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泉マルシェと加藤哲夫さんの会 2009.9.27  



 泉マルシェ、大っ盛況でした。雲一つない秋晴れで、外は炎天下
に近い陽射し。ご来場者は何万人でしょうか。一日中、泉中央のペデ
ストリアンデッキが人で埋まっていました。火星の庭はstockさんと
共同出店。大変いい場所にブースを貸していただいて、ほんとにたく
さんの方にお出でいただきました。火星の庭のお客様もたくさんいら
していただいて、励まされました。きちんと対応できず、ばたばたし
ていてすみませんでした。差し入れや助っ人をしてくれた友人たちに
も感謝です。

 8時に会場着。一回で運びきれず2往復する。往復1時間かかるので
けっこう焦る。10時前からお客様がつぎつぎやってきて、写真を撮る
余裕がなく…。こんなのだけ。開始前にこの人だかり。
   
 400冊くらい本を持っていって、147冊売れました。7時間でだから
すごいかも。絵本や暮らし、料理の本、古いファッション雑誌が好評
でした。文庫本も半分近くなくなりました。ふだん古本を買い慣れな
い方も多く、その人達に喜んでいただけたのがなによりうれしかった。
「あー、古本だぁ」と言って足を止めてもらえるときゅ〜んとなった。
 stockさんの雑貨や古道具がすばらしく、皆さん奪い合うように買
っていかれる。ロシアや東欧の雑貨&古道具は、西欧より日本人の感
性にしっくりくるような気がします。古本とも相性ばっちりで、いっ
しょに並べると相乗効果が起きている感じです。

 有機野菜や地元の農産加工品のコーナー、手づくりの飲食の屋台、
骨董や家具、洋服、アンティーク、アフリカ雑貨、クッキーにケーキ
などなど…、売っているものはさまざまなのだけど、どこか統一感が
出ていて、きらきらした空気がただよっていました。

 ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。そして、厖大な
準備と運営を果たした主催者、スタッフの皆様お疲れさまでした。窓
口のYさんが来年もひらきたいと言っていたので、次回もあるかもし
れません。続いていくといいですね。

 終了後は会場近くの居酒屋で打ち上げ。吉岡夫妻はどこまでも明る
く、おもしろい。ひたすらバカ話して今日の疲れがほぐれていく。気
がつくと朝。服を着たまま顔も洗わず寝たらしい。

 今日は体のあちこちが痛い…。本を積み込んでは降ろすのをここ数
日やり続けていたので、体が鎧でも着けているように凝っている。一
昨日は仙台の古書市場で30数箱売り、その日の売り高のトップになっ
た。たまたまなんですが。市場には一人で行くので、いつもかなりの
肉体労働です。
 しばらく外出の予定はなく店番するつもりです。今日は静かな日曜
日だったので棚を見直して、しばらく売れ残っていた本を抜いて、新
入荷の本と入れ替えました。まずは店を充実すること。そしてネット
からの注文にも助けられています。ネットでしか売れない、という本
もあります。この2本柱でも火星の庭を持続するのはむずかしい。だ
から本を持って出かけて売ることもやっていきます。10月と12月に
関西方面の古本市のお誘いをいただいています。なるべく古本と馴染
みのなかった場所へ行って、古本の新しい種を蒔けたら。何とも言え
ない喜びがあります。そんな感じで火星の庭をやっていこうと思った
今日でした。

