徒歩2分

詳細は、http://asunahiroshi.jp
 
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宮城うたの日コンサート in 七ヶ浜 vol.2

平成22年8月29日(日曜日)
•七ヶ浜国際村ホール 16時開場 16時30分開演
•野外ステージ アンフィシアター 11時開場 12時開演
会場
七ヶ浜国際村ホール、野外ステージ アンフィシアター
•一般 S席5,000円/A席4,000円
•当日 S席5,500円/A席4,500円(座席に余裕がある場合販売)
(注)野外ステージ アンフィシアターは無料です。
出演者
ホール
•下地勇
•中富雄也(風味堂)
•BLACK BOTTOM BRASS BAND
•松千
•三宅伸治バンド(メンバー変更あり)
•山本隆太
野外ステージ
•GRAD'Z
•すみれ
•THE SUPER NATURALS
•幹
うたの味屋台
•近藤商店(仙台)
•カフェ・ラ・ルナ(七ヶ浜)
*火星の庭では関係者チケットを限定枚数でお取り扱いをしています。
ご購入は店頭のみとなります。

*情報はこちら
http://www.shichigahama.com/kokusai/info/f01-091.html


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レジェンドマンション
2010.9.23(祝).24(金).25(土).26(日)                                         
会場=秋田県秋田市大町3丁目1-12 川反中央ビル

とあるマンションに居ついた可笑しな住人達が繰り広げる可笑しな物語。
秋風が吹き始めるこの季節、秋田市大町、川反中央ビルで起こる嘘のようなホントの出来事。
秋の4日間、ビルの4つの部屋と屋上にて 3組による展示、イベントが行われます。
それぞれの作家が紡ぎだす物語をどうぞお楽しみください。

川反中央ビル
【3階】
トワル.rui
HP:http://www.toiles-rui.com/

【3階】
project room sasao
HP:http://room-s.tumblr.com/

【3階】
書籍販売まど枠
HP:http://madowaku-books.com

【2階】
石田珈琲店 喫茶室
HP:http://ishida-coffee.petit.cc/

レジェンドマンション 特設サイト=
http://legendbld.petit.cc/

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山崎曜の「手で作る本の教室」展 2

2010年9月14日(火)〜19日(日)
会場 世田谷美術館 区民ギャラリーA
開館時間 10時〜18時
*初日は13時〜/最終日は16時半まで
情報はこちら
http://www.honnuova.com/mt/2010/08/post-374.html

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中村ハルコ写真展
会場=ふれあいエスプ塩竈、ビルドスペース
2010年10月13日〜24日

ふれあいエスプ塩竈
http://www.city.shiogama.miyagi.jp/guide/svGuideDtl.aspx?servno=244

ビルドスペース
http://www.birdoflugas.com/


「ようこそ、魚雷さん」  2010.8.27  

 「ようこそ、魚雷さん」と題して『活字と自活』の出版お祝い会を
ひらきました。
   
    荻原魚雷『活字と自活』(本の雑誌社)
    カバーイラスト:山川直人 写真:藤井豊 
    挿絵:下坂昇 ブックデザイン:中嶋大介
    本体1600円+税

 荻原魚雷さんと、『活字と自活』に収録された写真を撮ったカメラマ
ンの藤井豊さんを囲んで、わいわいと深夜まで。
一夜限りのbook bar 火星の庭になりました。

 夕方頃に郡山から「魚雷さんに会いたくて」と、『古本暮らし』と
『活字と自活』を持参して女性がご来店。サインを直接いただいてうれ
しそう。こちらまでうれしくなる。

 この日はじめて魚雷さんに会った人が「魚雷っていうから、マッチョ
でごっつい人だと思ってた」と目を丸くする。

 魚雷さんが話すとみんな動きを止めて、じっと耳を澄ます。すごく小
さな声でおもしろいことをぽつぽつと話す。若い頃の危ない仕事につい
ていた頃のことなどを、しーーんと聞いた後に大爆笑。
 
 仙台がはじめての藤井さんは白石や槻木などで途中下車しながら来た
という。「まっすぐ着いちゃうよりその街がわかる」。眼の人、藤井さ
んの頭のなかでこねくり回さない観たままの言葉に、はっとしたり、感
心したり。

