《日時》6月26日(金) 19:00〜20:30
《会場》市民活動シアター(「仙台市市民活動サポートセンター」地下)
《内容》
いがらしみきお(漫画家)と塩山芳明(漫画編集者)によるトークショー。
司会は南陀楼綾繁(編集者/ライター)。
出版業界の最底辺を支えてきた編集者・塩山芳明の新刊
『出版奈落の断末魔』(アストラ)の刊行を記念して、
塩山編集の漫画誌から華麗に転身した
漫画家・いがらしみきお(仙台在住)が、当時を振り返る。
毒舌で知られる塩山さんはいがらしさんと旧知の間柄、
よそでは聞けない貴重な話題、爆弾発言が連発!?するかも。
《入場料》2,000円
【以下は 終了後の『庭番便り』から】
6/26(金) いがらしみきお×塩山芳明 トークイベント
「漫画家vs編集者 出版業界最底辺を語る」 19:00〜20:30
Book! Book! Sendai 2009で行うトークイベントはこれのみ。
トーク企画は意外とむずかしいのだ。でもこの3人ならおもしろいこと
は間違いない、と思っていた。定刻通り19時に、いがらしみきおさん、
塩山芳明さん、司会の南陀楼綾繁さんがステージに登場。
南陀楼さんが「ぼのぼの」ファンの親子連れとかいたらちょっとやばい
話がでるかもしれません、と前振りする。
いがらしさんが今年漫画家生活30周年で、いままであまり人前に出な
かったが、今年はテレビやサイン会などいろいろなことに挑戦していて、
このトークも漫画家生活30周年記念事業の一環です、とのっけから笑い
をとる。
いがらしさんはデビュー当時、塩山さんが編集するエロ劇画誌に漫画
を描いていた。そのころたいへんな劇画ブームだったという。(あぁ、
そういえば私も小学校の頃、お父さんのエロ劇画雑誌を読んでいたな、
と思い出した。テレビでは11PMやトゥナイトを観て、それでずいぶん
世の中を知ったんだっけ。)当時のいがらしさんのインタビューが載っ
た雑誌のコピーを来場者全員に配って、その話にまたまた大笑い。いが
らしさん、かなりのパフォーマーです。
後半に塩山さんが撮影した自宅から仕事場までのビデオを上映。塩山
さんは群馬県から東京の事務所まで毎日、新幹線通勤しているのだ。の
どかな田園風景から、都心になると画面がブレブレ。しかし妙にかっこ
いい。生原稿から雑誌に載るまでの手順も紹介されて、おもしろかった。
いがらしさんと塩山さんは、いがらしさんの休筆宣言の後、一旦おつ
き合いが途絶える。超人気作家になったいがらしさんは、月に〆切り22
本、一日15時間以上描いていたそう。トイレと食事と寝る以外はすべて
漫画を描いている暮らし。多いときで月に120枚描いたと言う。心身の
限界がきたのだろう、あるとき突然2年間の休筆宣言をする。そして復
帰後の第一作が「ぼのぼの」なのだ。浮き沈みの多い漫画業界で変わら
ず漫画家と編集者として仕事をし続けてきた二人が、3年前、塩山さん
の著書「出版業界最底辺日記」をいがらしさんが偶然本屋で手にとった
ことがきっかけで、ふたたび出会う。
「こいつはえらいよ〜」と塩山さん。「普通は売れっ子になって仕事
を減らすときは、弱小出版社の仕事を削るじゃない?そうじゃなくて、
メジャーなところもマイナーなところも全部いっぺんにやめちゃったん
だ。そんな奴はいない」。二人とも言葉と態度に飾ったところがない。
「僕は塩山さんが大好きなんです」といがらしさんが屈託なく言うのが
素敵だった。あの塩山さんが照れて返せないのも微笑ましかった。
南陀楼さんの質問に答えて、いがらしさんがこれから描いていきたい
作品のテーマを語ると、みんな聞き入っていた。それはほんとうに心か
ら読みたいと思わせるテーマだった。最後は漫画家生活30周年記念事業
の一つ、記念Tシャツプレゼント。いがらしさんと大ジャンケン大会。
わーわー盛上がり終了。ほんとうにいいトークだった。終わってからの
サインの列がこれまたすごかった。
いがらしみきおおさん、塩山芳明さん、南陀楼綾繁さん、楽しい時間
をありがとうございました。打ち上げに行く途中で「すごくおもしろか
ったです」といがらしさんに言うと、「用意していたネタ、もっとあっ
たんだけどな〜」と笑う。プロ魂を感じました。
ご来場の皆様、東京や他県からもたくさん来ていただきました。
ほんとうにありがとうございました!
打ち上げはご出演者のほかに、東京から岡崎武志さん、貸本喫茶ちょ
うちょぼっこの福島さん、塩山さんの盟友、多田さん、山崎さん、いが
らしみきおオフィスのクマガイコウキさん(ぼのぼの劇場版2作目の監
督さん)、広島の財津さん、出版社S館のTさん、Book! Book! Sen
daiメンバーと一緒ににぎやかに焼き肉。ビールがおいしかったー。
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