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 ちょっと時間をさかのぼりまして。
 23日(水)は、「加藤哲夫さんの還暦突入を肴に集まる会」に参加。
なんとステージで哲夫さんとトークをしました。
 ご存知の通り、加藤哲夫さんは、せんだい・みやぎNPOの代表理事
で、2年前から火星の庭でトーク・シリーズ『加藤哲夫のブックトーク
〜てっちゃん今なに読んでるの?〜』
をやらせていただいていますが、
もともとの出会いは1992年、哲夫さんが経営していた「ぐりん・ぴい
す&カタツムリ社」で働かせてほしいと手紙を出したことがはじまり。
そして1997年まで働きました。
 パーティーの10日前にせんだい・みやぎNPOで哲夫さんの名相棒で
ある紅邑(べにむら)晶子さんから「クミちゃん、当日加藤さんとし
ゃべってよ」とお願いされて、紅邑さんの巧みな誘導と「笑いを取れ
るのはクミちゃんしかいない」というおだてに乗って了解してしまう。
また…。
 聞けば私の前に話す方は民主党の参議院議員の岡崎トミ子さん!!
私の次は、[人と組織と地球のための国際研究所]IIHOEの川北秀人さん。
の3人というではないですか。やばい、すご〜くやばそう。
 で、当日。ごく内輪の集まりと言いながら出席者は40名。「てっち
ゃんの部屋」は第一部。一人目の岡崎さんがご登場。哲夫さんと岡崎
さんは80年代前半に岡崎さんがフリーアナウンサーだったころからの
おつき合いということで、当時、岡崎さんが反戦や反原発をラジオで
語っていたのを聞いて、哲夫さんがカタツムリ社の一冊目となる「戦
争と私」を送ったのがきっかけという。
 岡崎さんのお話はさすがというほかなく、音楽のように流暢で、わ
かりやすい。政権党となっての抱負を告げると、哲夫さんがそれを受
けて市民活動からの要望と政策への提言を返す。お互いの立場を理解
した上で妥協なく会話するレベルの高い対談だった。
 ひえ〜〜この後にこの私がぁ、あそこに登場してですよ、何しゃべ
るっつーんですかーー。と冷や汗がでてくる。
    
 第一声で「えー、報道番組からバラエティ番組になります」と言うと、
「まずは『こんにちは』でしょ」と哲夫さんに怒られる。「えー。いく
つになっても怒られる前野久美子です。こんにちは」とご挨拶。私の役
割は、知られざる哲夫さんの素顔を紹介することかな、と解釈して、
哲夫さんの3人の女性アイドル、夏目雅子と山口百恵と山崎ハコの画像
をトーク中にスクリーンに映す。漫画家ますむらひろしのファンクラブ
の支部長もしていたから、猫のヒデヨシも。バックに流れる山崎ハコに
合わせて思わず鼻歌を歌う哲夫さんが見られて、皆さんもよかったので
はないかと。
    
 何を話したかほとんどおぼえてないのですが…最初の方で「お店をや
っていて苦しくてもがんばろうと思えるのは、ぐりん・ぴいすのような
お店で働いたから。支えになっています。これからも私の原点です。」
と言うと、「それは〆の言葉だよ(笑)」と哲夫さんに笑われた記憶が
あるなぁ。だめだなぁ。でも楽しかったなぁ。
 第2部の交流会では、苫米地サトロさんのライブや哲夫さんの仕事の
パートナー達によるプレゼント授与があって、名取市の農家の三浦君が
差し入れしてくれた枝豆と仙台長なす漬け、すごく珍しい日本酒とシリ
アルナンバー入りの高級ワインをむしゃむしゃがぶがぶ。
 あたたかい心がこもったいい会でした。ずーっとにこにこ笑っていた
哲夫さんが印象的でした。歳をかさねることを祝えるというのはいいも
のだなー。お誕生会は歳をとってからこそやるものだと思いました。
 あーー!昭ちゃん団子と甘座のシュークリームをしょっちゅう買いに
行かされたことも話すんだった。2次会の誘惑を涙ながらにふりきって、
市場と泉マルシェの準備のため千鳥足で帰る。
 哲夫さん、60歳ほんとうにおめでとうございます。
 これからもどうぞ見捨てないでください!


火星の庭社会科シリーズ第2回をひらきました。 2009.9.22  

 先週9月18日の夜、『火星の庭 社会科シリーズ』第2回 〜わたしの
経済とせかいの経済のこれから/お話:川端純四郎〜
を開きました。

 
 
 大型連休の前夜にもかかわらず、参加者が20名。川端先生の話にひき
こまれあっという間の90分でした。「経済」なんていうと、大げさで小
難しいイメージですが、私たちが手にするお金がどう巡っているのかと
いうこと。なぜ均等にならず、偏るのかということも含めて。自分一人
だったら手がつけられない分野ですが、川端先生という素晴らしいナビ
ゲーターのおかげで、モヤモヤしたイメージのお金についてすっきりさ
っぱり。35年間大学の教壇に立たれていた経験もさることながら、先生
のユーモアと、やさしいお人柄も感じました。川端先生、今回も貴重な
お話をありがとうございました。
   

