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今年の句会の予定 2006.09.29  

9月の句会が25日(月)にありました。
欠席者もいましたが8人が集まり、ビールや
ワインを飲みながら真剣にかつ楽しく行われました。
    
今回一番人気があった句は、
    
手の平に月を生みたる団子かな  こごみ
   
山肌や色なき風の化粧して    作並
    
の2つがダントツの6票。
私が気に入ったのは、
     
どの席も天の川から降りてくる  渡辺誠一郎
       
という句でした。主宰の渡辺さんは
「選句も創作」と言います。
33句のなかから自分が好きな5句を選ぶのは、
たしかに句を作るくらい難しいです。
個人的に楽しみにしているテリ庵さんの句は、
      
食えないと知るもドングリ噛んでみる
      
いいですねーーー。ふ、と笑いが込みあげてきて。
さて私の句は、
     
秋空へ投げ捨ててみる我がこころ
        
一票でした。でも主宰が選んでくれました。
火星の庭の句会に興味のある方、どなたでも
参加できます。今後の日程は、
       
10月16日(月)
11/20日(月)
12/11日(月)
      
いずれも19時開始です。終了は21時ごろ。
初心者ばかりの会ですので、どうぞ気兼ねなく
ご参加下さいませ。参加方法などくわしくは
お申し込みいただいた際にお知らせします。
メールでも受付けます。
あ、会費は1000円です。(飲み物とおつまみつき)
    
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ドキュメンタリー映画「六ヶ所村ラプソディー」が上映されます 2006.09.27  


いつも元気な友人の理恵ちゃんが深刻な顔でお店にやってきて「このまま世
論が動かなければ、来年からもう三陸のサンマが食べられなくなるかもよ。
それどころか、海岸に行っただけで被曝しちゃう。」という。「被曝」なん
て耳慣れない言葉を疑いながら聞いていくと、青森県・六ヶ所村にある使用
済み核燃料の再処理工場が本格稼働すると、日常的に空中や海に放射能が垂
れ流されるという話しだった。それは風に乗ってこの仙台までやってくる。
すでに試験運転と称して工場は動いており、来年8月から本格稼働すること
が予定されているそうだ。理恵ちゃんは三陸海岸の出身で、放射能が故郷を
直撃することに耐え難い痛みを感じている。思わぬ事実、平淡な日常感覚と
のギャップに、ああーー、と無力感に陥りそうになるのだが、目の前で
理恵ちゃんや長年パレスチナ問題に取り組んでいる皆川万葉(パレスチナ・
オリーブ代表)さんが「なんとかしなければ」と必死になっているのを見て、
日々寸分の余裕のない私にできることはと、頭をぐるぐるしてきた。火星の
庭をやっていけるのも暮しの平穏があればこそだから、ここでお伝えするこ
とにしました。
不思議なことに六ヶ所村の再処理工場のことは、事の重大さにかかわらずニ
ュースでほとんど取り上げられることがない。それは様々な利害が複雑にか
らまっていて、とくにマスコミは電力会社の資本と関係が深く、真実は報道
できなくなっている。籠のなかの鳥だ。
でもまったく情報がないわけではない。日本の草の根市民活動の貴重な情報
誌「人間家族」(スタジオリーフ)では六ヶ所村がもう一つのグランドゼロ
になると書いている。最新号の「クイック・ジャパン /太田出版(サブカル
系の月刊雑誌)」では、六ヶ所村のことを大きく取り上げ、ミュージシャン
の大貫妙子さんの長文インタビューを掲載、まともな人間の感覚と当り前の
言葉で、放射能をまき散らすことにNOと言っている。坂本龍一さんも各所で
再処理工場を稼働させないよう訴えている。今年はチェルノブイリ原発事故
から20年の年。莫大なお金を使って想像を絶する危険をともなう原子力計
画なんて、世界的にはほとんどの国がやめる方向でいるのに。日本では薄気
味悪い変な話が、無思考、無批判、無公表のまま進められているのを感じま
す。
      
       
政治も経済もわからない私が、古本屋だてらに不相応なことを書いていると
思いながらここでお伝えしたいことは、ドキュメンタリー映画「六ヶ所村ラ
プソディー」のことです(ようやく本題です)。映像の随所にあらわれる六
ヶ所村の自然は美しい。鎌仲ひとみ監督は、村で生きる人達にゆっくりと近
づいていく。テレビ番組が日常行っているようなあらかじめ回答を用意した
り、要約したり、断片だけを見せたりしない。「ドキュメンタリーの力」
(寺子屋新書/2005年発行)のなかで監督は「消費される映像ではなく、思
考を促す映像としてドキュメンタリーは価値があるはずだ。」と書いている。
反対する人賛成する人、どちらにも公平に接している監督の態度は信頼でき
る気がする。
             