 魚雷さんは三重県の出身。名古屋文化圏。藤井さんは岡山県在住。関
西文化圏。そんな土地の話にもなる。外の人から教えられる仙台ってあ
るよなぁ。
 
 みんな目の前に大好きな魚雷さんがいて、心底うれしそう。この日は、
夏野菜をいっぱい食べようと思って、おつき合いさせていただいている
農家の色麻町の和田さんと名取の三浦くんに畑のものを配達してもらっ
た。どれも味が濃くてそのまま食べるのが一番美味しい野菜たちだった。
やっぱり宮城は食べものが素晴らしいと思うのです。
 さらに兵庫県の明石市で「山路製めん」といううどん屋をはじめた
山路さんのうどんも食べました。小麦の甘味を感じる素晴らしい味です。
 
 魚雷さんの火星の庭のコーナー、文壇高円寺古書部の棚から色川武大
や鮎川信夫、吉行淳之介などを取り出して「キーパーソンになる作家」
を読むことの大切さ、面白さを話してくれる。
 こういうのいいなと思う。
 たくさんのおもしろい世界があって、それについて愛情と深い理解を
持っている人々がやってきて、今まで知らなかった人達が新しいことに
出会っていく。火星の庭はそんなことが起きる場になったらいいなぁ。
博覧強記の古本屋の主というのはすごくかっこいいと思うけど、私はそ
ういうタイプではなく、深くものごとを知っている人にお声をかけて、
来ていただいて対話をする場を作っていくこと、こういうことならでき
そうだし、好きなんだなと思っていた。

 狭いところですがこれからも拙いながらちょぼちょぼやっていきます。

 翌日、仕事がある魚雷さんを駅で見送って、昨夜のメンバー何人かと
藤井さんを塩竈、松島へご案内。エスプへ行って、塩釜様へお参りし、
だんごを食べ、松島へ船で渡り、喫茶店でお茶を飲み、修学旅行のよう
な騒ぎっぷりでした。藤井さんは喋るように写真を撮っていた。

 魚雷さん,藤井さん来ていただいてありがとうございました。
また、お待ちしています。

   ★この日のこと魚雷さんのブログにあります。
     ◇荻原魚雷さんのブログ「文壇高円寺」


塩竈「シオーモの小径」を歩く  2010.8.23   

 火星の庭で毎月ひらいている俳句会には和服で参加する女性が多く、
じゃ夏は浴衣で夕涼みがてら塩竈でやりましょう、となって今月は場所
を変えて、塩竈でおこないました。

 仙石線(仙台ー石巻)本塩釜駅で待ち合せ。
 塩竈は、火星の庭俳句会の主宰・渡辺誠一郎さんの地元です。
 塩竈の海岸沿いにつくられた「シオーモの小径」は、渡辺さんが碑文
を選考し、配置図から石の素材やデザインまで関わり、今年3月に完成
したものです。この日、まず最初にその「シオーモの小径」を渡辺さん
自ら解説しながら案内して下さいました。
 ここには塩竈を訪れた文学者の言葉が刻まれた碑が建っています。
海と海岸通の間にあり、潮風に吹かれながら一つ一つをゆっくり見て
歩きました。
 
 石の上に3つの穴。手のひらで強く叩くとポッポッポッと愉快な音が
します。宮澤賢治が塩竈に来た時に乗ってきたという蒸気船を真似た音。
これがはじまりのサイン。叩いているのは期待の新鋭、卓さん。
 


              ◇


    
 まずは塩竈ならこの人。戦後を代表する俳人、佐藤鬼房の碑。鬼房氏
が創設した俳句結社の俳誌「小熊座」の現在編集長でもある渡辺さんに
とっても特別な作家。この碑は「鬼房が文学者を迎えて座している」
のだそうです。

 馬の目に雪ふり湾をひたぬらす      鬼房   『海溝』より

 「字が小さいと思わない?雪をイメージして小さくしたんだよ」と
渡辺さん。


              ◇


 
 最初の客人は、若山牧水と北原白秋。ともに歌人で、同じ明治18年、
九州の生まれ。牧水は大正五年に塩竃神社を参拝した後松島へ。白秋は
昭和15年に松島から船で塩竈を訪れ、塩竃神社に参詣。