               ◆

 川端先生の話を聞くと、あたり前かもしれないけど経済って文学や美
術や音楽や映画や漫画や絵本や手工芸や人がするざまざまな表現とくっ
ついているんだな、と思う。私が好きな本に経済の話は出てこないけれ
ど、経済のことを知るとより深く本の世界が理解できるような気がする。
本の世界って人間の世界だから、人間の世界だけにお金があるから。経
済も世界中の人が共同でつくる作品といえるのかもしれない。人を喜ば
せたり、不快にさせたり、出来不出来がある。それを見るとその時代の
人間がわかる。だから火星の庭で経済の話をするのは「夜の文学散歩」
や「少女漫画喫茶」ともつながっています。

               ◆

 どんな話だったか、簡潔にまとめるのは難しいのですが…。クドくな
らないようにします。
 まず「100年に一度の経済危機と言うが、とんでもない。戦後の貧し
さにくらべたら今だって格段の豊かさです。」という話からはじまった。
昭和の戦争のときや、世界中から見たらまだまだ豊かな日本なのですが、
生活の不安は増すばかり。今の不況の根源がどこから来たのか。ベトナ
ム戦争があった40年前までさかのぼりました。
 企業利益と労働者給与と株主配当のアンバランス、日本の対外国別の
輸出入の推移(アメリカからアジアへ)、アメリカ国債の国別購入比な
ど、しかるべきグラフや数字(でもマスコミではほとんど流れない情報)
で示してくれるので、すっと頭に入ってきます。川端先生は終止「ねぇ、
経済っておもしろいでしょ」と穏やか。
   

               ◆

 ちょうど橋本治『大不況には本を読む』(中公新書ラクレ)を読んで
いたところだったのですが、橋本治と川端先生の言葉に共通点がいくつ
もあり驚いた。「これから経済はどうなるんだろう=教えてもらう」で
はなく、「これからの経済をどうしていくのか=考える」ことが迫られ
ている。「出版は不況に強いと言われてきた。不況のときは本を読み、
立ち止まって考えるのにぴったりだから。なのに出版も不況。それじゃ
黙っていられない」と橋本治。
 川端先生はいつもいらっしゃるとまっさき本棚をながめる。数秒後、
「あ、これはまだ読んでない」と堀田善衛『バルセローナにて』をお買
い上げいただく。その鮮やかな買いっぷりを見習わなければと思った。
 やっぱり長くなりました。サラリと数行で書ければいいとわかってい
るのですが…。社会科、これからも続けていきます。

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 今週末は泉マルシェです。街のあちこちでポスターを見かけますね。
テレビでもCMが流れているとか。小さなお店が大集合。この規模はい
まだかつてない気がします。ぜひ会場でお会いしましょう。

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 「夜の文学散歩 第一回」は定員になりました。2回目はまだ未定で
す。次回の案内がほしい方は決まり次第お知らせしますので、メール
でご連絡ください。

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 「少女漫画喫茶 飯沢耕太郎トーク&Pipoo with ウサリンlive」は
絶賛ご予約受付中!

 *飯沢耕太郎トーク&Pippo with ウサリン ライブ 
  2009年10月17日(土) 開場18:30 開演19:00〜21:00
  場所book cafe 火星の庭 入場料2000円
  part1:飯沢耕太郎トーク「ぼくが好きな少女まんが」
  part2:文系ファンタジック・ライブ 「 Pippo with ウサリン」
  ※要予約。メールかお電話で受付中。
   メールアドレス kasei@cafe.email.ne.jp
   電話 022-716-5335
  ☆ご来場の際、お好きな少女漫画を1冊お持ち下さい。

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 11月後半にあらたに決まったびっくり企画。
なんとあの人が火星の庭の一日店長に!!詳細は来月はじめここで。

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 近所の錦町公園では「ドイツビール祭り」が10日間開催中。本場の樽
の生ビールが飲めるとあって、連日わいわい大賑わい。店の前の歩道を
ほろ酔い人が通り過ぎる。もちろん素通り。とほほ〜。
 2週間無休営業の折り返し地点。急がず、弛まずやってまいります。