火星の庭でもチケットを扱っています。
上映情報とスタッフの万葉ちゃんの言葉を引用させていただきます。
        
         
数年前、核燃に頼らない暮らしを実現するために、青森県六ヶ所村でチュー
リップを育てている人がいることを聞きました。反対するだけでなく、別の
仕事・暮らしをつくっていく…おもしろいと思いました。そして、ドキュメ
ンタリー映画『ヒバクシャ』の鎌仲監督が六ヶ所村の人々の暮らしを撮り始
めたと聞いて、ぜひ見たいと楽しみにしていました。一方、とうとう、使用
済み核燃料の再処理工場が今年の3月に試験稼働し始めました。事故がなく
ても原発1基が1年に出す放射能をたった1日で出す、三陸の海も放射能汚
染され、いずれは海産物に影響が出てくるなど、にわかには信じられないこ
とが友人・知人を通じて聞こえてきました。仙台でもアイリーン・美緒子・
スミスさん(グリーン・アクション代表)や、水口憲哉さん(海洋学者)の
講演会が開かれ、危機感が高まってきました。私たちはそれまで、どこかで
再処理工場のことを聞いて大変だと思いながら、なんとなく遠くの問題だと
感じていました。それが急に私たち自身の暮らしにかかわっていたことに気
がつきました。まず、この問題をみんなに知らせたい、という想いでそれぞ
れが動き出しました。そして、エネルギー政策の矛盾に気がつき、暮らしを
考え直すきっかけにもなりました。自然エネルギーよりも発電コストがかか
るのに、電気料金や税金、郵便貯金(財政投融資)から核燃サイクル事業に巨
額の資金がつぎ込まれているのです。
『六ヶ所村ラプソディー』は問題告発映画ではありません。いろいろな立場
の人々の暮らしを描いています。ドキメンタリー映画を通じて、マスコミが
伝えない再処理工場の現実や人々の暮らしを知ことから、何ができるか一緒
に考えたいと思っています。
(みやぎヒューマンドキュメンタリーを観る会 皆川万葉)
             
ドキュメンタリー映画
『六ヶ所村ラプソディー』上映&監督講演会
http://www.rokkasho-rhapsody.com/
          
日時:2006年10月1日(日)
13:00〜1回目/15:15〜監督講演と質疑応答/16:30〜2回目
(講演はどちらの上映をご覧になる方もご参加いただけます。
 2回目終了後に質疑応答があります)
会場:せんだいメディアテーク7Fスタジオシアター
http://www.smt.jp/
チケット:前売1000円/当日1300円
高校生以下前売500円/当日700円
プレイガイド:141・藤崎・book cafe火星の庭・
       せんだいメディアテーク1F ナディッフ・ビス
託児:定員各回10名、1人400円(講演時間も含みます)
対象:1歳半〜 締切:9月28日(木)
        
【主催・問い合わせ】みやぎヒューマンドキュメンタリーを観る会
(070-6954-3156 himar@kxe.biglobe.ne.jp 皆川)
【協力】三陸・宮城の海を放射能から守る仙台の会
http://www009.upp.so-net.ne.jp/wakame/
        
       
※「みやぎヒューマンドキュメンタリーを観る会」は、体制にコントロール
されない市民主体のメディアとしてのドキュメンタリー映画を上映しようと
つくったグループです。今年1月21日には、旧日本軍が遺棄した化学兵器
(毒ガス)や砲弾に今なお傷つく中国の人々の苦悩を描いた、海南友子監督
の『にがい涙の大地から』を上映しました。今後も、年1〜2回の上映を考
えています。
    
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台風の日 2006.09.18  

朝外を見ると雨が縦に降っていたので、今日一日止まないだろうと観念して
車で出かけた。日曜日は平日と違う保育園に娘を預けているので、週に一回
だけの登園。みなさん日曜日も休めない仕事のご家庭。
店へ行くとお客様が2組。台風のなかいらしていただいて、ひそかに感激す
る。大きい荷物を持った男性がいらっしゃる。見覚えが…と思い出している
と、ケンが「飯沢耕太郎さんでしょ」と言う。そうでした。数年前に知人の
写真家と一緒に来店されたのだった。ご挨拶すると、今回は写真コンクール
の審査員で仙台にいらしていたそうだ。飯沢さんはご実家が仙台にある。飯
沢さんの先輩やら後輩も周囲に多い。ケンは後輩。個展のカードをいただい
た。10/23〜10/28銀座の巷房(こうぼう)というギャラリーで開
かれる。近々、荒木経惟の全著作(300冊以上)を解説した本を出される
そう。あれこれ企画の提案をしていただき小躍りする。実現できればおもし
ろいなぁ。
街ではいろいろなイベントが開かれていたらしく、その帰り道に寄ってくれ
たお客様がけっこういて、台風の日はぱたぱた過ぎていきました。
       
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グラマラス・エリアの逸品たち 2006.09.18  

グラマラス・エリア(http://glamorousarea.easter.ne.jp/)は澁澤龍彦や
金子國義、四谷シモンなどがお好きな方には夢のお城のようなところ。広瀬
通りとクリスロードの中間に建つ角川ビルの3階にあるお店に入ると球体関
節人形や、幻想的な絵画が迎えてくれます。現在活躍中の若手作家の作品を
中心に集められています。書籍コーナー(新刊書)も充実しています。私の
最近のお目当ては、すべて手作業で作られたアクセサリーのコーナー。普段
ほとんどアクセサリーを身につけない私ですが、グラマラス・エリアに行く
と年齢も着ているものも忘れて買ってしまいます。昨日買ったのがこちら。
       