 鹽釜より松島湾へ出づ

鹽釜の入江の氷はりはりと
裂きて出づれば松島の見ゆ
              牧水     『朝の歌』より



みちのくの千賀の塩釜雨ながら
網かけ竝めぬほばしらのとも
              白秋     『海坂』より



              ◇


       
 宮沢賢治は16歳のとき修学旅行で塩竈に来て、
そのあと仙台へ向かっています。
碑には賢治がたどった航路が標されています。

 賢治も乗った東北ではじめての鉄道(東京ー塩釜間)、
そのレールは一部保存されて残っており、
この碑の下に置いてある鉄はそのレールの実物なのです。
  

 そして八月三十日の午ごろ、
わたくしは小さな汽船でとなりの縣の
シオーモの港に着き、そこから汽車で
センダードの市に行きました。
                   宮沢賢治
                   『ポラーノの広場』より
  


              ◇


                  

       
 続いては、斎藤茂吉。山形生まれです。碑にあけられた四角い穴
は塩の結晶を模しているそうです。  

 松島の海を過ぐれば鹽釜の
    低空かけてゆふ焼けそめつ
                   茂吉 
                   『石泉』より



              ◇



       
 与謝野寛と与謝野晶子の歌がひとつの石に並んでいます。88年前、
晶子がこの地を歩いていたとは不思議な心地。

 鹽釜の出口をふさぐ炭船の
     あひだに青き松島の端
                   寛

 雁皮紙をいと美しく折り上げて
     松をさしたる千賀の浦島
                   晶子
                   『明星』より



              ◇


       
 田山花袋の紀行文。過日の塩竈の賑わいが目の前に見えるようです。

 鹽竃の町は半は港で半は漁市といふ
さまであった。大漁の模様のついたどて
らを着た漁師、細い通りに處々に並んで
ゐる青樓の浅黄の暖簾、ある旗亭から
三味線の音が湧くように聞こえた。

 深く入込んだ入江、そこに集まってゐる
帆檣や和船や荷足や水脈は深く黒く流れて、
潮は岸の旅舎の影を静かに揺かした。
                  田山花袋
                  『山水小記』より



              ◇


       
 明治26年7月、汽車で塩竈を訪れた正岡子規。
海に浮かぶ小島、籬島(まがきじま)を詠んだ。

 籬嶋
 涼しさのこゝを扇のかなめかな
                   子規 
               紀行文『はて知らずの記』より

 渡辺さんが碑の傍にあったツツジだろうか、を指差して「この植木は
籬島の形に植えてあるんだよ」と説明。ほんとだ、扇の形をしている。
ん?娘が突如、草むしりを始める。お墓参りだと思ったのかな。



              ◇


       
 この碑のなかで生きているただ一人の人、高橋陸郎氏は鬼房氏と交友
があり度々塩竈を訪れているそう。「シオーモの小径」完成除幕式にも
出席された。

 みちのくの千賀の塩竈釜に得む塩のはつかも笑みかけたまへ
                             睦郎
 
 塩の城のザルツブルクに聞きしより年どし遠しサラリー縁起
                             睦郎
                         『歌枕合』より

 *歌は、塩に縁のある「近の塩竈」に対する「遠のザルツブルク」を
読んだもの。(パンフレットより)

 「高橋睦郎氏は疑いようのない天才」と渡辺さん。講演はめったに引
き受けないそうなのですが、渡辺さんが今回のことを話すと快諾された
ということです。



               ◇



 碑はすべて海側(遊歩道)の反対を向いていますが「見る人が海を背
景に見るように」わざとそうしているそうで、ぐるっとまわって碑を読
んでいる時、後ろにはずっと海と空がありました。

 最後にまた汽船の石。ポッポッポッと鳴らしておしまいです。少し向
こうに建っている巨大な石碑は「築港の碑」で、明治15年にここに港が
つくられたときの記念碑でした。

 わずか2,3分もあれば歩ける道ですが、塩竈の独自の風土が感じられる
貴重な場となっていて、こういうものを今の時代につくってしまう渡辺
さん(塩竈市にお勤め)はじめ、塩竈ってかっこいいなと思いました。

 この後は駅裏の小さな飲み屋で俳句会。新鮮な鯨、穴子、鮪と地酒に
心を奪われ、集中力に欠ける。まぁ、名だたる作家の作品を紹介した後
ですし、我々の句を紹介するような無粋なことはやめておきます。


「ご紹介いろいろ」  2010.8.21   

 この頃火星の庭の新刊コーナーが賑やかです。当店は積極的に新刊書
を扱ってはいませんが、(スペースが限られてるので)、縁があって置
かせてもらっている本が増えてきて売行きも好調です。
 