連休中、「文壇高円寺古書部」が30%OFFセール 2009.9.17  

 7月に始まった河北新報夕刊での荻原魚雷さんの連載は、今週月曜が
最終回でした。最後は駅前朝市と一番町の横丁について。地元の人もき
ゅんとくる、味わい深い内容でした。住み慣れた街を旅人の魚雷さんの
眼で観るのが毎回新鮮でした。菅原克己やガロの長井勝一さんなど取り
上げなかった人もいるので、いつかまた再開してほしいです。

 この河北新報のエッセイの取材で七ヶ宿を訪れたときのことが、現在
発売中の「りらく 9月号」に漫画家の小松里佳さんが描いてくれました。
「お山ののんびりマンガ」(連載漫画。今回は第46回)です。
魚雷さんそっくり!そしてメモ取ってなかったのに、小松さんの再現力
にびっくり。見たまま記憶できてしまう特殊な体質とのこと。
 
 雑誌「りらく」9月号 税込500円  書店・コンビニで好評発売中

 その魚雷さんから朗報が。今週からはじまる大型連休中、魚雷さんの
コーナー「文壇高円寺古書部」の古本がすべて30%OFFになります!!
それでなくても絶版文庫が200円、300円と安いのにさらに3割引とは。
私がほしい(笑)。どうぞこの機会に買いだめしてください。

 <『文壇高円寺古書部 in 火星の庭』開設1周年セール>
 *9/19(土)〜9/23(水) 
 期間中、文庫、単行本、雑誌、約200冊すべて3割引です。

 「夜の文学散歩」第一回には魚雷さんんも参加予定。ますますおもし
ろくなりそうです。ご予約受付はあと3名ほど。お待ちしてますよー。


「1970〜80’s 少女漫画喫茶」 2009.9.16  

この秋の火星の庭、お祭りつづきです。ついに登場、少女漫画企画。
思いっきり漫画に浸りたいと思います。アナザーワールドへようこそ!


「1970〜80’s 少女漫画喫茶」

 

飯沢耕太郎さんの最新刊
『戦後民主主義と少女漫画 〜大島弓子、萩尾望都、岡崎京子を読む〜』
(2009年6月刊/PHP新書)をガイドに、
火星の庭で期間限定の少女漫画喫茶をひらきます。

期間/2009年10月15日(木)〜10月26(月)

場所/book cafe 火星の庭
   仙台市青葉区本町1-14-30-1F tel 022-716-5335 
   OPEN/11:00〜20:00(日祝は19:00まで) 
   定休日/毎週火曜・水曜

内容/
*少女漫画喫茶:
  飯沢耕太郎さん所蔵のなつかしの少女漫画を展示。
  カフェで自由に読書できます。

*少年少女漫画SALE:
  火星の庭がこの数年で集めた70年代〜80年代少年少女漫画コーナ
  ーが登場。懐かしのマンガ、マニアな漫画を古本屋ならではのセレ
  クトで販売いたします。

*飯沢耕太郎トーク&Pippo with ウサリン ライブ 
  2009年10月17日(土) 開場18:30 開演19:00〜21:00
  場所book cafe 火星の庭 入場料2000円
  part1:飯沢耕太郎トーク「ぼくが好きな少女まんが」
  part2:文系ファンタジック・ライブ 「 Pippo with ウサリン」
  ※要予約。メールかお電話で受付中。
   メールアドレス kasei@cafe.email.ne.jp
   電話 022-716-5335
  ☆ご来場の際、お好きな少女漫画を1冊お持ち下さい。

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飯沢耕太郎/
1954年宮城県生まれ。写真評論家。『写真美術館へようこそ』(講
談社現代新書)、『増補 戦後写真史ノート』(岩波現代文庫)など著
書多数。最近は『世界のキノコ切手』(プチグラパブリッシング)、
『きのこ文学大全』(平凡社新書)を刊行するなど、きのこへの傾倒も
著しい。少女漫画は高校生の頃から愛読。飯沢さんの新たなジャンルで
もある。
   

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Pippo with ウサリン/
文系 Fantasic singer ピッポ。思潮社勤務を経て、2008年より音楽
活動開始。現在、古書店勤務をしながらライブや「わめぞ」の古本イベ
ントにて活躍中。
ギターも弾けるウサギの‘ウサリン’を従えての「文系 Fantasic Live
ショー」は必見。 近代詩の普及もライフワークのひとつで、ライブで
近代詩人の紹介・詩朗読などもしている。今回のライブでは近代詩の朗
読、飯沢耕太郎作詞「キノクリキノクラ」も披露します。
   