         
2人の作家によるもの。薔薇や小鳥のパーツもひとつづつ手作りしているそ
うです。とても時間と手間がかかっているのがわかります。こういうものに
弱いのです。買い物の後、しばし店主の人形貴族さんとおしゃべり。人形貴
族さんはこのお城にふさわしい美しい方です。甘い香りのする紅茶をいただ
きながら、優雅に作品のお話を。というはずが、気がつけば店鋪経営の話。
世代も一緒でお互いに個人商店ですので悩みも共通です。気さくでまっすぐ
な人形貴族さんの人柄にひかれて、ついつい余計なことまで話してしまった
ような…。また行きますねー。
       
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早稲田古書街地図帖「古本共和国」が 2006.09.16  

届きました。地図(イラストは浅生ハルミンさん)を見ると早稲田通りを中
心に36店が軒をつらねています。オドロキです。こんなにあるんですね古本
屋、早稲田には。B6サイズで12Pの冊子というのがまたすごい。作家・堀江
敏幸さんが早稲田大学受験の頃を回想した小説のようなエッセイのような文
章を4ページ寄せています。変わらずにある景色を見ることで、かつての自
分に会えたりするのだなぁ。読み終わると早稲田という街そのものに愛着を
感じている。こんど上京したら一日早稲田をぶらぶらしよう。
                

           
この「古本共和国」を古書現世の向井さんより100部送っていただきました。
東京以北では今のところ火星の庭でのみ配付のようです。
(配付できるスポットがありましたら古書現世さんへご連絡を)
先着ですので、欲しい方はお早めにどうぞ。無料です。
         
         
色麻町の農家の和田さんが「かぼちゃができたからチーズケーキに使って。」
とつやつやした大きなかぼちゃを持って来てくれました。「5個予約ね」と
付け加えて。かぼちゃは当たりはずれが多いから、パンプキンチーズケーキ
は和田さんのかぼちゃが入荷したときだけ作ります。メニューに貼ったとた
んご注文が入り、お会計の時に「おいしかったです!」と言われました。お
いしさは素材のせいです。中沢(乳製品のメーカー)のクリームチーズにサ
ワークリーム、生クリーム、和田さんの有精卵、かぼちゃのピューレ、粗製
糖、低温殺菌牛乳、のみで添加物は使いません。卵の凝固力だけなのでなか
なか焼き固まらずじーーーーっくり焼きます。かぼちゃがあと3個あるので、
今月中はお出しできそうです。
       

         
かぼちゃファンはぜひお召し上がりください。でもですね、いっぱい作れま
せんので売り切れの際はご了承下さい。
  
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3日間1050km走破 2006.09.08  

ごぶさたしております。
今週は毎月恒例の水戸の市場へ参戦してまいりました。昨夜仙台に戻りいつ
もより疲労度が高いので、ちらりと計算をしてみると3日間で1050km車で走っ
ていました。長距離フェリーから降りた後のように、今も揺れているようで
す。ふと「こんな強行軍、いつまでできるだろうか」と考えてしまいます。
先輩同業者に「来月の新潟の大市は来るの?」と聞かれ、新潟…、しかも水
戸の次の週に……。でも戦利品の絵本の束や山村暮鳥詩集(初版)などを見
ると、「もちろん行きますとも」と答えてしまう。
         
今日は朝から買取りへ。定年を過ぎたもと教師の方で、学生時代から一度も
蔵書を処分したことがないらしい。自宅の別棟に書庫があった。驚くのが、
全ての本を図書カードに記してあること。文芸のめずらしいものも少なくな
い。すべて新刊で買われたのだと言う。今回はそのなかのごく一部。プラト
ン全集、シェイクスピア全集、ギリシャ悲劇全集、芥川龍之介全集……。
むむーー、なかなか手強いラインナップだ。「当時は読まなければならない
と思って買いました。」とおだやかにおっしゃる。値段を言うときに少し切
なくなった。どんな金額だってこの本に宿った想いにかなわない。
           
昼前に火星の庭へ戻り、ランチの準備。いつも木曜日にいらっしゃるKさん
ご来店。宮城教育大学のS先生も見える。ランチ時間にてんてこ舞いという
ことは少なく、ほどほどにお客様が来て、1時になったので店を出る。向い
のファミリーレストランのガストが9/10で閉店の貼り紙をしていた。ファミ
レスが見切りをつける通りでやっているのか、火星の庭は。
        
来年の蔵書票展の打ち合わせ場所へ。具体的になってくると、その準備のた
いへんさに目眩をおぼえる。でも仙台蔵書票愛好会のメンバーがたのもしい
人ばかりなので、だいじょうぶでしょう。帰りの車のなかで今朝の買い取り
で中島敦全集があったことを言うと「それ、ずっと欲しかった!」とTさん。
車に積んであった買い取り品を見せる。どこでどうなるか、わからないなぁ。
        
今週末はフレデリックパントリーさんのサンク、マルシェです。
ご来場お待ちしています。
  
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