 最近入荷したものを紹介します。

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「てふてふ 三匹め」近代詩朗読集/中原中也篇 朗読:Pippo
 2010年7月24日発行 限定100部 1000円(税込)

 Pippoさんが中原中也の詩を朗読しています。最初から最後まで
中也の世界に持っていかれます。PippoさんのほかのCDも販売中。
サイトも楽しいですので、ぜひ。http://pippo-t.jp/

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『マンガ文献研究 2号 特集:エロ』編集兼発行人/松田有泉 
100部発行 1000円(税込)

 108ページに渡って「エロ」をテーマに、これぞミニコミ!って感じ
で迫ってきてうれしくなる。塩山芳明さん、南陀楼綾繁さんの文章や、
ちろちろと挟み込まれる図版(エロ!)にも引きつけられ、なかなか読
み止まらない本。発行人の有泉さんがBook! Book! Sendaiに来て下さ
って、直接納品してくれました。わめぞ、20代の期待の若者です。

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『味見はるあき』木村衣有子 
2010年7月19日発行/32ページ 500円(税込)

 文筆家の木村衣有子さんの食べ物についてのエッセイ集。読後の余韻
が静かに響く味わい深い文章です。デザインは「てくり」木村敦子さん。
本のかたちも愛おしいです。

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『てくり』11号 特集:光原社 
 B5判変型40ページ カラー 500円(税込)

 盛岡にずっとあたり前のようにある光原社には、及川四郎という稀有
な情熱と行動力を持った初代と信頼し支える家族、職人とによって、岩
手の厳しい風雪に耐えるように磨かれ続けた歴史があることを知った。
読みごたえたっぷり。今号は今までの最速で完売。再入荷しました。

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『杜の日記帖』佐伯一麦 仙台闊歩新書001 
 プレスアート 1365円(税込)

 同じ街に住んでいるのですが、佐伯さんが書かれたものを読むと別の
街のよう。日々の執筆という孤独な作業と、仙台の自然と人の交流の対
比が鮮やかで、落ち着いたいい街だなぁと思う。佐伯さん撮影の写真も
たくさん載っています。最後の方に、火星の庭での宴席のことが書かれ
ていて、「かつての教え子」とあり恐縮する。
 *佐伯さんの読書会は10月に予定。近々お知らせします。


『視線の先に 料理人・奥田政行の目指すもの』川野達子 
 仙台闊歩新書 プレスアート 1260円(税込)

 仙台闊歩新書は、雑誌『Kappo』や『S-style』を発行しているプ
レスアートが6月に発行を開始したもの。佐伯一麦さんの『杜の日記帖』
と川野達子『視線の先に』が同時発売されました。
 『視線の先に』は山形にあるレストラン、アルケッチァーノのシェフ、
奥田政行さんのドキュメント。川野さんは情熱大陸などで有名になる前
から6年間おつき合いされている方で、奥田さんの料理はもとより、お
人柄、スタッフ、生産者のこともよく知り抜いていて、スリルのあるノ
ンフィクションを読むような気持ちで読みました。読みながら、イサク
・ディーネセンの『バベットの晩餐会』を思い出した。『バベットの晩
餐会』を愛読する佐伯さんとも響き合っているような気がする。
 アルケッチァーノには3度行こうとして予約が取れず、未だ訪れてい
ませんが、「山形では一年で一番美味しい食材が揃う季節。6月」に
ぜひ、食べに行きたいなぁ。

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 そして肝心の自分が編集している本が、いよいよ待ったなしの状況。
というのは、発売日が決まったのです。…まだ言えませんが。
 秋にはお目にかかれるかと。ってもう秋?ここで紹介できる日が
ほんとうに来るのかしら(涙)。


ようこそ、魚雷さん。  2010.8.9   

 『活字と自活』(本の雑誌社)の売れ行き好調、早々と増刷も決まって(おめでとうございます!)注目の人となっております荻原魚雷さんがもうすぐ仙台へいらっしゃいます。なんと、『活字と自活』の写真を撮られた藤井豊さんもご一緒かも。岡山県在住で、東京の個展に合わせて仙台へということなのですが、スケジュールがまだ未定。仙台に来ていただけたらうれしいですね。