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少女漫画喫茶に寄せて

 記憶の最初の少女漫画は6歳のとき。雑誌「なかよし」で、いがらし
ゆみこ「さなえちゃん」を読んだのが少女まんがとの出会い。3つ上の
姉が買ってきた。昭和50年。そのあとすぐ「キャンディ・キャンディ」
の連載が始まって、発売日は学校帰りに走って買いに行った。家のまわ
りは田んぼと山しかない田舎なので本屋はなく、酒屋さんで定期購読し
ていた。
 「なかよし」「りぼん」「週刊少女フレンド」「別冊少女フレンド」
「週刊マーガレット」「別冊マーガレット」「週刊少女コミック」「別
冊少女コミック」を毎号、姉とお小遣いを出し合って買っていた。とき
には学校に内緒のアルバイトをして全額が本代に消えた。(「花とゆめ」
「ちゃお」「LaLa」「ぶーけ」「ひとみ」は月に一回街の本屋で立読み)
二人の部屋にはコミックだけでたぶん2000冊はあったと思う。高校生
の時、ある事情ですべて処分してしまい、今あれがあったらとときどき
思う。まさか古本屋になるとは思ってなかった。
 昨年、飯沢耕太郎さんが火星の庭に来たとき、少女漫画について本を
書いているというので、しばし少女漫画談議になった。忘れていた少女
漫画家たちの名前がポロポロ出てきてなつかしかった。『戦後民主主義
と少女漫画』にはそのとき飯沢さんに教えた作家もおさめられている。
清原なつのはぜったい外してほしくなかったからつよく推してしまった。
逆に私が読んで来なかった作家も載っていて、15歳上で男性の飯沢さん
と読み方の違いをくらべながら読むのがおもしろかった。
 女性だけでなく、だれの心のなかにも「少女」はいるのだと思う。今
の少女漫画がどう読まれているか知らないけど、少女漫画が輝いていた
時代を再現できたらいいな〜。あなたのNO.1少女漫画は何ですか?

                book cafe 火星の庭  前野久美子


「夜の文学散歩」はじまります 2009.9.14  

 火星の庭で、新しい試みを始めさせていただけることになりました。
題して「夜の文学散歩」。
   
仙台在住の作家・佐伯一麦さんを案内役に、
毎回一つの作品を読み解き、作者のつくりだす世界を味わいます。
文学を読む愉しみから、創作への入り口まで、
寄り道をしながらさまざまな文学を散歩してみませんか。
お酒とおつまみのあるテーブルを佐伯さんと囲んで、
自由な雰囲気で文学を語り合える場です。
小説が好きな方ならどなたでもご参加いただけます。

               ◆

「夜の文学散歩」第一回
  2009年10月4日(日)19:00〜21:30
  案内人:佐伯一麦さん(小説家)
  今回の課題図書:『バベットの晩餐会』(ちくま文庫)
           イサク・ディーネセン 桝田啓介/訳
  場所:book cafe 火星の庭
  参加費:3000円(ドリンク+軽食含む)
  定員:10名(お申し込み受付順)
  申込み方法:要事前申込み。電話かメールでお願いします。
        メールアドレス kasei@cafe.email.ne.jp
        電話 022-716-5335

 *当日までに課題図書を読んでからご参加いただくようになります。

               ◆

      ☆ 課題図書 紹介 『バベットの晩餐会』☆
       
デンマークの作家ディーネセン作。<芸術家が次善のもので喝采を受け
るのは恐ろしいことなのです>という主人公の科白に、芸術とはかくあ
るもの、と再読するたびに共感させられる。同名の映画も、深い余韻の
残る佳品。
                     -佐伯一麦さんより-

               ◆

 告知してすぐお申し込みをいただいております。
参加ご希望の方は、どうぞお早めにお申し込みください。

※追記 
その後、第1回は、定員に達しました。ありがとうございました。
今後第2回以降も行っていく予定です。
(第2回以降の期日は未定。決まり次第このHPでお知らせします。)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

*なお、火星の庭では9月下旬から、佐伯さんおすすめの本を展示販売
  するコーナー「小さな本棚」が登場します。どうぞお楽しみに!


