【開催前の告知】
 

 【 アートノードTALK・Book! Book! Sendai 10th 】

  アートノードTALK  
   翻訳家・柴田元幸の朗読&レッスン『言葉の中へ』
      のお知らせです!


  

    ★クリックで詳細を表示します★


  アートノードTALK
  翻訳家・柴田元幸の朗読&レッスン
  『言葉の中へ』

  【日時】
  2018年3月23日(金)開場は各15分前
  第一部「翻訳教室〜英語と日本語のあいだに〜」18:00〜19:30
  定員:15名さま

  第二部「朗読会〜生身の声に耳を澄まして〜」20:00〜21:30
  定員:40名さま

  【場所】book cafe 火星の庭  

  【料金】一部2700円 / 二部2000円 1ドリンク別
      * 一部と二部の両方参加の方は500円引き


  【お申込み方法(メールのみでの受付です)】

   ご氏名
   ご参加を希望する時間帯をお選びください。
   一部「翻訳教室」、二部「朗読会」、一部&二部「翻訳教室と朗読会」
   お電話番号
   人数
   を、下記予約先までメールでお知らせください。
         *翻訳教室のテキストはお申込み後にお送りいたします。

  【予約先】book cafe 火星の庭 
       kasei★cafe.email.ne.jp(★を@に変えて)




  ポール・オースター、レベッカ・ブラウン、スティーヴン・ミルハウザーなど、
  現代アメリカ文学を数多く翻訳し、私たちに紹介してくれている翻訳家の柴田元幸さん。

  柴田さんの翻訳を読んで、これまでの翻訳作品とはどこか違うなぁと感じた人も
  多いのではないでしょうか。
  その理由はおそらく、柴田さんが英語を日本語にただ移し替えているのではなく、
  英語の中に入って翻訳しているからではないかと思います。さて、英語の中に入るとは。

  今回、柴田さんには「翻訳教室」と「朗読会」を行って頂きます。

  この2つのイベント、
  “翻訳”をとおして、世界と自分の両方を豊かに更新するきっかけになればと思っています。


  【イベント紹介】

  第一部『翻訳教室』は、柴田さんの著書『翻訳教室』(朝日文庫)と同じように、
  参加者があらかじめ提出した翻訳に基づいて行なうワークショップです。

  課題として原文テクストを出すので、締め切りまでに翻訳して提出してください。
  提出者全員の訳文を柴田さんが添削して返します。
  当日は提出された訳文を元に、原文のニュアンスや文体を考えながら、
  単語一つ一つを取りあげてどう訳すべきか、
  参加者全員でディスカッションしていきます。
  課題の提出は必須ではなく、ディスカッションのみの参加も可能です。


  第ニ部『朗読会』は、文芸誌『MONKEY』を主に取りあげます。
  語られる生身の声に耳を澄ます時、
  その作品がいつどこで書かれたかは関係なくなり、今の物語になります。
  柴田さんの朗読はまるで音楽のようで、
  それはおそらく柴田さんが文章を聴くものとして捉えているから。
  作家の息づかいやリズムに耳を澄まして翻訳されているからこそ、
  それを声にした時、意味を超えた何かが響いてくる。
  物語とはどういうものか、あらためてご体感ください。



  【柴田元幸さんプロフィール】

  翻訳家、東京大学文学部名誉教授。
  ポール・オースター、レベッカ・ブラウン、スティーヴン・ミルハウザー、
  スチュアート・ダイベック、スティーヴ・エリクソンなど、現代アメリカ文学を
  数多く翻訳。2010年、トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』(新潮社)
  で日本翻訳文化賞を受賞。
  最近の翻訳に、ジャック・ロンドン『犬物語』(スイッチ・パブリッシング)や
  レアード・ハント『ネバーホーム』(朝日新聞出版)、
  マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』(研究社)など
  編訳書に、レアード・ハント『英文創作教室 Writing Your Own Stories』(研究社)
  などがある。
  文芸誌『MONKEY』、および英語文芸誌 Monkey Business 責任編集。
  2017年、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。