   
    荻原魚雷『活字と自活』(本の雑誌社)
    カバーイラスト:山川直人 
    写真:藤井豊 
    挿絵:下坂昇 
    ブックデザイン:中嶋大介
    本体1600円+税
   ★火星の庭では著者サイン入りで販売中。

<ようこそ、魚雷さん> 
2010年8月24日(火) *定休日ですが下記の時間のみ営業します。 
場所:book cafe 火星の庭

★「文壇高円寺古書部、店主おります」
    8/24(火)16:00〜19:00 入場無料
    荻原魚雷さんの古本コーナー「文壇高円寺古書部」に、
    この日は魚雷さんが在店して直接販売します。
    魚雷さんに本のこと、古本屋通いのこと、高円寺暮らしに
    ついてなど聞いてみてはいかがでしょうか。
    とてもやさしく穏やかな方です。

    3時間限りのスペシャル企画。
    もちろん著書にサインしていただけます。

★「荻原魚雷さんとお酒を飲む会」
    8/24(火)19:00より 料金:3000円(お料理と1ドリンク付き)
    魚雷さんと飲む。それだけのゆるい会です。
    火星の庭が一夜のブックバーに変身。
    ふらっと来ていただいてもOK。
    椅子席(15席)は予約優先とさせていただきます。
    ご予約はこちら。
    火星の庭・メールアドレス=kasei@cafe.email.ne.jp

   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

    
  ☆荻原魚雷さんのブログはこちら http://gyorai.blogspot.com/

  ☆2008年に当店で行いました、
    展示とトークライブの企画「荻原魚雷、古本の森文学採集」
    の様子はこちら
     click


身近な夏  2010.8.8  

 
 まったく雨の降らない七夕まつりはめずらしいですね。
8/7未明にアーケードを一人歩いて帰りました。
吹き流しを独り占め。嘘のようにだぁ〜れもいなかった。

 
 娘が学校から持ち帰った朝顔がようやく咲いた。
「めぐたんの朝顔は咲きたくないのかな〜」と心配してたから
よかったね。ちゃんと水もあげてね。

 
 自宅のベランダからの眺め。広瀬川の岸辺に建っています。
魚釣りしている人が何人か。夜は伊達政宗の墓がある瑞鳳殿の
参道に灯りが灯ります。
ちなみに背後の部屋のなかは荒涼とした古本の山…。

 
 虫好きの娘が拾ってきた蝉の抜け殻。東北大学の片平キャンパスの林
にて。きれいに大きさがそろっているのが不思議。

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 火星の庭のお盆休みは、8/15(日)のみ、法事のためお休みいたしま
す。定休日は火、水です。ご来店をお待ちしています。


矢野絢子ライブ(2010/8/3夜)  2010.8.6  

 矢野絢子さんのライブは満員のなかたいへん盛り上がりました。遠く
は北海道、大阪、東京からいらした方もいたようで、ありがとうござい
ました。お客様のなかには「え、ここで?」と会場の様子、矢野さんと
の近さに驚かれていた方もいました。

 ライブ前日に飲み行った沖縄料理の「島唄」で、矢野さんと店主の加
屋本さんが意気投合して急遽ライブの前座で演奏していただくことにな
った。日本最南端の波照間島の民謡が三線に乗って心地よく響きました。

 そして矢野さんが登場。一曲目にいきなり長編の「ニーナ」。
今夜一番聴きたいと思っていた曲でした。椅子職人のおじいさんが
作った椅子が巡り巡って旅をして朽ち果てるまでの歌。
あとで聞いたら「物語のある曲なので古本屋さんに合うと思って」
選んだそうです。
 中原中也の詩「帰郷」にメロディをつけて歌ったのも印象的でした。
   
 12月にしか歌わないという「ふたつのプレゼント」も歌いました。
これはきっと東北ツアーを一緒に車でまわったテリーさんへのプレゼン
トで、歌う前に客席の一番後ろにいるテリーさんににこっと笑いかけた。
テリーさんは驚喜し、たぶん泣いていた。 
 この歌は矢野さんの生い立ちがわかる歌で、個人的な歌なんだけど
そこにあるかのように情景が浮かぶ。矢野さんの肩を出したワンピース
の腕に切り傷の跡がいくつもあったのを見た。人を切らなければ自分を
切るしかないところで悶絶し、その果ての歌なのだと思った。
 はじめて聴くのに聴いたことのあるような気がした。太宰治や坂口安
吾を読んだときに自分のことだと感じるように。
  