「美代子阿佐ヶ谷気分」セントラルホールにて上映 & ミニ古本市 2009.9.9  

 映画館セントラルホールの支配人が「美代子阿佐ヶ谷気分」のチラシ
とポスターを持ってきてくれました。
     
 チラシはカラーB4二つ折りの立派なもの。
音楽にMaher Shalal Hash Baz、Tenniscoatsのクレジットが。

 支配人に「美代子…」公開中に、館内でガロ周辺の古本を売りません
か?と言われる。段ボール4、5箱ならできそうなので、やらせていただ
くことにした。映画館で古本市なんてうれしい。
 セントラルホールは地元資本唯一の映画館になった。少し前に行った
ときに支配人からあまり景気のよくない話を聞いていた。 やめないで
ほしいなと勝手に思っていたけど、今後は支配人が経営者となって継続
することに決めたという。英断です。
 セントラルホールのある中央通りアーケードは火星の庭周辺とはケタ
違いの高い家賃。携帯電話屋とドラッグストアが立ち並んでいる。2年
前に本屋は一軒もなくなった。

 「美代子阿佐ヶ谷気分」公開は10/3から。
 ちょうど火星の庭の棚に原作の『美代子阿佐ヶ谷気分』(青林堂)が
あったので、一足先に飾っていただこうと渡しました。

              ★

「美代子阿佐ヶ谷気分」(2009年)
 原作:安部慎一 監督:坪田義史
作品解説(チラシより):70年代初頭。漫画家・安部慎一と恋人の美代
子は東京・阿佐ヶ谷で同棲生活を送っていた。彼女をモデルとして月刊
漫画ガロに発表した『美代子阿佐ヶ谷気分』は、彼らの一番美しい青春
の季節を見事に切り取っただけでなく、当時の若者たちを取り巻く時代
の空気感をも掬い取り、彼の代表作となる。待望の映画化。

10月3日(土)より桜井薬局セントラルホールにて上映
上映時間:16:00 17:40 19:20
 
              ★

       「美代子阿佐ヶ谷気分」ミニ古本市
           10/3〜10/17
      桜井薬局セントラルホールロビーにて

 映画「美代子阿佐ヶ谷気分」の公開に合わせて館内で火星の庭が
「ガロ」周辺の漫画、小説、美術、映画の本を集めてミニ古本市を開き
ます。どうぞ「美代子阿佐ヶ谷気分」と古本市ともにお楽しみください。

              ★

      桜井薬局セントラルホール webサイト
       http://www.sakura-centralhall.jp/


              ★

      映画「美代子阿佐ヶ谷気分」公式サイト
       http://www.miyoko-asagaya.com/



「街を本と歩こう」終了いたしました 2009.9.8  

5日間にわたり行ってきましたBook! Book! Sendai「街を本と歩こう」
おかげさまで大変好評いただき、本日終了いたしました!
ありがとうございました!


     
          ★CLICK★
    Book! Book! Sendai「街を本と歩こう」


  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


    

    【風の時編集部】さんの公式ブログ内での
    「街を本と歩こう」ご報告記事はこちら!
     ★初日=9/4  ★中日=9/6  ★最終日=9/8


「街を本と歩こう」は火曜日17時まで 2009.9.6  

 初日の売上げがよかったので、買い物客でごったがえす週末はどうな
るのだろうかと期待して(捕らぬ狸の皮算用)夕方に会場へ行くと昨日
の半分以下。とほほ。テレビ効果で来場者は300人以上あったらしいが、
古本を買う人はそれほどでもなかったとか。そう期待通りにはいきませ
ん。
 昨日はジュンちゃんとレジ番。またコーラ飲んでる…。お茶か果汁100
%にしなさい、と偽ママは言う。娘を持参(?)したのだが、助っ人に
来てくれたKさんがずっと相手をしてくれて助かった。いないと思った
ら、階下の雑貨屋さんで(売りものの)トランプ遊び(ババ抜き)をし
ていた…。帰り際「遊んでばかりで全然手伝わないですみません」と言
うのだが、いえいえ立派に託児をしていただき、ありがとうございまし
た。
 今日の日曜日もぼちぼち。土曜日より本が売れたので、口コミで広ま
っているのかも。初日から毎日来てくれているお客様もいて、ありがた
いことです。本を買われる8割が女性というのも古本市ではめずらしい
かも。かと言って、女子っぽい本だけ売れているというわけではないの
です。本に性別なし!?
  