  【企画運営】
  Book! Book! Sendai  http://bookbooksendai.com

  【主催】
  せんだいメディアテーク  http://www.smt.jp

  【協力】
  ignition gallery  http://ignitiongallery.tumblr.com

    ◇     ◇     ◇

  Book! Book! Sendaiは、
  2008年に活動を開始して今年で丸10年になります。
  この2年は大きなイベントは行なわず、
  宮城に新しくできた本のある場所を訪ねて話を聞き、
  その内容をブログに載せて紹介することを主な活動にしてきました。
  今年は記念の年でもあるし、
  久しぶりに街へ出てイベントをいくつか行うことにしました。

  その第一弾が柴田元幸さんの朗読&翻訳レッスンです。
  たまたま柴田さんのイベントプロデュースをされているignition galleryの
  熊谷さんから、柴田さんの朗読会を火星の庭でひらきませんかとお誘い
  いただき、それならばBook! Book! Sendaiの企画として
  アートノードと連携して開催したいと思いました。
  その後話はトントンと進み、ようやく皆さんにお知らせができます。
  熊谷さんのお話では、
  柴田さんがマイクなしでも声が届くくらいの小さいスペースがご希望と
  いうことで、狭い会場で申し訳ないですが、
  ご参加希望の方はどうぞお早めにお申し込みください。
  朗読、レッスンともに仙台ではなかなか体験できないこの機会、
  どうぞお待ちしております。



  【終了後のご報告】

  「翻訳家・柴田元幸の朗読&レッスン『言葉の中へ』」(3.23 開催)

  

  春分が過ぎた金曜の夜に、柴田元幸さんの翻訳レクチャーと
  トーク&朗読会が二部構成でひらかれました。
  今日はそのレポートをお送りします。

  一部の翻訳レクチャーでは、まず参加者が提出した課題文の訳に対して、
  柴田さんが添削をしたものが返されました。
  課題文は、数行から10行くらいの短い英文が四編です。

  講義では原文をスクリーンに映して柴田さんがライブで
  訳していきました。これって翻訳ライブ!
  「翻訳に正解はない」と柴田さん。
  意味や文法だけでなく、語順、全体のリズム、
  文の長短から作者の意図を読み取ることが大切と、
  映画のカメラの動きを比喩にして強調されていました。
  訳者自身の文体が出てはいけないということもおっしゃっていました。
  創作者とはまた違う翻訳者という存在が明らかになっていくようでした。

  

  続いて会場の配置換えをして朗読会が始まりました。
  40名以上の観客にマイクなし(第一部の感触を踏まえ、会場設営タイム中に決定)
  での朗読とトーク。
  皆さん一言も聞き漏らすまいと耳を澄まし、
  柴田さんの深く凛とした生の声がよく響きました。

  柴田さんが語り出すと、見えないのに、別世界が目の前に
  現れる不思議な感覚が生まれ、魔法のようでした。

  

  トークでは責任編集をされている文芸誌『 MONKEY』を中心に、
  編集についてや作家との交流など制作現場の貴重なお話が聞けました。

  質疑応答も活発に交わされ、そのなかで、日本語はまず目の印象にうったえる。
  漢字は二文字が多い。なので訳すときに間にひらがなを入れることがある。
  というのが興味深かったです。
  声に出して読みたくなる日本の小説は少なく、
  日本語で朗読して一番おもしろいと思うのは宮沢賢治。
  次にどんな言葉が来るのかまったく予想できない、とおっしゃっていました。

  

  朗読がこれほどスリリングでライブであるとは知らず、
  なんの道具もないのに突然世界が現れる驚きは、
  人の頭のなかで描かれるものは無限であるということを
  あらためて思い至る時間となりました。

  今回の企画は柴田さんのイベントを制作されているignition galleryの
  熊谷さんのお声がけで実現しました。

  柴田さん、熊谷さん、ご来場の皆さま、ありがとうございました。

  【Link】
  ignition gallery  http://ignitiongallery.tumblr.com/




  book cafe 火星の庭

  〒980-0014 仙台市青葉区本町1-14-30 ラポール錦町1F
  E-mail kasei@cafe.email.ne.jp
  URL  http://kaseinoniwa.com