 一曲終わるたびにくるっと客席を向いて微笑む顔がとてもかわいらし
くて、さっきまで神がかったように歌っていた人とはとても思えない。

 17歳から歌いはじめ最初はオリジナル曲が3曲しかなく、それではラ
イブができないからと一ヶ月で50曲書いたこともあったという。以来
30歳の今日まで250曲以上作ったというので驚く。ライブハウスに住
んでいた20歳のころの歌も歌った。ある歌の賞でグランプリを取り、
一度東京へ出てメジャーデビューしたけど、「東京では会う人すべてが
敵に見えた。」「お客さんも敵に見えたんだよ」。
 一年後生まれ育った高知に戻ってきて、音楽仲間とライブハウスを運
営しながら精力的に音楽活動を続けている。高知には行ったことがない
けれど、大らかで多様な生き方を包容する空気があるのかしら。

 「今日のこのライブがあるのはある人がいてくれたから」と友部正人
さんの「愛について」を歌った。矢野さんのことを聞いたのは、テリー
さんも私も友部さんと奥様のユミさんからで、いつかライブをしたいと
思っていたのでした。
「愛について」には父のいない母と子が登場し、矢野さんもまた父のい
ない子を育てている。「友部さんの好きな曲はたくさんあるけれどこの
曲だけ歌えます」と。
   
 前日に島唄で飲んでいるとき、矢野さんがふと、
「愛を告白するような気持ちで歌っているの。だから歌い終わるとすご
く疲れる」と言っていた。

「ロクゴ」には「大嫌いだ 大嫌いだ」「糞みたいだ 糞みたいだ」と
叫ぶところがあるのだが、ほんとは「大好きだ 大好きだ」「大切なん
だ 大切なんだ」と歌っていると誰にだって聞こえるだろう。そう言う
しかない愛の告白もあるのだ。

 ピアノの鍵盤の端から端まで使って、持てるものすべて出し切るかの
ごとく歌う矢野さん、きれいで色っぽかったな。こう書くとなんだか激
しい、強い音楽かと思われるかもしれませんが、それだけではないので
す。
 敏感で繊細な正直すぎる魂を持った人が扉を閉じずに大好きと言い続
けること。それは強いとか激しいとかだけでできることではないと思う。
無償の愛のようなものを持っている人なのでしょう。

(………言葉にするとなぁ、ズレているような気が。ライブのことを伝
えようとするたびに私には無理な話だと思ってしまう。私が書くことで
矢野さんのことを誤解されませんよう。だったら写真だけのレポートに
すればいいのに、長々とこの悪癖……。
ぜひともライブで聞いて、ご体験ください)

 休憩を挟んで2時間半たっぷり歌ってくれました。
終了後はCDを買う行列ができて、お客様は満足そうな顔で帰って行き
ました。

   

 矢野さんは自分の体重の半分以上もある荷物を抱えて次の場所、
北海道へ飛び立って行きました。
 矢野さん、ありがとうございました。また歌いに来てください。

           ★追記★
 矢野さんのブログでもこの日のことを書いて下さっています。
      ▶CLICK◀ ご覧ください!


矢野絢子さんライブ 終了しました。2010.8.3  



矢野絢子さんライブ盛況のなか終了しました。2時間半たっぷり酔いしれました。歌の力すごい。大阪、東京など県外の方からもご来場ありがとうございました。


矢野絢子ライヴ、いよいよ明日! 2010.8.2  

  

  さきほど矢野さんが秋田から移動して、仙台へ到着しました。
  火星の庭のピアノに挨拶をしているところ。
  

  矢野さんがピアノを弾くと、
  店内が気持ちのいい空気でいっぱいになりました。

  矢野さん「もうずっと東北にいる気分」と、
  ツアーを満喫しているようです。

  矢野さんは今年31歳の若さながら、
  自作曲が250曲以上あるとのことで
  盛岡も秋田もまったく違う選曲で演奏されたそうです。

  明日は、東北ファイナル・ライブ。どんな歌が聴けるのでしょうか。

  お席はあと数席あります。
  天性の音楽家。ほんとうに心の底からおすすめです。
  ご予約は、電話 022-716-5335 か、
  メール kasei@cafe.email.ne.jp
  でお待ちしています。


 
 
 


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