              写真:
              Book! Book! Sendai メディア班
              佐藤正実さん(『風の時』)

 「街を本と歩こう」ラスト2日間。街なかのオアシス、どうぞごゆっ
くりお過ごしくださいませ〜。

     
          ★CLICK★
    Book! Book! Sendai「街を本と歩こう」

 
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 来週末は、火星の庭で社会科シリーズがあります。まだ席があります
ので、おもしろくてためになる川端先生(専門は宗教学。パイプオルガ
ン奏者)の話をどうぞ聞きにきて下さい。

     
          ★CLICK★
       火星の庭 社会科シリーズ・2


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 そして再来週にはすごい企画が。
「Izumi Marche」に出店します。http://izumimarche.com/



『 Izumi Marché 2009 』

★日時  2009年9月26日(土) 10:00〜17:00
  (*大雨等の場合 9/27(日))

★会場 ・泉中央駅前ペデストリアンデッキ
    ・区役所前区民広場 ・すいせん通

★運営  Izumi Marche実行委員会
    (みやぎ仙台商工会 内 TEL372-3545・FAX375-7475)

 地下鉄の泉中央駅のセルバ周辺一帯でマルシェをひらくことになり、
お誘いいただいて火星の庭も出店します。セルバは4月にBook! Book!
Sendaiの一箱古本市「BOOK! BOOK! Sendai in 泉セルバ」をさせて
いただいた会場。今回は屋外のペデストリアンデッキいっぱいに100店
が出店する大がかりなものになるそう。駅周辺が全部マルシェで埋まり
ます。出店者も家具、手工芸、雑貨、洋服、アンティーク、レストラン、
カフェ、野菜などなど、仙台の小さなショップや作家が大集合するよう
ですよ。
 ブースが3×3メートルと広いので、「ふきながし」のstockさんと共
同で参加することにしました。6月にでかけたフランス、オランダでの
買いつけ品も並べるそうなので、期待大ですね〜。私も売るより買う方
に走りそう…。いやいや、古本参加は火星の庭だけなので、「手仕事」
「女性エッセイ」「生活雑誌」「絵本」などを中心にいつもより上品に
いきたいと思っていますー。ほほほ〜。←どう見ても品なし。と言って
おいて迎合しないで、ハードなインフィクションとか、カルトな小説と
か写真集もいいかも、と思ったけどやめた。←軟弱者。
 飲食の屋台(クチネッタのフォカッチャ。ベルツのソーセージ!)も
たくさん出るので、お腹もいっぱいになりそうです。秋のお祭り。
 ぜひぜひおいでくださいませ。
 しかしおしゃれマダムの聖地で、古本は受け入れられるのだろうか…。
浮いていたらサミシイから…本好きの皆様ーー、ご来場くださませ〜。


「街を本と歩こう」初日 2009.9.4  

 本日「街を本と歩こう」がスタートしました。展示と映像と古本市の
コラボレーション。開場直前の風景です。

  (写真=B!B!S メディアチーム 佐藤正実さん、大泉浩一さん)

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 私はお昼までレジ番。平日の雨にもかかわらず、お客様がぽつぽつと
ご来場。一安心。ミヤギテレビの取材も飛び込みで入る(19時台のニュ
ースで数分間流れたようです)。外へ出ると大雨。んーー。
 夕方また会場へ。レジの武田さんがにこやか。聞けばお客様がひっき
りなしで、火星の庭の古本も予想以上の売上げ。スリップをみると高め
の本が売れているのでびっくり。古本になじみのない場所で、本が売れ
るのはまた格別のうれしさ。
 明日からの週末もなるべく会場へ行きたいと思います。「風の時」の
掛け軸形写真パネルは必見です。8ミリフィルムにも「うわー、なつか
しい」と足を止める方、多数でした。(8ミリフィルムの映像をビデオ
変換したものをビデオプロジェクターで上映。)
 どうぞ街歩きのついでにお立ち寄りください。お待ちしています。

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 お店はケンが旅から帰ってきて、モデルチェンジ(?)してお待ちし
ています。さらにへなへなになったとも言える。

      
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Book! Book! Sendai「街を本と歩こう」明日から/商店街によばれて… 2009.9.3  

 クラックス4階で明日から、Book! Book! Sendai「街を本と歩こう」
がひらかれます。河北新報夕刊の河北抄でふれていただきました。
 今夜、クラックスのショップ閉店後に搬入。会場には写真展、8ミリ
上映、仙台の出版史を語るミニコーナーと古本市をつくります。仙台の
街のど真ん中で、楽しい本のイベントになることでしょう。火星の庭は
古本を約500冊用意しました。荻原魚雷さんの快諾をえて、文壇高円寺
古書部も出張販売150冊。マゼランさん、風の時さんもレア本を放出す
るもよう。会場はとにかく広いのでのんびりご覧いただけると思います。
 今日はこれからランチが終わったら自宅に戻り最終の値札貼りをして、
搬入です。終了後のビールを楽しみにがんばります。
 5日間のみのイベント。どうぞ足をお運びくださいませ〜〜。

   
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 そしてクラックスのイベントともつながるような経験をしてきました。

 古いおつき合いのOさんからのお誘いで、仙台の中心部で店舗をかま
える地元経営者の集まりに呼ばれて話をしてきました。最初は、そんな
身の程知らずな…、笑い話しかありまへんがな、と躊躇したのですが、
「ふだんの前野さん、そのままでいいから」と言ってくださるし、恥を
かくのは慣れている。失うものもないな(笑)と思い、のこのこ出かけ
ていきました。私のしている店などはビジネスとは言えないような規模
なので、実際、経営とは何なのか、熟練者の方々にお聞きしたいという
下心も抱えて。
 仙台駅東口そばのホテルの一室で、11名が集まり食事と乾杯で和やか
にスタート。ずいぶん長い間続いている会らしく、みなさん気さくで、
楽し気。お一人お一人ご紹介を受けると、アーケードの老舗のご主人だ
ったり、よくお名前を聞く会社名だったりする。
 参加者の方にはすでに『女子の古本屋』(岡崎武志著/筑摩書房)が
回覧されていて、もう話すことありません、って感じなのですが、火星
の庭のことについて、今までやってきたイベントのチラシや新聞の資料
などを見ていただきながら話をする。
 皆さん静かに聞いてくださるのだが、自分のことを話すのってつまん
ないなーと思ってきて、「みなさんは仙台のここ数年の街の変化をどう
感じていらっしゃいますか?」とおそるおそる聞いてしまう。私の聞き
たいことを察してくださって、方々から発言が飛び出し、ここから対話
形式になっていった。けっこう遠慮しないで思ったことをばしばし言っ
てしまった。

 ・仙台の街の戦後すぐの頃の風景。
 ・専門店がひしめき合っていた大町や一番町。
 ・街が変化せざる得なかった理由。
 ・地主の苦労。
 ・江戸時代の流通がつくった仙台人の気質。
 ・東北のなかで浮いている仙台。
 ・ますます加速していく大企業の参入。
 ・そして、これから小さな商店はどうなっていくのか。

 というのをお酒を飲みながら笑いを交えて話し合いました。同意を得
られたり、ときにまったく反対のことを言われたりしながら、目からウ
ロコのようなこともたくさん教えてもらった。そうか。いろいろな事情
があるんだ。皆さん今がいいとは思ってなかった。
 景色が変わると、そこを生きてきた人達でさえあっという間に忘れて
しまう。目の前の景色しか存在しなかったように「今」っていうのは圧
倒的なんだな、と思った。比較ができなければ、「今」がしんどいのか、
マシなのか、客観的に判断できず流されていくだけになる。そしてどん
どん選択肢がなくなっていくのではないか。
 そういえば、最近、歴史と民俗の本ばかり読んでいる。「今」を知る
には「昔」を知らなければと思う。

 「なんだか前野さんの話あんまり聞けなかったね。悪かったね」と言
われたけど、私はすごく楽しくて、いい時間を過ごさせていただきまし
た。「前野さんも会に入ったら?もっと話ができるよ」「いや、もう少
し儲かってからにします(笑)」
 最後、人生始まって以来の大きな大きな花束をいただいて、おじ様達
に見送られて帰ってきました。大通りを横断中、履きなれないハイヒー
ルで見事自転車ごと転びました。イテー。


 
 
 


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